ミステリーな森の生活

洋書ミステリー、英語学習、洋画レビューなどから始めましたが、今は、種々雑多(山岳小説、落語など)です。

人斬り剣、奥儀(津本陽)

2022年11月21日 | 時代劇はミステリー
何とも、物騒な表題だ。10篇からなる短編集だが、ほとんど、どれも、十分楽しめた。 有名な剣客の話だけでなく、むしろ、あまり知られていない剣客の話が面白かった。 例えば、「抜き、即、斬」では、11歳で果し合いをした若武者が描かれる。果し合いを申し出た者が、ほとんど、討たれるとのことだが... 最後の2編も、ちょっと、吉村昭を想起させる作品もある。「剣光、三国峠」の戦闘場面は、素晴らしかった。 . . . 本文を読む
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空中ブランコ(奥田英朗)

2022年11月18日 | 国内ミステリー
奥田英朗の直木賞受賞作、「空中ブランコ」を読んだ。 伊良部総合病院の神経科を舞台にした5編の短編集からなる。 どれも、設定がおかしくて、会話も楽しめた。思わず、笑わずにはおれないなんて、久しぶりの快感だった。最近のお笑いは、無理やり笑わせようとしているようなところがあり、この作品群のように、自然に笑わざるおえなくなるのが、新鮮な気持ちだった。 このシリーズの前作のインザプールも読んでみようと . . . 本文を読む
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MAGPIE MURDERS(ANTHONY HOROWITZ)

2022年11月16日 | 海外ミステリー(洋書)
久しぶりに、ANTHONY HOROWITZの作品を読んだ。このミステリーはすごい、本屋大賞などなどを受賞したMAGPIE MURDERSだ。こんな複雑なミステリーを書くのは、現代では、アンソニーホロウイッツ以外、いないのではないかと思えるような構成だった。何しろ、ページ数が、通しではないのに驚く。 1.殺人事件と2.その作品を書いた作者の殺人事件が進行するのだが、ページが違うのだ。 1.ペー . . . 本文を読む
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果つる底なき(池井戸潤)

2022年11月14日 | 国内ミステリー
池井戸潤の江戸川乱歩賞受賞作、「果つる底なき」を読んでみた。 江戸川乱歩賞受賞作を読むのは久しぶりだ。直木賞受賞作の「下町ロケット」が、ちょっと、長そうだったという不純な理由からだが、中々、面白かった。 元銀行員だった作者の経歴、知識を活かしたリアリティーにあふれた作品だ。友人の債権回収担当の銀行員がアレルギー性ショックでなくなる。その謎を解くべく、組織の派閥に背を向けた男が、動くのだ。面白い . . . 本文を読む
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暗殺の年輪(藤沢周平)

2022年11月05日 | 時代劇はミステリー
藤沢周平の直木賞受賞作と他4編からなる「暗殺の年輪」を読んだ。 驚いたことに、他4編のうちの3編は、直木賞候補にあがっていたのだ。 それだけに、どれも、濃密な作品だった。 どれも、後味は、少々、辛めで良いとは言えない。男と女の愛憎や、人間の嫉妬も描かれている。 自分としては、直木賞とは関係のない「ただ一撃」という短編が、一番、気に入った。 ちょっと、剣客商売の老剣客を思い出す剣客の物語だ . . . 本文を読む
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