巻きそこなったキャベツや、白菜をむさぼるヒヨの群れ
ピーピー甲高い声を発しながら、低空飛行で木から木へ。主に木の実を探すヒヨドリは、つがいで行動するものと思い込んでいた。
しかも一組のつがいには、それぞれに縄張りがあって、冒したり冒されそうになると、それはそれはし烈な闘いが始まる。
そんな様子を何度も見て来ただけに、このたびのような、ヒヨが20羽近い集団で行動するすることに先ず驚いた。
その上に、枝から枝へ渡って木の実をあさるのではなく、地上に降りて仲良くキャベツや白菜の葉っぱを食い散らすとは。
家庭菜園のレパートリーを広げようと一念発起。白菜とキャベツ作りに初めて挑戦したのが昨年8月の終わりごろ。
種まきではなく、出来合いの苗を買って、白菜とキャベツそれぞれ10本ずつを植えた。
初めてのこととあって、防虫ネットや肥しなど念を入れて手入れをし、大事に育てた。
ああそれなのに、よそ様に比べるとなんとも貧弱。その上に虫がいっぱい付き始めた。
事前に虫退治や土の消毒などがうまく行っていなかった。つまり畑作りがまずかったということ。
虫が付き始めても、農薬や消毒液を使わないまま頑張ってみた。益々虫ははびこる。カミさんは畑に出てワリバシで虫を捕るのが日課になった。本来なら、家手作りの白菜やキャベツに、「買わなくてすんだ」と感謝される姿を夢見たのに、「虫が夢に出てくる」とひんしゅくを買った。それでも虫退治に精出したお陰で、白菜は6本、キャベツは7本が、ちゃんと巻き込んだいい仕上がりで食卓に乗った。
他は、虫の餌食となったり、巻きそこなったキャベツは哀れにも、ヒヨのビタミン源として格好の標的になった。
そうして、お天気がいい日には、小さな畑を覆うほどのヒヨの群れが地上に降りて、葉っぱを食い散らかしている。
そんな様子を孫君が見たら、すっ飛んで行って追い払うに違いないが、こちらにはそんな馬力もない。
というか、ヒヨもこの寒さの中、思うように餌にありつけんのじゃろう、じゃったら俺たちの食った残りをお裾分けしてやろう。
存分に食うがいい。その代り、大事に育てているスナックエンドウの芽などは食うなよ、と言って聞かせるのだが、果たして聞いてくれるんじゃろうか。鳥にも耳はあるのかねー。聞き分けが出来ないなら、せめてその鋭い眼で標的を見分けてほしいのだが。