山本兼一の松本清張賞受賞作、「火天の城」を読んでみた。
巨大な安土城築城の真相に迫る物語だ。
なかなか、読み応えのある重厚な時代小説だった。
よくこれだけ複雑な物語をまとめあげて一つの小説にできたと思う。後に取材協力先なども記載されていたが、大変だったのだろうなと想像できる。
信長の夢、天に聳える五重の天主の城を建てよの号令に答えた棟梁親子の物語だ。
無理難題、妨害、困難に会いながら、こ . . . 本文を読む
山と渓谷の2018年1月号の中の、登山者のためのブックガイド2018は、登山関係の本を読み漁るきっかけになった。
そのノンフィクション部門で、印象に残っていた題名の「外道クライマー」を読んでみた。
その表題から、もしかして、ヤーさんかもと想像していたが、それは、あっさり外れた。沢やとして生きる宮城公博氏の冒険の記録なのだ。
那智の滝での逮捕の記録があるので、外道というのも一部、あっている。
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副題では、トールオークスの秘密と書かれている。英語の表題は、単純に、TALL OAKSとアメリカ西海外の地名だけだ。
読売新聞の書評でおすすめであり、CWA(英国推理作家協会)新人賞受賞作だ。
CWA受賞作では、たぶん、読んだのは初めてかも知れない。
いたって平和な小さな町で、三歳の子供が、嵐の晩に忽然と消える。
住民総出で、捜索するも手掛かりも出ない中で、母親は、毎日のように各家を訪問し . . . 本文を読む
米澤穂信は、今、最も注目している作家の一人だ。2015年に三つの年間ミステリーランキング一位に輝いた記念碑的傑作と言われる「王とサーカス」を読んでみた。
この作家は、前回読んだ短編集「満願」の中にも、海外のビジネスマンを主人公にしていた短編があったと記憶するが今回も、ネパールが舞台となる。
ネパールの2001年に実際に起きた国王他が射殺された事件の渦中に、ネパールにきていた主人公は、取材に走る . . . 本文を読む
DANIELLE STTELのTHE GHOSTを読んだ。
DANIELLE STTELの本としては、THE GIFT以来2冊目だ。
CNN ENGLISHT EXPRESSの巻頭インタビューで薦められていたためだ。
ストーリーとしては、立ち直れないほどのダメージを受けた妻に裏切られた夫が、夫からのひどい虐待から新天地アメリカに逃げた勇気ある昔の女性の日記を読んで、自分の人生の再生にめざめる . . . 本文を読む