池波正太郎の群像シリーズの忍者群像を読んだ。
忍者というと、どうしても、甲賀と伊賀の戦いを思い描いてしまう。また、屋根裏をうごめいたり、堀の中を泳いだり、手裏剣をなげあったりである。
しかし、この忍者群像に出てくる忍者は、少し違う。
どちらかというと、スパイなのである。
敵の中に入り込んで、信用され、必要な情報を得たり、敵の作戦を頓挫させるような戦国時代のスパイとしての活動なのだ。
本作 . . . 本文を読む
MATT HAIGのファンタジー小説、「THE MIDNIGHT LIBRARY」を読んだ。
書評で、かなりの評価を得ている作品だ。
職場も首になり、ペットの猫も事故で亡くなり、絶望から、死にたいと思ったとき、目の前に不思議な図書館が現れ、その書棚から本を選ぶことで、こうすれば良かったと思う人生のやり直しを試せるのだ。誰でも、あの時、こうすれば、どうなっていただろうとか、想像することがあるかも . . . 本文を読む
このブログに最もあった題名の小説を読んでみた。
ちいさな炭鉱町で、記念碑などの破壊のあと、つぎつぎに人が殺害されていく。
行政官の命で、この町民の取材をゆるされた主人公が、正体不明の奇病におかされた町民とインタビューをし、謎をとこうとするのである。
今までに読んだことのないミステリーと言っても過言ではない。
翻訳家は、大変、苦労しただろうと推測される。編集者も、この作家の熱烈なファンのよう . . . 本文を読む
奥田英朗の「向田理髪店」を読んだ。
少し、軽いものを読みたくなると、奥田氏の作品を手に取ることにしている。
この作品は、「空中ブランコ」に比べれば、いたって、まじめな作品だ。
かっては、炭鉱で栄えたが、今では、寂れ、高齢者ばかりになった北海道の町で、理髪店を営む主人公の物語だ。こんな町では、何の希望もないから、若者は、外に出ていくべきと、悲観的に考える主人公に対して、息子が、帰ってくるという . . . 本文を読む
玉岡かおるの新田次郎賞、舟橋聖一生ダブル受賞作の「帆神」を読んでみた。
新田次郎賞受賞作品は、結構、自分の好みにあうようだ。
船乗りでありながら、船の新しい帆布の創造、拡大に貢献して、かつ、港の浚渫までやってのけ、士分にまで上り詰めた工楽松右衛門の歴史小説と言える。
また、女性作家のせいか、男女の恋愛の想いについても、描かれている。
少々、長く、読むのに苦労したが、工楽松右衛門という人物の . . . 本文を読む
JEFFREY ARCHERのFALSE IMPRESSIONを読んだ。
何とも、盛りだくさんで、スピーディーな物語だった。
英国の旧家が、負債に苦しんでいた。そこで、所持する名画を処分して、借金を返済しようとした。
しかし、その女主人が、暗殺され、一番の名画が借金を一手に引き受けている銀行に移動されようとする。
さて、それからが、大変だ。何しろ、米国の9.11事件の貿易センタービルにその . . . 本文を読む