送り火(おくりび)とは、お盆の行事の一つで、迎え火によってお盆に帰ってきた死者の魂を、現世からふたたびあの世へと送り出すための送り火を焚く古来からの行事である。 家庭の玄関先や庭で行われるものから、地域社会の行事として行われるものまで、さまざまな規模で行われている。その代表的なものが京都の大文字焼きに象徴される五山の送り火であろうか。
私たちの地域でも、毎年8月16日に、自治会を中心に多くの人が麦わらや稲わらでこしらえた精霊船とそれに連なる灯篭に火を点けて、精霊を海に返す行事が行われる。
最初に灯篭に点火、そして精霊船に点火
大きな炎を上げて燃え盛る精霊船。勢いよく燃え上がると吉兆と言われる
本来の精霊流しは、こしらえた船と灯篭を、岸から500mの沖合に浮かべて海上で炎上させていた。
海上保安庁からは危険を指摘され、近隣の沿岸住民からは燃えカスが漂着して困る、などの思いがけない苦情が出る始末。伝統行事も肝心な海上での点火から陸でのささやかな行事に追いやられたという経緯がある。
麦わらの調達も段々難しくなり、作る人も年々減ってくる。そこで地域社会が少し力を貸してあげられないかという話になる。精霊流しに限ったことではなく、地域の小集団活動がだんだんやりにくくなったり、活動の旗振り役が少なくなっているのを感じている。
なんとかこういった、人の生死に関わる伝統行事は続けて行くべきだと思う。そうすることが、回りくどいかもしれないが、子どもたちに「命」の大切さ「生きる」ことの尊さをそれとなく教えることになると思っている。精霊流しの写真を撮るのにこちらはタオルが濡れるほどの心地よい汗を流した。
宜しくお願いします。
嬉しいこと、楽しいこと、ちょっと気に染まないこと、お腹が横から縦になること、などなど世の中色んなことがあります。
そんなひとこまを切り取って、皆さんと共有出来たらいいね、なんて思っています。
今後ともよろしくお願いします。