ウオルター・モズリイの洋書が図書館にあったので、読んでみた。
先日読んだ作品の書評でも、たくさん名前が次から、次へと出てきて年寄りには辛い。とあったが、出てくるは出てくるは。最初の100ページで30人以上が出てくるし、仮名やら、あまり、ストーリーに関係ない人名も、ぞくぞく出てくる。
重要な黄色い犬も出てくるのだが、持ち主がつけた名前のほかに、主人公の娘が別に名前を付けてたりする。どうも、著者は . . . 本文を読む
1950年に刊行された希代のクライマー、松濤明氏の山岳紀行集だ。
私が、読んだのは、2000年に刊行された5番目のものだ。
槍ヶ岳北鎌尾根で遭難死する直前、テントの中で書いた「全身凍って力なし」という詩的な遺書で有名だ。
紀行集は、非常に細かく、詳細が記載されており、最初と最後の方を除いて、飛ばし読みになってしまった。
ただ、感じたのは、16歳から遭難死するまでの26歳までの記録なのだが、 . . . 本文を読む
マッターホルン、アイガー、グランドジョラス等、6つの北壁登行した名クライマー、レビュファの山岳文学の名著として名高い、「星と嵐」を読んだ。岩山ばかりの、とても、想像のできない北壁ばかりを次々に征服していく様は、信じられない。
恐怖はないのだろうか?その体力や技術は?
数々の名クライマーと呼ばれる人も、最後は、遭難してしまう場合が多いが、彼は、64歳にて、肺がんで亡くなっている。
この本が、名 . . . 本文を読む
米澤穂信氏の「満願」を読んでみた。読売新聞の書評で、「黒牢城」に興味を持ったが、まず、代表作の「満願」から読んでみようと思ったのだ。
「満願」は、表題作を含む6篇の短編からなるが、どれも、質の高い、しかし、まったく、異なる種類のミステリーからなる。
2014年には、評判になり、山本周五郎賞ほか、ミステリーランキングの3冠を取ったという。,最後の解説で、この短編集に共通しているのは、人間の不可解 . . . 本文を読む
重松清の「エイジ」を読んでみた。
理由は、オリンピック中に、読売新聞に重松氏のコロナの中での、オリンピック開催についての文章が載っていたのだが、その文章に、魅力を感じたせいだ。
細かい内容は、はっきり思い出せないが、客観的とも言えるし、妙に、感動をあおるでもなく、批判的でもないような文章だったと、記憶している。
そのあとに、この「エイジ」を読んで、ますます、不思議な印象を持った。従来の、青春 . . . 本文を読む