新聞の書評で、薦められたクリス ハマーの「渇きの地」を読んでみた。2021年に英国推理作家協会賞最優秀新人賞を受賞している。
とても、新人離れしている濃厚な作品だ。
もともと、ジャーナリストとして、30年活動していただけに、謎解きの主人公も、ジャーナリストだ。
オーストラリアの教会で、牧師が銃を乱射し、5人を殺害する。一年後、町に訪れた新聞記者の主人公が、牧師をかばう住民の証言に、何故、牧師 . . . 本文を読む
湊かなえの「山女日記」を読んだ。湊かなえの作品では、「告白」以来である。
この「山女日記」は、山ガールの人生を描きながらそれぞれの山に登る8篇の連作になっている。自分の登ったことのある山も一つあり、前半は、結構、面白く感じたが、後半、特に、一番、長い作品だった「トンガリロ」は、15年前と現在の二部構成が、ちょっと、わかりずらくもあり、退屈に感じてしまった。しかし、普通の山岳小説とは、ちょっと、違 . . . 本文を読む
辻堂魁の風の市兵衛シリーズの第3作目を読んだ。
最後の解説で、「読み心地の良さを、これほどまでに味わえる作品にはなかなか出会えまい」という言葉があったが、なるほどなと思った。
今回は、抜け荷を暴いて、悪を成敗するといった、やはり、せいせいする市兵衛の活躍が見れる。
また、船上の戦いという、はらはらどきどきも味わえる。
気が付けば、3作目まで来たが、また、きっと、4作目も読むことになるのかも . . . 本文を読む
JOHN GRISHAMのTHE TESTAMENTを読んだ。
ある大富豪が、遺言書を書き換えた後に、飛び降り自殺する。
その遺言書によると、すべての財産を、ブラジルのジャングルに宣教師として赴任して、どこにいるかもわからない子供、妻ではない女性に産ませた子供に託すというのだ。二人の元妻に産ませた子供たちは、遺産相続を期待していたから収まらない。それぞれ、弁護士を雇って、書き換えた遺言書は、無 . . . 本文を読む
荻堂顕の新潮ミステリー大賞受賞作である本書を読んでみた。読売の書評で、この作家のことを知って興味を持った。ちょっと、変わった作品であることはまちがいない。ストーリーとしては、少し前に読んだミッドナイトライブラリーに近いかもしれない。他の地域に逃げたり、現実に絶望して、人生から逃げるのを助けるのが主人公の女性だ。ミッドナイトライブラリーの場合は、自分で、やり直したい人生の分岐を選べたと記憶している。 . . . 本文を読む