明けても暮れても肩が痛くて腕が上がらず姥捨て山での作業は避けている孤爺であるが、自宅に居ても安静など出来る訳も無し。幾何回転体や木の玩具をボチボチ作り続けていくつかは10月のクラス会でまだ保育園と関わっている旧友、いいえ級友に送ってみた。早速、後輩のいる古巣で使ってもらったそうなのだが反応はどうだったのだろうか。まあ「喜んだはず!」と独りゴチするだけでもニヤケル孤爺なのだった。
さて薄板工作を行っていると切り出しナイフが欲しい場面も出てくるのだが生憎、柄が壊れていて使えない。カッターナイフは強度も無いし使い道は別にある。そこで肩の負担にならない暇つぶしとして柄を作る事にした。クルミやクリの材があれば申し分ないけれどある訳も無く樹種不明の古材で作る事にした。
まずは必要な寸法に切り出して半割とし、そこに束を入れる窪みを削り出来上がったら接着剤を塗付し万力固定で固着まで待つ。夕方になっていたので翌朝まで万力に挟んだままにした。翌日、庭に日差しが届く時間になってから柄の仕上げを行った。サンダーで大まかに握りの形状を整えてサンドペーパーで仕上げた。市販品の握り柄の様にストレートではなく、やや太めにして握りの中央部は径を絞ってみた。これで握り勝手が各段に向上したのだ。ただ刃物の大きさと握りの大きさのバランスが美しくない。これは予想してはいなかった事だが自ら使う道具なので見た目より使い勝手が優先である。
そんなこんなでテンヤワンヤ、食事は店屋物では無いもののもう一本の切り出し小刀が見つかった。千代ちゃんの唄った歌詞ではないけれど「想う人には思われず 想わぬ人の言うまま気まま…」なんてマーフイの法則みたいに折々に意地悪が入るのが人生かぁ。だからと言って自棄にはならんけれど「クソクソ!」の吐け口に二液混混合して使う接着剤をグリグリして再生した小刀の破損した束の部分をも補修できたのだった。悔しさは一歩前進のエネルギーになる。まあ、こんな程度で息巻いていてもしょうもないのだが「子曰く 孤爺、閑居して不全を成す」と申しているではないかい。