「世の中、ちょっとやぶにらみ」

本音とたてまえ使い分け、視点をかえてにらんでみれば、違った世界が見えてくる・・・かな?    yattaro-

「大衆砂風呂」

2013年07月19日 | つれづれ噺

            
                           真砂土の 畑はスズメの格好の大衆砂風呂となる(手前黄色は陽が当たっている場所)

タマネギを収穫した後ほったらかしになっている畑の一角。
無精農夫が「忙しい、いそがしい」と言いながらほったらかしにしていると、雑草がここぞとばかりに、作物の肥やしの残りをむさぼって、やたら伸びている。そんな畑に、どこからともなくスズメの群れがやってくる。
我先に穴を掘り両方の羽で上手に砂浴びを始める。一部始終を二階の窓から飽きもせず眺め、カメラでパチリ! そんな暇があるなら草取りのひとつもすりゃいいのに。そうは問屋がおろさない。熱中症対策という大義名分をつけておサボリ専一に。

春先には朝からやってきて朝日の温もりを感じながら大衆風呂よろしく集団で砂浴びしていた。
ところがこの暑さ、いくらなんでも朝はやってこない。こんなジリジリ焼けつく太陽のもとで砂浴びしていたら、スズメの集団蒸し焼きができそうである。などと冗談言っている場合ではない。そこはスズメもさるもの、午後になって家が日陰を作るのを待ってやってくる。
そして、なんとまあ、あの終戦間近に日本列島を襲ったじゅうたん爆撃を思い起こさせるほど、畑が穴ぼこだらけになる。

ここで問題。写真の中にスズメは何羽いるでしょう??正解の方には常夏の国ハワイへご招待・・・などあるわけないか・・・。
あなたの目が確かなら 14羽 15羽 16羽 17羽、ちょっと挑戦を!!

今年生まれた幼子もいるのだろう、兄貴や姉もいるに違いない。お互いが自分の羽で身体がすっぽり埋まる穴を掘る。
中には後から飛んできて人の穴を横取りしてさっさと砂浴びする不逞のやからもいる。そんな小さないさかいもあるが、まあまあみんなまんべんなく大衆浴場を満喫している様子。
本当は畑としては失格に近い保水性のよくない真砂土の我が家の畑。彼らにとってはこんな土壌がお気に入りなのだろう。となれば、しばらくこのまま彼らの大衆浴場として提供し耕作放棄するか?

そうは言っても、耕して作物を植えてもそのすぐ横で穴ぼこだらけにして砂浴びをはじめる。これも彼らの楽しみならまあ許すとしよう。
それよりも、あの穴ぼこだらけを見ると、すぐ近くにあった空廠に、B29による重点的爆弾攻撃があったと言う話を思い出す。
終戦から数年たった後も、直系10mもある大きな爆弾穴が至る所に放置されていた。そこに水がたまり、さながら小さな池みたいになっていた。
暑い夏、水遊びを求めて今のスズメみたいにその穴に入って遊ぼうなどとすると、「アリ地獄みたいなものじゃ!一度入ったら這い上がれんようになる・・・」と厳しく叱られたものである。忌まわしい爆弾穴を忌み嫌ったのであろうか。

暑い暑いと汗を拭く夏。あの遠い昔の敗戦体験がよみがえる。

コメント (4)
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