畑に吹く風

 春の雪消えから、初雪が降るまで夫婦二人で自然豊かな山の畑へと通います。

危ないプレゼント「蝮」(嫌な人は見ないで!)

2014-05-13 21:54:28 | 自然

 先日、農天市場のビニールハウス、温室の中で仕事をしていると国道に車を止めて近付いて来る人が居た。
「やー、スベルべさんお久しぶりー」なんて、懐かしい山形訛りは、系統は違ったけれども昔の仕事上の先輩。

 「やっと、見付けたよー、近所の人に聞いてさー」「○○さん、久しぶりですお元気そうだけれども仕事は?」
「今は仕事は全部止めて、俺も畑を少し借りてやってるよー、スベルべさんは活躍していてテレビに出ていたじゃない」

 なんて、話が弾んだけれど「ところでさー、蝮捕まえたんだけれど貰ってくれない?」なんて方向へ話は変わる。
「うーん、俺も何本も一升瓶に入れたのが有るけれどもねー」「いや、俺も有る、でも赤マムシの大きな奴だぞ」なんて勧める。


 少々危ないプレゼントだけれども先輩の友情と、愛情のプレゼントを断るわけにも行かない雰囲気。
「一升瓶を持ってきたら入れてやるよ」と言われ、嫌な顔をするスベルべママを横目に家に帰り一升瓶を持って来る。

 車のトランクから持ち出してきた赤マムシはとんでもない大物「一升瓶じゃ入れるのは無理じゃない?」
「いや、結構入るもんだけどな」なんて言いながら木の枝にくくりつけた大物を外し素手で瓶の口から押し込む。

 半身は入ったけれども大きなお腹でつかえてそれ以上はどうしても入らない。
「何か飲んでいるか、子供を持っているんじゃない?」「うーん、そうかな腹に中がゴロゴロしてる」


 再び家に帰り、大きな口の取っ手付きの大物マムシ専用の瓶を割かしたけれども見つからない。
どうも、先年の水害時に捨ててしまったようです。

 そこで仕方無く持ってきたのが梅酒用の広口瓶。
この瓶の口の大きさだったら、アナコンダだって入るかも(笑)。

 そして、先輩は一升瓶から引き抜いたマムシをエイとばかりに広口瓶に投げ入れスベルべがすかさず蓋をして終了。
おっかなびっくり蛇を見て「マムシじゃないか」なんて騒ぐ人もいるけれど、この独特の模様がマムシですからね。

 さて、地下に静かに置いてある広口瓶の中では元気に動いているマムシ。
大きなお腹の中身が獲物だったら、そのうちに吐き出すでしょう。

 そして、妊娠中だったとしたら子供が生まれてくるでしょうね。
マムシは卵胎生と言うか、卵はお腹の中で孵化して小さなマムシの姿で生まれてくるらしい。
ま、結果はおのずと分かるでしょう。お楽しみにー。って訳には行かないか(大笑)。
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「山独活」を塩漬けにする

2014-05-13 04:24:06 | 山菜

 「山独活」が盛りを迎えて、毎日のように山に足を運んでいる。
「畑仕事へのウォーミングアップ」とうそぶき、一時間前後山を歩いてくるのです。

 この辺りの山を知り尽くしたスベルべには雑作も無い事で効率的に出ている場所に行く。
時には20キロ近くも背負い、平坦な道路は前かがみになって帰って来るほど。

 そして、短くてすぐに食べられるものと、長くて塩漬けにするものとに選別する。
塩漬け用は包丁を使って丁寧に固い皮を剥く処理をします。


 これを数本ずつ束ねて、輪ゴムで留めて一把にします。
こんな仕事を日中は畑仕事が忙しいため、夕食後に夜なべ仕事でしている。


 皮を剥くと言っても、そんなに難しい仕事では無い。
根元部分から、引っ張るとすうっとスムーズに剥ける事も有るのです。


 肥料の空き袋一杯になった剥いた独活の皮です。
実は手間を掛けたら、これも十分美味しい食べ物に変身するのですよ。
細かく刻んで、佃煮風に仕上げたらちょっと洒落た、野趣に富む佃煮が出来ます。


 皮を剥き終わり束ねた独活は、プラスチックの大きな漬物用容器に入れます。
そして、もう真っ白になるほどのたっぷりの食塩を掛け、大きな重石を上げて作業終了。

 先日、東京のもやし独活の紹介がテレビで有ったけれども、その中で独活の90パーセントは水分と言っていました。
その水分が、塩漬けにする事に拠り浸透圧の働きでどんどんと抜けて来ます。

 抜けて溜まって来た水を汲むと、独活はペチャンコになり次々と漬物容器に入る事になる。
かっては一日に山を五往復もして、100キロ近く収穫した事さえあります。
そんな大量の山独活も、ほとんど水分と言う成り立ち上、いくらでも入る事になります。


 仕事をしていた頃は手を汚さないように手袋をして皮剥きをしていました。
今は気取る必要も無い百姓オヤジとばかりに素手で剥いたらてはご覧の通り「アク」でまっ黒け。

 丁寧にこの仕事、塩漬けを作るには、もう一度漬け直しするのですが我が家は最近省略。
それでも、大丈夫だけれども、丁寧にした方がきっと色が鮮やかに仕上がるのだと思います。

 もちろん、漬かった独活はそのまま食べるのではなくて、「そう煮」と称し一度煮ます。
そして、器に入れて水を張り、何回も何回も繰り返して水を替え塩分を抜いてから調理する。

 この独活、山菜の塩漬けの良い所は同じ容器に、ワラビなどの別の山菜も一緒に漬けられる事。
互いに影響しあう事も無く、保存できるいわば山里の暮らしの知恵ですね。

 漬物にすると大抵は材料の風味など落ちてしまうものだけれども独活は例外的存在。
上手く塩抜き出来たら、本当に美味しく、「生よりも漬けた方が好き」と言う人もいるほどです。

 そして、塩抜きをする際に「銅鍋」を使うと銅イオンの作用で緑色がよみがえります。
炒め物、煮ものに利用したら、それは美味しいものですよ。
大抵は冬食べる保存食と言う事になりますから、その頃になったら御馳走しますよ。

 今は雪国魚沼の春もたけなわ。
忙しい畑仕事の帰り際に、「木の芽」と呼ぶ三つ葉アケビの新芽を摘んだり、タラの芽やコシアブラを採って帰る。
時にはそんな山菜の天麩羅で、贅沢な天麩羅蕎麦の昼食になる事も有る。

 先日は夕方6時過ぎまで山の畑で働き、やはり帰り際に山菜を摘んで帰宅。
「ヨシッ、天麩羅は俺がするよ」と、ゴキブリ亭主はせっせと山菜の天麩羅作り。
「うーん、贅沢だなー」なんて夫婦二人で呟きながらの夕食はビールで幕を開けるのです。
コメント (4)
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