広島県廿日市市が運営する「魅惑の里」 その名も「西の軽井沢」
『昨夜来の粉雪が積み上げた、見渡す限りの銀世界。40cmを超える真っ白いバージンロードにタイヤを軋ませて駐車場へ着いた。』
こんな書き出しで認めた、今年1月24日の拙ブログ。
親しくお付き合い頂いている友からの、思いがけない雪見温泉へのお誘いを受けて、片道60数㎞の山奥の温泉に行った時の話である。
まさに銀世界に囲まれた露天風呂。温かいお湯と、肌を刺す冷たい風に雪見温泉の醍醐味を味わった。のぼせ上がるような心地よさに酔ったせいか、迂闊にもロッカーに腕時計を忘れて帰った。それが広島県廿日市市にある、通称西の軽井沢「魅惑の里」である。
施設の担当者の心遣いによって腕時計は丁重に梱包され、送り返してもらった。添えられた手紙に「冬景色もいいですが、夏は避暑地としても素晴らしいところです」と書かれていた。
これは是非とも夏場の魅惑の里を尋ねてみたいと思っていた。ようやく今日、そのチャンスに恵まれ、クルマを走らせた。
あの時は、雪深い山奥に出かけるのに、途中でクルマのタイヤにチェーンを巻いて、スリップを注意しながら難儀のドライブであった。
それに比べると今日は雪もなく、エアコンも必要ないほどの涼しい快適ドライブとなった。あの寒い中お世話になったOさんに改めて感謝の念が胸を打つ。
施設の担当者に直接お礼を言いたくて、手土産提げて行ったのだが、肝心な手紙の主は「昨夜の夜勤上げで今日はお休みしています」とのことで会えなかった。が、応対してくれた彼女が1月の出来事を覚えてくれていて、笑顔の再開を果たし、感謝の気持ちを伝えることは出来た。
雪景色はないが、涼やかに吹く風に青い葉っぱが揺れる露天風呂の味も案外いいものであった。
こういった行為をお礼参りというのだろう。そこで、話のついでに「お礼参り」をチラッとひもといてみた。
「お礼参り」とは、神社仏閣に願を掛け、その願いが成就した時に、お礼として礼拝や布施を行なうこと。これが本来の語源である。
今ひとつのお礼参りとは、日本語俗語辞書によると、ヤクザや不良が拘束を解かれてからする仕返しの こと。という裏返しの意味も持っているようで、使い方によっては、なんやら不気味なニュアンスをも含むようである。
飽くまでも今日のお礼参りは、飽くまでも「過去に受けた恩へのお返し、御礼」の意味合いである。気分爽やかな130キロのドライブであった。