葉室麟の時代劇小説を定期的に読もうと考えている。
理由は、読んでいて心地良いからだ。登場人物の志が高いからだ。
この「銀漢の賦」も、期待を裏切らない心地よい小説だった。
かつて剣術道場で幼なじの二人が、進む道が分かれ、絶縁状態となる。鉄砲方で、村のために井堰を作る事業をやり遂げた下級武士の源五と、家老となった松浦将監だ。
その二人が、再び、力を合わせて藩のために命を燃やすのだ。面白くないわ . . . 本文を読む
キンドルの無料本の中に、「無人島に生きる十六人」という本があり、読んでみた。
子供の時は、ロビンソンクルーソーとか、十五少年漂流記とかが、大好きだったが、明治31年に実際に漂流して、無人島に一年間、乗組員16人が暮らして、全員無事に日本に帰ってきた実話があったことに驚いた。しかも、その暮らしぶりときたら、まさに実務的というか、まさに、無駄のない、生き生きとした生活なのだ。
更に、全員が、絶望ど . . . 本文を読む
以前から読んでみたいと思っていたJOHN GRISHAMの少年向けミステリー小説、THEODORE BOONEシリーズの第一作を読んでみた。
思いのほか面白く、263ページを10日間で読んでしまった。
少年向けとは言え、さすが、JOHN GRISHAMである。大人が読んでも、ちっとも、違和感がなかった。単語も、120個(2ページに一個)くらいは調べる必要があった。
従って、日本の中高校生だと . . . 本文を読む
「山と渓谷」の中で、感動した山関係の小説の中に本書があり、読んでみた。
裏表紙の宣伝文句が、すごい。「人生を織りなす、瞬くような時間。恩寵に満ちた心ゆすぶられる物語。」ある男の人生を淡々と描いているだけの小説だ。
簡単にストーリーを言うと、生まれて、母親が亡くなり、親戚に引き取られるが、何かあると鞭で打たれるような厳しい環境だった。やがて、成人して、妻との幸福な生活を得るが、雪崩により、妻は帰 . . . 本文を読む
葉室麟の「陽炎の門」を読んでみた。
面白くて、2~3日で一気に読んでしまった。
執政まで出世した主人公は、過去、藩主を批判したため、切腹に追い込まれた親友の切腹の介錯をした。批判した筆跡も鑑定したのだが、親友の命を守れなかった自分に呵責の念で苦しんでいた。
そして、成人した親友の娘を妻にしていたのだが、突然、その弟が、仇討ちに現れたのだ。
何とも、複雑で、不可思議な物語なのだが、真実を求め . . . 本文を読む
ジャック・カーリィのカーソン・ライダーシリーズ2作目を読んだ。3作目、1作目、2作目の順番で読んだことになる。
この作品が、一番、読むのが大変に感じた。理由はなぜだろう?
何人もの異常な殺人者が出てくるばかりか、殺人者の持ち物をキャラクターする異常な人間も出てくる上に、今回の連続殺人の動機や、犯人像が最後の最後までわからないからだろう。
序盤では、捜査が遅々として進まない。そのうちに、アート . . . 本文を読む