トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

今期、ショウジョウトンボは激減かも⁉

2021-02-17 | 小人閑居して憮然
 図書館で特別に探した訳では無かったのだが「何か無いかな⁉」と棚を見ていたら目に入ってきたのが写真の本だ。今まで無かった本なので手に取りつつ「新書も入るのだ…」と思いつつ借りてきた。夕食前にざっと目を通してびっくら仰天、驚天動地。なんとショウジョウトンボの欄に「幼虫は藻の中に潜って育ちますので、池を綺麗にしようと藻を取り去ってしまうと、絶滅します」とあるではないかあー。もう、これで絶滅確定かもしれない。

 その理由は水域内のシャジクモ全草が食い尽くされてしまったからである。こんな事態は今冬が初めてで、今まではこんなことは無かったのだ。昨年初冬から夜間、水鳥が飛来してシャジクモを採餌しているのは時折あったのだが年が明けてからの飛来採餌回数及び採餌水域の拡大が顕著で、現在ほぼ水底にシャジクモの片鱗さえなくなっている。代わりにオーバーフロー部の仕切りに白根の千切れたのが集まって浮いているのだ。底土の中までしゃぶり尽くしているのは間違いない。

 本の記述が正しければ今期のショウジョウトンボへの影響は軽くはないはずで被害甚大かと今から動悸が高まるし血圧も上がりそう。それにもう一つの懸念事項は昨年から年始にかけ降雨が極端に少なく雨水の地表水頼りの三日月池も水枯れ寸前になり、毎期、クロスジギンヤンマの羽化するエリアは底土が地割れし威之志士様の跋扈蹂躙に遭っている。これだけでも影響必至と読んでいて我が目ん玉は嘆きの泉と化したのに、その上にショウジョウトンボへの危惧が重なってしまった。クロスジギンヤンマと先ごろ増えてきたギンヤンマは「クロギンは日陰の部分を好みギンヤンマは日当たりの良い部分を好むので同じ水域内でも棲み分け出来る」とあったから三日月池では両種が多大な影響を受けたはずだ。

 さて水辺に残された羽毛は「タマシギ」の羽毛で、これはS先生に確定してもらっている。飛来してくれる生物が増えるのは望むところでもあるが、このタマシギはせっかく産卵してくれたニホンアカガエルの卵塊さえ崩して破壊している。濁っているから失われた量は確認できていないものの、週に2~3回も飛来し続けている状態ではニホンアカガエルの個体数増加にも差し支えるし、同じ場所をヒキガエルも産卵しに来るのでヒキガエルの卵も被害を受けるのだろう。ネットは用意してあるが、既にニホンアカガエルの産卵卵塊へ及んだ卵塊散乱、暴虐の限り後では役に立つのかどうか、気が滅入るばかりなのだった。

 それはともかく上掲の本、ヤゴなどは絵図で分類されていたし翅も胸部の模様もしかりで、これは大いに喜べた。見ているだけで楽しいのだが、だからと言って水辺のヤゴを鑑定しようなどとは思わん。「へーッ」で済ますのである。現地で撮影したトンボの写真も多いのだが撮影地は一切触れていない。当たり前田のクラッカーでもあるものの気持ちが良い。価格は2800円と内容の割にはお手頃で一冊欲しい本になった。まあ、ほとんど積読になろうが・・・。一言で評すれば老若男女が楽しめる専門絵本、に尽きる。

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