畑に吹く風

 春の雪消えから、初雪が降るまで夫婦二人で自然豊かな山の畑へと通います。

連載9『みずな』

2015-03-07 16:51:04 | 山菜


  みずな

 茅野を横切り、薄暗い杉林の中を少し歩くと、斜面の終わり辺りから水も無い、石だけの沢が始まる。
石を踏みながら下るとどこからともなく、少しずつ水が増え、川の源流となる。

 その辺りから「みずな」の群生が広がる。「あおみずな」とも呼ぶが学名「やまときほこり」の地方名でもある。
鎌で刈り取ったり、根ごと引き抜く輩もいるが、私は一本ずつ鋏で根元から切り取るか、柔らかな時は爪先で摘み取る。

 昔も今も、畑仕事の帰り道での楽しみだ。一抱え採るのにも時間はそんなにはかからない。
おひたしでマヨネーズ、醤油で食べる淡白な味も良いし、ツナ缶を出しに使い味噌味で煮ても美味しい。

 しかし、もっとも相性が良いと思うのは塩鯨を入れた味噌汁だ。
昔は値段も安く、手頃に栄養補給できる、庶民の食べ物だった。
ところが外国に難癖を付けられたため、商業捕鯨禁止と言う情けない事になってしまい、
値段は高騰。庶民の味、食べ物とも言えなくなった。

 しかし、日本に住む事になった、イギリス生まれの作家「C・Wニコル」さんも、
日本の一つの食文化として理解を示されている。
幸いな事に、「みずな」の時期と、私の誕生日と時期が一致するので誕生祝いとして、
妻が「クジラ汁」をプレゼントしてくれる。

 昔、ゼンマイ小屋を掛け、何日も山中で暮らす人たちも栄養源にしたと言う「クジラ汁」は、
飲むと身体の底から力が湧くような気持ちにさえなる。



  「スベルべママにはなんか塩クジラの話しになってない?」なんて言われちゃいました。
コメント (2)
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ヴィオレッタ・デ・フィレンツェ

2015-03-07 04:47:02 | 

 待ちに待った待望の「ヴィオレッタ・デ・フィレンツェ」の種子が届きました。
全ての大手の種苗会社では「品切れ」又は「入荷待ち」。

 何回もネットで検索し、偶然のように見付けたのでした。
注文し、代金先払いで振り込み、首を長くして待った「ラブレター」の様なものです。

 緩衝材に包まれた、小さな小さな袋に30粒の種子が入っていて、「沢山収穫できますように」なんてタグが。
雑誌現代農業で紹介されていたイタリア茄子で別名「極旨ナス」って言いますから期待するところですねー。



 外国には結構多い固定種、伝統野菜。
「フィレンツェの紫」とか「フィレンツェのスミレ」とか訳すようです。



 昨日は春めいて日が射す暖かな日。
暖かな太陽光に誘われて、「カグラ南蛮」の種子も実から取り出します。



 この「カグラ南蛮」の種子は知人から頂いたものです。
他の品種と交配していないかと少し心配だけれども、ま、今年はこの種子に賭けて見ましょう。



 ついでに、農天市場の小屋に行き2メートルもの雪に囲まれた中に滑り込み、
昨年秋に収穫していた「緑ナス」を持ち出し、腐り始めた果肉から種子を取り出しました。

 自分で固定種から種子を取り出すのも少し胸がときめきます。
簡単に100粒近く採れましたから、今年の秋には「ヴィオレッタ・デ・フィレンツェ」も種取りが期待できます。



 これも昨秋取った「ルバーブ」の種子。
沢山あるから、無事に発芽したら沢山の苗が取れますよ。



 少しピンボケだけれどもこれは「ディル(イノンド)」の種子。
他にも「赤ネギ」の種子なども自家取りしています。

 まだまだ地面が出るのは先になるけれど、胸が高鳴る春が近付いています。
週間天気予報ではまだ雪だるまマークも見えるけれども、日一日と春に近づいています。
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