検察官定年延長に対する 堀田さん、江川さんのコメント
2020年5月16日(土)
堀田力さんといえば、ロッキード事件で辣腕をふるった検事です。
江川紹子さんといえば、オーム真理教事件を早くから取材し、事件の解明に積極的役割をしてこられたジャーナリストです。
もちろん、世間の評価は高い!です。
14日の朝日新聞です。
検察官の定年延長問題でコメントをしておられます。
堀田さんは、「総長と黒川氏は辞職せよ」と言っておられます。
私なりに論点を整理しますと、
①検察幹部を政府の裁量で定年延長させる真の狙いは、与党政治家の不正を追及させないため以外に考えられません。
②今回の法改正を許せば、検察の独立に対する国民の信頼は大きく揺らぎます。
③検察庁は行政組織の一つとして内閣の下にあり、裁判所のように独立していない。一方で、政治家がからむ疑惑を解明する重い責任を国民に対して担っています。与党と対立せざるを得ない関係なのです。
④組織のトップたる総長や検事長には政治の不当な圧力に抵抗できる胆力が求められ、その人事が政治家の判断にかかるようなことはあってはならないのです。
ここまでは、もっともでありまして、「なるほど!」であります。
ところが、次であります。
⑥定年延長を受け入れた黒川君の責任は重いし、それを認めた稲田伸夫現総長も責任がある。自ら辞職すべきです。
えーっ!二人が辞職すれば問題が済むの? ・・なことないでしょ! 法制度の問題を個人の責任にするってことはあり得ないでしょう、と思います。誠に僭越ながら、何か勘違いをされているとしか思えません。
コメント中、この問題の本質である、行政権の司法権に対する介入、つまり「三権分立」の危機というという言葉がなかったことも気になります。
同じく14日の朝日新聞です。
江川さんの主張は、
①検察官にとって特に大事なのは、公正な判断をしているはずだという信頼がなければいけない。黒川検事長の定年延長や検察庁法の改正案は、その信頼を損なっています。
②(あと縷々、コロナの時になぜするのか、ツイッターで抗議が起こっているとか、甘利大臣の不起訴理由が分からないとか、政府に対する不信、検察に対する疑惑などを述べています。)
①、②はいいとして、問題は、次です。
③私(江川氏)は、「検察のあり方検討会議」で黒川氏と仕事をした経験があります。黒川氏は当時の民主党政権でも高く評価されていました。
黒川氏は、座長の千葉景子氏に本当によく尽くして、たぶん安倍政権にべったり、というのは少し違って、おそらく彼は、上司にとことん仕える能吏なのでしょう。
高名なジャーナリストである江川さんには、誠に僭越かつ失礼ながら、締めくくりで「能吏なのでしょう」はないでしょう! 定年延長問題と黒川氏が能吏かどうかは、全く関係のない問題です。
江川さんも、「三権分立」という言葉がありませんでした。
もちろん、お二人がこのことを知らないハズありませんので、そのことを前提としたコメントではあると思うのですが、読者に本質が理解できるように、基本から整理してコメントしていただきたいであります。
繰り返しになり恐縮ですが、江川さんの「能吏なのでしょう」には、ズッコケましたです。(笑)
夕方、散歩で約40分外出しました。30人程度とすれ違いましたが、マスクをしていない人が2割くらいいました。途中、スーパーでアルコール補給をしようと思ったのですが、人が多くて止めました。(「アルコール補給」とは、第三のビールを買うことです。)