葉室麟の「月神」を読んだ。
月の章と神の章に分かれている。
最初に、月形潔が、北海道に監獄を建てるため、船で赴任するところから始まる。
その中で従兄で、尊王攘夷運動に命をかけた月形千蔵の物語が月の章となる。そして、神の章で、また、月形潔の、北海道の話に戻る。彼は、従兄の残した「夜明けを先導する月でありたい。」という言葉にしたがい、自分も、そうありたいと、もがき苦しむ。
こちらは、歴史小説な . . . 本文を読む
シャーロック・ホームズの続きを書くANTHONY HOROWITZの「THE WORD IS MURDER」を読んだ。
少年少女向けの本や、007の脚本を書いたり、忙しい著者だが、この作品も、ユニークさでは、負けない。
英語は、平易で、わかりやすいのだが、その設定の違和感についていけず、やや、退屈に感じ、読み進むのに苦労した。
半分くらいから、2番目の殺人事件が起こり、少し、スピーディーな展 . . . 本文を読む
新田次郎の作品としては、マイナーかも知れない。
だが、傑作短編集と言ってよいだろう。
特に、新田次郎のもう一つの専門分野である気象と歴史の関わりに着眼した表題作の「赤毛の司天台」は、面白い。日本の気象予報の先駆けの話なのだ。天文を専門にしている部署に、無理やり、気象予測もやるように指示が出たのが始まりだという。
大奥が参拝に出かけるのに、良い天気の日を聞いてきて、もし、外れたら切腹ものだなん . . . 本文を読む