「蜩の記」続く羽根藩シリーズ第二弾を読んだ。
蜩の記との繋がりは、まったく無いように感じた。
役目をしくじっって、無頼暮らしに落ちた主人公が、家督を譲った義理の弟が、切腹したことから、弟の無念を晴らすべく、立ち上がる物語だ。
主人公は、剣にも優れているのだが、今回は、あまり、剣劇は見るものがなかった。
むしろ、どうやって、いったん落ちた花を咲かせるのか?
ぼろぼろになった人間が再生するの . . . 本文を読む
コルソン・ホワイトヘッドの「地下鉄道」を読んだ。
ピュリッツアー賞受賞作で、書評で薦められていた作品だ。
19世紀、アメリカ南部農園の奴隷少女、コーラの物語だ。
母親は、少女だったコーラを置いて、農園から、逃亡した。成功した唯一の例だった。
とても、無理と考えたコーラも、少年、シーザーから奴隷を逃す「地下鉄道」の話を聞き、一緒に、逃亡するこに決める。
それからが、大変な逃亡劇の始まりだっ . . . 本文を読む
洋書読みも本作で200冊となった。よく続いたものだ。1999年からだから実に23年かかったことになる。
最初は対訳本からはじめ、2001年からペーパーバックに移った。
自分の身長の厚さまで読むと英語が上達するとあったが、80冊~100冊くらいではとてもその実感が得られなかった。
その同じ人が、英語の身長の倍読めばと前言を変えていたが、2倍読んでも、それほど実感はない。
しかし、最近、精読と . . . 本文を読む
「将棋であった泣ける話」という12編からなる短編集を読んでみた。作家は、それぞれ違う作家によるものだ。あまり、知られてない作家による競作だ。
この本の扉の広告から、マイナビ出版から、「泣ける話」シリーズが出ていることがわかった。
例えば、動物園であった泣ける話とか、東京駅・大阪駅であった泣ける話とか多数あるようだ。アニメの人気声優による朗読ブックも出てるらしい。おそらくこのタイトルをテーマにシ . . . 本文を読む
先日読んだ「恋牡丹」の続編である本作を読んでみた。
時代劇の中には、歴史小説的なものもあれば、剣劇活劇的なものもあれば、人生劇場的なものもある。
しかし、この連作は、時代劇ミステリーというちょっと違った雰囲気がある。謎解きがあるのだ。
ということで、読んでみて、さすがに前作の新鮮な驚きに比べれば、ちょっと、驚きも新鮮さも軽減されたというのが感想だ。
作者は、エラリークイーンの作品に感銘して . . . 本文を読む
池波正太郎の直木賞受賞作、「錯乱」を読んだ。
5つの短編からなる。4作品は、どんでん返し的な展開もあり、中々、面白かった。
最後の「賊将」は、歴史小説的ではある。
一番、気に入ったのは、一番長かったが、一気に読んでしまった「秘図」だ。
主人公は、若い時分に放蕩三昧をしたのち、こころあらためて、盗賊討伐のため、火付け盗賊改めの責任者になるのだ。それと、秘図と、どういう関連があるのかは、読んで . . . 本文を読む