札幌から遠路出掛けた来たスベルべママの姉夫妻と、東京に住む二人の息子たちを我が家に招いた。
来宅予定日の少し前にスベルべママからの提案で、搗きたての餅を昼食に食べて頂く事になった。
昨年の12月に映画のロケ隊に夕食を提供するために使用して以来、久々の我が家の宝物の登場。
明治22年製の欅(けやき)の大臼です。
臼と杵で搗く餅の搗き方にも「一人搗き」「二人搗き」「三人搗き」などが有ります。
我が家の場合は一人搗きで杉製の大きな杵で搗きます。
先年、引退した大工さんに、ささくれを削り取って頂き先端は新品同様。
スベルべトーちゃんの模範演技に続き、二人の甥たちが交互に挑戦。
搗きたて、熱々の餅を千切ってそれぞれの具の入った容器に入れます。
これは美味しい「納豆餅」で他にも「黄粉餅」「あんこ餅」の材料が準備されています。
そして、残った餅は笹の葉に包みます。
笹の葉は残念ながら今年のものはまだ竹の子状態で開いておらず冷凍したものを使用。
昔から生活の知恵で夏の餅はこんな風に殺菌作用のある笹の葉で包んでいました。
但し、今回は笹の葉の枚数が少なかったため簡便に一枚で包みました。本当は二枚を十文字に並べて包むのですが。
二臼目は、ヨモギを使った「草餅」です。
これも実はヨモギは冷凍物で、もち米を蒸す「せいろ」の上で一緒に蒸して使いました。
「せいろ」から臼に開けた熱々のもち米の上に乗せた「ヨモギ」は徐々になじんできます。
搗き上がるころにはこんなに緑鮮やかな色に仕上がるのです。
ヨモギ餅も千切って具材の容器に入れて残った物は笹の葉に包みます。
裏だ表だと賑やかだったけれど、裏側で包み込むと餅が張りつかず、笹の葉を取り易くなりますよ。
「笹餅」を並べたのは大きな「箕(み)」で、我が家にはまだ三つも残っています。
後ろに見えるのは「豆通し」と言う、殻のまま叩き落とした大豆を選別する道具です。
他にも今回取り出して紹介したけれど、民話の中で月に住むウサギさんが餅を搗くような両杵も残っています。
両端で搗ける形の「両杵」は私の記憶では、「味噌玉」を臼に入れて搗きつぶす際に利用していましたね。
なんで、こんなに古い道具が残っているのか分からないけれど、私を含め古いものに価値を見出す家系だったようです。
さて、お待ちかねのランチタイムですよー。
ダイニングの八人掛けの大テーブルにぴったりの参加人員です。
「どう?自分で搗いた餅の味って格別でしょう?」なんて感想を強要するスベルべトーちゃんです。
でも、口々に「美味しい!」と言って下さり、得意満面のトーちゃんでもありました。
さてさて、皆様近頃はこんな餅つきをする家、人間は少なくなっちゃいました。
ご注文、ご要望が有りましたら、軽トラに一式を積み込んで馳せ参じますよ。