不思議な作品だ。これなら、ミステリーと読んでも良いような気がする。
戦時中、若い整備兵は、ある男の依頼で落下傘を、しばらく拝借する。それを隠そうと、今度は、軍用飛行機を爆破し、脱走することになる。
捕まれば死刑である。
そして、何十年がたち、逃亡した整備兵は、自分のしたことが、作り話でないことを証明すべく、当時の上官に会う。
いったい全体、この物語は、何のために書かれたものかと考えてしまう . . . 本文を読む
NHK TVドラマの原作になった”敵討”を読んだ。実際には、2編からなる。
最初の「敵討」は、何故、殺害されたかわからぬ剣客の叔父と、仇討をしようとするうちに行方不明となった父親の敵を追う息子の話だ。こちらは、意外性があり、史実でなければ、作りすぎではないかと思ってしまうほどである。
2編目が、TV化された「最後の仇討」だった。すでに明治に入り、仇討禁止令が出たにも関わ . . . 本文を読む
文法関連について、100の質問に丁寧に答えてあり、英文法についての一歩進んだ知識を身につけられる良書だ。
私も、多々、あいまいだったり、よくわからないものがあったものが、本書で明らかになった。
2~3例をあげると、
1.because節のコンマありと、コンマ無し
①コンマあり:理由(判断の根拠) He will be absent,because his wife called.②コンマ無 . . . 本文を読む
昭和11年から、昭和22年の間に、青森、秋田、網走、札幌の4つの刑務所を脱獄した人物と、当時の時代背景を克明にに記録した読売文学賞を受賞した力編だ。
よくも、ここまで、仔細に調べ上げたものだとびっくりする。
名前は、佐久間清太郎という仮名だったが、実在の人物がいるはずと、脱獄王で検索したところ、下記二人が出てきた。
西川寅吉:明治から大正時代に日本で最多の5回も脱獄し、5寸くぎを . . . 本文を読む
SIDNEY SHELDONを読むのは、実に、9年ぶりだ。
洋書のペーパーブックを読み始めた頃に3作品を読んで、卒業しようと思った記憶がある。
何故、卒業しようと思ったかというと、ストーリーテラーで面白いのだが、やや、面白くするために、とんでもなく悪い奴を登場させたり、不幸な事件を次々に起こし、復讐劇を楽しむようなところに、少し、辟易とした感じがしたのだと思う。
今年に入って、やや、読みにく . . . 本文を読む
最近、少し、読むのに苦労するような作品が多かったので、楽がしたくで、SIDNEY SHELDONのMASTER OFTHE GAME を読んだ。
確かに、単語を調べなくても、筋は追える場合が多く、調べた単語の数は、非常に少なかった。
①be born with a sliver spoon in one's mouth金持ちの家に生まれる。よい星の下に生まれる。
②precocious:発達 . . . 本文を読む
吉村昭氏の”三陸海岸大津波”を読んでみた。
40年ほど前の作品だが、徹底的な調査、記録による作品だった。
明治29年の大津波の知る当時の生存者2人の方から話を聞いたり、昭和8年の大津波の津波体験者の小学生時代の作文を引用したり、著者の平易な文章と、その事実の重さが相乗効果となり、感動した。
一人の女の子供が、自分の家族と離ればなれになり、自分だけが生き残り、他県の親戚 . . . 本文を読む