ミステリーな森の生活

洋書ミステリー、英語学習、洋画レビューなどから始めましたが、今は、種々雑多(山岳小説、落語など)です。

喜多川歌麿絵草紙(藤沢周平)

2025年02月10日 | 時代劇はミステリー
藤沢周平の本著を読んでみた。最近、NHKの大河ドラマで、『べらぼう』を見始めた。 大河ドラマを見るなんて、本当に久しぶりだ。そして、見続けている。 理由は、時代劇であること。ストーリーも中々、面白いからだろう。 本屋にも、蔦屋の特集本が出回っている。 そんな中で、読んでみたくなったのだが、読み終えて驚いた。10年前に読んでいたことがわかったのだ。その時の感想が下記の通りだ。 &rdquo . . . 本文を読む
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孤宿の人 上下(宮部みゆき)

2025年02月01日 | 時代劇はミステリー
宮部みゆきの「孤宿の人」を読了した。 裏表紙に著者の時代小説最高峰、感涙の傑作。と書いてあった。 なるほどと思わせる作品だ。正直言って、今まで読んだどの作品とも異なる不思議な作品でもあった。 不幸な少女、「ほう」が、やさしい人たちに出合いながら生きてゆく姿が描かれる。 一方、幕府から押し付けられ幽閉された者を悪霊と領民たちは恐れおののく。 その通り、次々に恐ろしい事件が発生する。 この . . . 本文を読む
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さまよえる神剣(玉岡かおる)

2025年01月13日 | 時代劇はミステリー
読売新聞の書評で知った本書を読んでみた。 玉岡かおるの書は、2度目だが、どちらも設定、発想がユニークだ。本書も、壇之浦で、草薙の剣が、海中に消えたとされるが、その真相を知るため旅に出る若武者の話だ。 正直言って、長かったし、少々、緩慢に感じた。 冒険旅行記であれば、それなりに、わくわく、どきどきするようなスピーディーな展開が欲しかった。 その時代背景の雰囲気を盛り込もうとしたためだろうか? . . . 本文を読む
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剣鬼(柴田錬三郎)

2025年01月11日 | 時代劇はミステリー
先日、市川雷蔵の古い映画を3週連続でBSテレビ放映していた。その中で、「剣鬼」というのがあり、思わず見てしまった。 少々、荒唐無稽なところがある作品だった。 何しろ、犬の子と言われて育ち、馬鹿にされぬように、一芸に秀でろと養父に遺言される。 すると、花を育てる特殊な能力を発揮する。更に、馬に負けずに走れる能力もあることに気が付く。 更に、居合を練習する武士を見て、居合を習得するのだ。 誰 . . . 本文を読む
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大名倒産 上下(浅田次郎)

2024年12月23日 | 時代劇はミステリー
大名倒産(上下)を読み終えた。 正直言って、上下巻は、長かった。 今まで読んだ、浅田次郎の作品とは、ちょっと、違う世界だった。 いわゆる、ドタバタコメディー的とでも言うのか。 経営破綻しかけてる小藩で、長男が亡くなったので、突然、4男の主人公がお殿様になって、立て直しをはかる。 一方、引退した元藩主は、ある計画を画策していた。 一見、普通の時代劇っぽいが、ハチャメチャになってくるのだ。 . . . 本文を読む
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影ぞ恋しき(葉室麟)上下

2024年12月06日 | 時代劇はミステリー
「いのちなりけり」「花や散るらん」「影ぞ恋しき」の雨宮蔵人三部作を読み終えた。 最後の「影ぞ恋しき」は、葉室麟にとっても、66年の生涯の最後の作品とのことだ。 葉室麟にとっても、この主人公、雨宮蔵人の武士道への強い思い入れがあったと思われる。確かに、自分のことは、顧みず、他人のために命を捨てても守ろうとする姿には、心を打たれる。 敵であるものたちでさえ、その姿に、心に躊躇が生じるほどだ。 . . . 本文を読む
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花や散るらん(葉室麟)

2024年11月20日 | 時代劇はミステリー
三部作の2つ目だ。雨宮蔵人と咲弥の物語だが、今回も、幅広く、種々の歴史的人物が関わってくる。 特に、本作品では、赤穂浪士の吉良家への討ち入りの謎が明かされる。 まったくもって、独創的ではあるが、それが、ごく自然に感じられるから不思議だ。 前半部分は、やや、重く感じられたが、後半に入り、一気に、加速され、読み進めることができた。 あいも変わらず、雨宮蔵人の剣が、冴えわたる。 また、武士の生 . . . 本文を読む
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居眠り磐音01 陽炎の辻(佐伯泰英)

2024年11月03日 | 時代劇はミステリー
平成を代表する超人気時代小説と言われる本作品の第一巻を読んでみた。外伝を除くと、51巻まであるらしい。 映画やNHKドラマにもなって、見ている。 2019年の映画版は、あまり、人が入らなかったようだが、TVで見て、結構、面白かった。主演は、松坂桃李だった。 その映画版とほぼ同じなのだが、若干、異なっていた。 NHKドラマの方の主演は、山本耕史だった。何故、これほど、長編になったか、作者のコ . . . 本文を読む
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密封(上田秀人)

2024年10月19日 | 時代劇はミステリー
最近、時代劇小説で、読んだことのない作者のものを読んでみようと思っている。 文庫書下ろし小説で話題にあがった奥右筆秘帳シリーズというのを選んでみた。 この作者は、珍しい役に付く主人公をもとに、剣豪小説と政治小説という二つの要素を盛り込んでいるとのことだ。 この作品も、徳川家の公式文書を一切管理する役職だ。 読んでみて、剣豪小説の部分は、非常に面白かった。 しかし、政治小説の部分は、少々、 . . . 本文を読む
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春の雪(芝村凉也)

2024年10月09日 | 時代劇はミステリー
書評か、広告を見て、この本を選んだと思う。 読んだ感想としては、ちょっと、変わった時代劇である。 用部屋手附同心というお役目も初めて聞いて、ピンと来ないが、簡単に言えば、市中を見回る普通の同心から、左遷されて内勤専門の同心になった感じだ。しかし、理屈っぽいが、洞察力があり、なぜか、頼りにされたり、相談されたり、事件解決に一役をかってしまう主人公の物語だ。 4つの短編集なのだが、主人公の生い立 . . . 本文を読む
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月夜行(辻堂魁)

2024年09月14日 | 時代劇はミステリー
風の市兵衛シリーズの4作目を読んだ。 読み続けてしまう一つの理由は、剣劇が、必ず期待できるせいかも知れない。 今回は、姫君を守る役につく。 敵は、地元の地回りのヤクザ30数名と刺客軍団20数名と、いまだかってない数にものを言わせた敵が襲い掛かる。そのうえ、最後には、首切りの剣豪が待ち構えている。 過去最高の危機に陥る市兵衛が見られる。 また、次も読んでみたくなるから不思議だ。 . . . 本文を読む
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風かおる(葉室麟)

2024年07月05日 | 時代劇はミステリー
葉室麟の「風かおる」を読んだ。 2017年、葉室麟が、亡くなる2年ほど前の作品だ。 「妻敵討ち」の旅から帰った養父は、死病に侵されながら妻敵討ちをさとした誰かと果し合いをするという。 何とか、思いとどまらることができないかと鍼灸医の娘は、思い悩む。 何やら、今までの葉室麟とちょっと違った話のように思えた。 後半までは、謎解きに近い形で、延々と続く。なぜ、誰と果し合いをするというのだ。しか . . . 本文を読む
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帰り船(辻堂魁)

2024年06月11日 | 時代劇はミステリー
辻堂魁の風の市兵衛シリーズの第3作目を読んだ。 最後の解説で、「読み心地の良さを、これほどまでに味わえる作品にはなかなか出会えまい」という言葉があったが、なるほどなと思った。 今回は、抜け荷を暴いて、悪を成敗するといった、やはり、せいせいする市兵衛の活躍が見れる。 また、船上の戦いという、はらはらどきどきも味わえる。 気が付けば、3作目まで来たが、また、きっと、4作目も読むことになるのかも . . . 本文を読む
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映画 「碁盤 斬り」

2024年05月29日 | 時代劇はミステリー
映画「碁盤 斬り」を見てきた。 時代劇であり、草薙ファンであり、かつ、原作が、落語とあっては、見ないわけにいかない。 事前に、ユーチューブで、志ん朝の「柳田格之進」を聞いておいた。 久しぶりに落語を聞いたのだが、志ん朝の人情噺は、やはり、うまかった。 さて、映画だが、かなり、脚色され、登場人物も変えられていた。しかし、上手に変えられていたので、違和感もなく、また、すっきりまとめられていた。 . . . 本文を読む
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命もいらず名もいらず(山本兼一)

2024年04月27日 | 時代劇はミステリー
山本兼一の「命もいらず名もいらず」を読んだ。 以前から、読みたい本だったが、上下巻の分厚さに尻込みしていた。 内容は、幕末の3舟の一人、山岡鉄舟の史実をもとにしたフィクションだ。 山岡鉄舟という人物は、ドラマでも、坂本竜馬や、勝海州にような主役では、あまり見たことがない。しかし、今回、読んでみて、江戸城の無血開城に最終交渉したのは、西郷と勝だが、その前に 、西郷に説得に行ったのは、山岡鉄舟で . . . 本文を読む
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