トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

ところ変われば 3 「ナメクジ」

2018-07-07 | 旅行記
 「ところ変われば品変わる」の言葉通りナメクジも変わっていた。まるで三種混合ワクチンのように混在しているのであった。
 一番見たかったのは「マダラコウラナメクジ」だったのだけれど、普段は「傘もいらない雨模様」の土地柄なのに四週間に及ぶ快晴続きではナメクジ様もお出かけする気にはならなかったのは、けだし当然の日々だったのである。

 それでも早朝には在来種と侵入種は見る事が出来たものの、マダラコウラナメクジの成熟体は見つけれなかった。「普通に家の周り、プランターに出没しますよ」と家人はいとも普通に言ったのだけれどお天気は味方してくれなかった…、と言ってしまえば嘘になる。この快晴続きで連日、森や湖沼、はてまた湿地帯を彷徨でき退屈しなかったのだ。
 現地で当たり前の気象条件だったら家に閉じこもるしかなく退屈の極みだったに違いない。
 
 さてナメクジの在来種、巨大で真っ黒な種だった。体長120mmに達するのもいて胴回りは小生の親指より太いから25mmは超えただろう。何よりも「ヘェー!」と感じ入ったのは身体後方半分に縦縞が通っていた事で、プリーツズボンのようにも見える。これは綺麗だった。
 後部末端に菊座状の突起物があったのだが、排泄器なのか生殖器なのかは知る由もない。まあ、悪性腫瘍でなければどっちでも良いのである。
           在来種とマダラ


 人肌色したナメクジは「イベリア種」と呼んでいた。これは外来種で、一時期猛威を振るったのだそうで、その駆除に導入した「庭用家禽種」が野生化していた。その事に由る環境被害の報告はまだないのだそうだが、日本のマングース放生ほど馬鹿げた事態を引き起こすとは思われない。
 マングース放生や最近の登校児童圧死事例や大学運営等々を例に出すまでもなく、知識も分析能力もビジョンも無いのに権限だけを行使する輩による弊害は国の津々浦々にまで及んでしまった。まあ、立国の基盤、教育と政治・行政において顕著だから何をか言わんやではある。

 とは言うものの、なにをか言いたいのが小生で、高学歴や要職、社会的地位の高い輩がナメクジの働きにさえ劣る現実は何を言ってもグチだろう。
 これらのナメクジ、どういう訳か刈り払ったタンポポに群がってくる。美味しいのか食べやすいのか知らないが、どちらにしろ食い物にする物はどちらのナメクジ様も「空洞化」がお好きなようで…。
            


 吐乱譜はさておき見たかったマダラコウジナメクジの幼体期と思われる個体は見る事が出来たが、はたしてそれが「マダラコウラナメクジ」であるとの確証はない。本邦でも確認の事例はあったとの事だけれど現在はどうなのか、所詮、ナメクジなど不快害虫の範疇で、言わばマイノリティと言ってもよいか…。いやいや、ナメクジを取り上げる小生自体がマイノリティに分類されていく…。
 本日の吐与太話はこれまで!。
             マダラとイベリヤ種

 どうせ吐与太話だから、もう1話。映画「メアリーと秘密の王国」に出てきたキャラクターにナメクジがいる。脇役ながら大事な役どころなのだが、このナメクジが本件の黒いナメクジのデザインそっくりだった。「デザイン的にも採用水準か…」と思ってみていたのだが、たまたまTVドラマ「ブロードチャーチ 最終回」を見た時、刑事の自宅の床に黒いナメクジがいた。室内にいたのも踏み潰したのもどうかと思ったけれど、同種かどうか録画を静止させても判別出来なかった。これは英国製ドラマ、映画はアメリカ製なので「海外のナメクジは黒い傾向にある」と印象付けられたものの、実態は不明で、まあ、吐与太話だからどうでもいいのだ…。