葉室麟の「峠しぐれ」を読んでみた。
何を読んだらよいか迷ったときには、葉室麟の未読の作品を
選ぶことが多くなっている。
裏表紙には、真摯に生きる夫婦の姿が胸を打つ傑作時代小説と
あるが、ちょっと、違和感があった。
峠の茶屋の夫婦の物語だ。
主人は、実は、あまり聞きなれない流派の剣の達人だ。
また、妻は、「峠の弁天様」と呼ばれる、お金のない旅人には、
タダで、茶や団子 . . . 本文を読む
戸田義長の「恋牡丹」を読んでみた。
裏表紙に、心地よい人情と謎解きで綴る四編とあるが、なるほどと読んでいると、えっと驚くミステリーのトリックと謎解きが描かれているのだ。
主人公は、北町奉行所に勤めるが、早々と引退して息子にあとを継がせる。
その親子2代の同心が事件を解決するのだが、普通の時代劇の同心ものと思って読んでいると違うのだ。
それが、新鮮でもあり、面白く読めた。 . . . 本文を読む
先般、過去に読んだ作品を選んでしまったので、別の作品も読みたいと、本書を選んだ。
「犯罪」を凌駕する短編集とのことだが、正直言って、少し、この作家の短編に慣れてしまったのか、初めて、「犯罪」を読んだときの、驚きなどは、起きなかった。
15作品からなる短編ということで、中には、かなり、短いものもある。最後の作品、「秘密」などは、何と、4ページしかないのだ。まるで、小話のような趣だ。
どれも、本 . . . 本文を読む