新田次郎の「槍ヶ岳開山」を読んだ。
新田次郎の作品でも、ユニークな作品と言えるかも知れない。
騒動の中で、妻を刺殺した罪の償いに、槍ヶ岳を開山した修行僧の伝記小説なのだ。
最後の解説で、槍ヶ岳登山中のもの10人に、槍ヶ岳開山した人物の名前を聞くと、3人はウエストン、残り7人は知らない。と答えるとのこと。
まさか、登山家でもない、修行僧が、槍ヶ岳を開山したとは知るすべもない。
しかし、伝記 . . . 本文を読む
植村直己の本を初めて読んだ。
少し、硬い感じのする文章だったが、面白かった。
なぜ、不世出の冒険家、植村直己なのかが垣間見えた。
日本人初のエベレスト登頂者という栄誉は永遠のものだろう。
それにしても、本の中で、何人かの死者が出るのだが、高山病だったり、心臓発作だったりが多いのに驚いた。
放浪者であり、決して、聖人君主とは言えない植村直己が山登りの中で、自分が山頂まで登りたいが、皆で登り . . . 本文を読む
沢木耕太郎の「凍」を読んだ。山岳小説ではトップ10に入る人気の作品だ。
先日読んだ、山野井氏の「垂直の記憶」の一番、壮絶なギャチュンカンにスポットライトを当てたノン・フィクションだが、講談社ノンフィクション大賞も受賞しただけに、面白かった。
「垂直の記憶」が2004年頃、この「凍」が2005年頃と、内容だけでなく、出版したのも同じ時期だ。
「孤高の人」のように、本人が書いた記録集とかなり違う . . . 本文を読む