まだあんよも出来ない希さんが、あのくびれた長い足?を上手に折り曲げ、這うようにして階段に挑戦。
いわゆる階段デビューである。
一度味をしめたら、何度も何度も繰り返す。なかなか飽きない。
そうなると、手を添え、転げ落ちないように気を付ける側は足腰痛くなる。それでもおかまいなし、お付き合いは続く。
自分の家は、平面のバリアフリーマンション。階段などありはしない。
胸もお腹も床に擦り付けて、両腕で推進してくる這い這いから、ようやく腰を浮かせ、足も上がるようになった。
這い這いのかっこうも格段とよくなってきた。そこで、ワンランク上の階段での這い這い挑戦。
一段上がっては振り返り、もう一段上がると大きなため息が出る。
こうして、足を上げることを覚え、あんよが出来るようになっていくのだろう。
娘のところの孫三兄弟も、み~んなこの階段で鍛錬し、元気に走り回るように成長していった。
孫たちの、二足歩行の登竜門である。
一旦歩き始めたら、生涯歩き続けなければならいので、「早くから歩かせなくてもいいのよ」というご意見を頂いたこともある。
なるほど、その通りだ。とその時は納得したが、あまりにも歩き始めるのが遅いと、それはそれでまた大きな不安材料となる。
やはり、這えば立て、立てば歩め・・・と激励したくなる。
生まれるときから少なからぬ心配をした。
たったこの1年間だけでも、あれこれ肝を焼いたり、お金を遣ったり、心配したりしてきた。
これから先の方がはるかに長い孫たちの生涯。どれだけの悲喜こもごもを一緒に味わうことができるのか。
下手な心配をする前に、先ずは自らの健康を心配し、周囲に心配をかけないよう、長く見守っていきたい、と改めて思う。
やがて間違いなく心配や厄介をかけるこの身なのだから。