浄土ヶ浜、仏が浦を回る遊覧船から見て遥か高台にあるホテルを宿とした。
十年前の厳冬、二月の岩手路の旅でした。
日付を見ると二月一日です。
この日の太平洋は柔らかに日も射し、静かに波が光を照り返していました。
こんなに穏やかで変化に満ちたリアス式海外風景が、
大地震、そして大津波に襲われるなんて夢だに思わなかった。
この日は観光客の姿もほとんどなく、他のグループは、
中国語を話す異国の人たちの団体のみだった。
この地は、いや、この地を含む東北全体があこがれで、
高校二年から三年への春休みと、就職しまだ日も浅かった頃にと、二度も旅していた。
この定員200人ほどの遊覧船をなんと夫婦二人で占有してしまったっけ。
この初々しい「朱美」ちゃんと言う新米ガイドさんも私たちだけの専用ガイド。
どうしているかなー、ほっぺの赤い健康そうな娘さんだったなー。
おや、十年前と言うとスベルべの頭髪の状況も大分違うなー。
我ながら今昔の感が有ります。
雪ばかりの日々でネタ切れ状態になり、こんな古い旅の写真を出してしまった。
でも、正月のテレビは東北の事も申し訳程度には報道されるけれども、
相も変らぬ、バライティー番組ばかり。
私は決して忘れませんからね、中越地震でも昨年の水害でも経験しましたが(しつつある)、
有る程度は時が解決します。
いやするのを待つことしか無いような気もします。
頑張ろうと一言で片付けたくも無いけれど、じっと耐えていたならばまた春も廻ってきますよ。
その日は私も訪れているかも知れない。純朴な人たちと笑みを交わしたいものです。