垂直の記憶を読んだ。岩と雪の7章という副題がついているが、まさに、酸素を使わないアルパインスタイルの本当の登山家、山野井氏の登山の記録に鳥肌がたった。
ただ、山に登るだけのノンフィクションの圧倒する力を感じた。特に最後の章のギャチュン・カンはすごかった。奥さんと二人で登り、凍傷にかかりながら、何本もの手足の指を失いながら、生還するのだ。
一体、どんな方なのかとウエブで調べてみた。これだけ、危険 . . . 本文を読む
また、新田次郎に戻ってきた。そして、不思議な作品に出合った。
そして、何と、新田次郎は、いろいろな作品を描いているのだろうと驚いた。この作品は、霧ヶ峰高原で、有料道路建設により自然破壊するのに敢然と立ちあがったしがない文化団体の物語だそうだが、実話にもとずいているという。
名前は、微妙に変えているが、3人の個性的な人物が出てくる。反対運動の代表になった婦人科病院長、考古学者、生物の高校教師だ。 . . . 本文を読む
2017年上半期の面白かった落語をご紹介したい。
しかし、少々、一時ほど、積極的に落語を聞かなくなったかも知れない。
理由は、将棋ブームの影響かもしれない。
とはいえ、立川志の輔は、youchoobで、聞いたことがないのは、40分以上の長いものだけになってきた。
立川志の輔か、柳家さん喬を聞いておけば、間違いないという感じが出来てきたようだ。
1.立川志の輔 . . . 本文を読む
解説者によると、店頭で一番安心してお勧めできる山岳小説の作家だそうだ。
確かに、この作品もなかなか、面白かった。ちょっと、ボリューム的に500ページはしんどかったが、ニュージーランドの名峰アスパイリングを舞台に、遭難事故と、保険金殺人の冤罪事件が複雑にからみあいながら、話は進んでいく。
冤罪事件については、少々、あきれかえり、苛立ちを覚えたが、最後には、救いもあり、ちょっと、ほっとする。
ニ . . . 本文を読む
笹本稜平の「春を背負って」を読んでみた。
思いのほか、面白かった。
裏表紙にも、山岳小説の新境地と書かれているが、確かに、山岳小説というと、とにかく、高く、厳しい登山をいかに成功させるか、いかに生死の境で、生き抜くかといったストーリーが多いように感じる。
しかし、こちらは、2000m級の秩父の山の山小屋の話であり、どこか、ほのぼのとした感じがする。
しかし、6話の短編からなるのだが、どれも . . . 本文を読む