写真家のカルステン・フグリーンは鄙びた場所にある集落が打ち捨てられ人口が減り廃村となっていく様子を撮影する旅をしていた
最後の目的地ヘッシューヴァレン
そこで彼は惨殺された死体と遭遇
生きる者の気配ない死の匂い漂う村
変事を伝える為に車に乗った彼は発作を起こし死んだ
村に駆け付けた警官は多くの死体にこれは非常事態だと
殺された人々は古くから村に住む親せきたち
都会からの移住者は殺されていなかった
自分が犯人だと名乗り出た男は やがて自殺する
亡き母の養父母が住む住む場所だと気付いた裁判官の仕事するビルギッタ・ロスリン
現地に赴いた彼女は
遺族の古い日記からこの事件に表面には出ない何かを感じた
ひとり調べ始めるビルギッタ
警察は話は聞いても彼女が言うことを深く考えてはくれない
物語は交互に中国の青年ワン・サンの物語も綴る
それが始まりだった
首を吊っての自殺を選んだ両親
兄弟で村から逃亡 広東を目指す
そして騙され船に乗せられアメリカへ
悲惨な生活 命懸けの
どうにか生きのび中国へ帰れるその船の中 兄も死んだ
白人は信用ならない
ワン・サンの胸に憎しみが・・・・・
彼は日記を書き遺す
この怨みは消えない
その日記を読んだヤン・ルーは 先祖を苦しめた人間の子孫への復讐を ある人間に命じた
自分の野望を妨げようとする実の姉までも殺すヤン・ルー
彼は自分の悪事露見に繋がりかねない存在とビルギッタの事を考え 彼女も殺そうとする
北欧の村から 過去のワン・サンの物語はそれだけ独立した作品と言っていいくらいに とても力が入っています
訳者の柳沢由実子さんによれば それは著者自身の思想をも反映したものであるらしい