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夢見るババアの雑談室

たまに読んだ本や観た映画やドラマの感想も入ります
ほぼ身辺雑記です

葉室麟著「はだれ雪」(上・下) (角川文庫)

2020-07-15 20:47:32 | 本と雑誌





嫁した夫が亡くなり 実家で暮らす沙英(さえ)に 藩の預かり人の世話をする仕事が言いつけられる

江戸城にて浅野内匠頭が吉良上野介に刃傷
切腹となった

その死の前に永井勘解由(ながい かげゆ)は内匠頭の最期の言葉を聞きながら 要職の問いに答えなかった

咎められての扇野藩への流罪

佐治弥九郎(さじ やくろう)は家老に言いつけられての事であったが しだいに沙英に心寄せ 勘解由の人柄にも感じるところあり二人の味方となっていく
どうにか二人を助けたいと動き 家老の意に反してもと殿にじかにも話す

勘解由の母は自害 父も自ら果てた
家は断絶
勘解由は養子に行き育つ

力ある者の下で理不尽に泣く者もいる

主君の仇をと動く赤穂の元藩士たち
勘解由は彼等に心寄せていた

藩の中での権力争いで勘解由を殺そうとする者
喜々として女も殺さんとする薄気味悪い男


苦心する赤穂の元藩士らの清々しい姿


いつしか沙英は勘解由を慕うようになっていた

共に生きる

勘解由はいつか死を賜るかもしれない

だが勘解由は生きるべく動く
妻とした沙英とそのお腹の子の為にも



「忠臣蔵」として有名な赤穂浪士の討ち入り

討ち入り後の吉良のこと

勘解由とそれら人々との交流

そうした様々を清冽に描いた物語


永井勘解由は架空の人物ではあるけれど 彼に心寄せる実在の人物もいきいきと描かれています

題名の「はだれ雪」は和歌からの言葉です