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マックスの夜鳴きに何回も起こされいつもよりも遅くまで寝ていたが、ヘリコプターの飛ぶ音で目が覚めた。
食堂の窓を開けると我が家の裏手で無人、無線操縦ヘリに拠る水田の防除が始まっていた。
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一見近代的とも思える防除方法だが、農薬そのものの問題から、今は実施する地域は減ったと聞く。
農家組合長を務めていた時も、「防除会議」に出席し、反対意見を述べようと思った。
しかし、質問、意見のタイミングには「お陰さまで我が地域の米の一等米比率は高い」。
なんて、やらせとも思えるような意見が最初の発言で反対意見など出せる雰囲気ではなかった。
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一応、家屋からは7メートル離れると言う内規は有るらしいが守られてはいないように見える。
こうして車が行きかう国道脇だってなんのそのですから。
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結局、国の推し進める大規模農地化の推進で田舎には似つかわしくない広い水田で人力では無理になった。
きめ細かな農業とは程遠い、大規模農地、水田の生む害であろう。
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そのために、周辺住民は吸いたくも無い農薬の飛沫を浴びせられる事となる。
生産性の向上、品質の向上も大切な事は分かるが、これは一種の暴力だとも思う。
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薬剤の補充のために、国道の歩道に降り立った無線操縦ヘリです。
前述のように、やらせかどうかは別としても礼賛する農民がいる以上今後も続くのでしょう。
かく言う私も、立場上八月のヘリ防除には軽トラを運転して手伝いに行かなければならない。
田舎の暮らしをスムーズにするにはこんなジレンマも克服しなければならないのです。
そもそも、今のコシヒカリは「コシヒカリBL米」と呼ばれる品種に置き換えられ、
稲作の大敵「いもち病」に対する抵抗性を強くしたと言われているのです。
そう言いながら消毒を続けるってJAの金もうけ主義に毒され、無駄なお金を使わせられているのではないか。
全中の存続が、政権与党自民党に問われ、解体まで論議された事は耳新しい。
巨大組織になった農協はネクタイ組が多くなり、人件費が莫大となり無理な経営をしているのではないか。
福島原発の悲劇で、電力会社の組織が問われ「役所以上に役所的組織」と揶揄されたのも頷けた。
JA農協とて同じ事で、役所以上に役所的で組織改正、原点への回帰など望むべくも無い。
あ、このヘリの所有者、操縦メンバーもJAの下部組織、別組織の仕事なんですよ。
うーん、ゴメンナサイ、朝からため息の出るようなお話です。