葉室 麟の「散り椿」を読んだ。 お家騒動有り、剣劇あり、恋愛ありと、盛りだくさんという感じの作品だった。
「散り椿」は、残る椿があると思えばこそ、見事に散っていけるもの、たとえこの世を去ろうとも、ひとの想いは、深く生き続ける。というのが、大きなテーマになっている。
従って、お家騒動や剣劇がありながら、なぜか、少し、湿っぽいというか、秘めた想いの中で、嫉妬やら、本当の想いは何だったのかという疑問 . . . 本文を読む
ジャック・カーリィのカーソン・ライダーシリーズの5作目を読んだ。
シリーズ物で読み続けたい作品だが、図書館にはあと一冊。翻訳もあと2冊のようだ。実際には、更にかなり書かれているが、最近の翻訳されたものは、2冊飛ばされているようだ。
英語で読んでも良いのだが、手にはいるだろうか。また、日本語を読む限り、かなり、手ごわそうだ。翻訳家の三角和代さん、頑張ってください。
さて、今回の作品は、前回、収 . . . 本文を読む
JOHN SANDFORDのPREYシリーズ以外のシリーズ(KIdsシリーズ)が図書館にあったので読んでみた。
ハッカーの物語で興味があったのだが、少々、回りくどい感じがしたり、英語もスラングが多くて、手こずった。
この著者の面白いことは、主人公に、いろいろな能力を与えて、キャラクターを引き立たせていることだろう。
この主人公も、画家であり、ハッカーである。そして、泥棒の経験のある彼女を連れ . . . 本文を読む
日本の剣豪に興味を持っているが、直木賞の直木氏が、戦前に書いた剣豪列伝を読んでみた。
十数人の剣豪を主に題材にしているのだが、その中には、その弟子やら、関連する剣豪の話にも飛びまくっており、少々、まとまっているとは言い難い部分もあった。
後半の雑話の中には、繰り返しとなる文章もあり、飛ばし読みになってしまった。
しかし、戦前の本にしては、読みやすく、大衆小説の賞に与えられる直木賞の由来が少し . . . 本文を読む
「山は見ていた」とは、何とも、意味深で、目を引く表題だ。
新田次郎の短編集を読んでみた。
15編からの短編集なのだが、何と、山や登山が出てくるのは、最初の’「山靴」と、最後の「山は見ていた」の2編だけだった。
一番、面白かったのは、最後の表題作「山は見ていた」だ。理由は、自分が、興味を持っている大岳山の登山が書かれているからかも知れない。終わり方が、希望を持てる終わり方だからかも . . . 本文を読む