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切ないわぁ・・・こんな展開になるとは予想していませんでした。
フンは、賊に見つかったと知り、敢えて声を出しました。
「何者だ!両班の家に忍び込んでただで済むと?」
賊の頭ヒョンは、それがすぐにフンだと気づきました。で、あっさりと引き下がりました。
フン父の指図だと気づかれてはマズイですからね。
フンはケトンをコッパダンで見習いとして働かせることにしました。
ヨンスは反対でしたが、3ヶ月でものにならなければ辞めさせると言う条件を聞き、渋々承諾しました。
その頃、スは家に到着していました。
でも、ケトンの姿はありません。
行く宛が無いことは、スが一番知っています。
どこに行ったのか、不安は増すばかりでした。
ケトンは、フンの家に住み込むことになっていたのです。賊が侵入したわけですから、ケトンをそのまま一人で生活させるわけにはいかないとフンは考えたのでしょう。
スは、コッパダンに行きました。が、誰も出てきません。
すれ違いでした。
フンたちは揃って依頼人の家に向かっていたのです。勿論、ケトンも一緒に。
途中、ケトンはヨンスに言われて飲み物を買いに別行動になりました。
そのとき、偶然結婚式の行列に遭遇したのです。
幸せそうな花婿を見てスのことを思いだしました。
その行列を、偶然、スも見ていました。
本来ならば、自分は今ごろ、あの花婿と同じような幸せな顔をしていた筈だと思いました。
その時、声が聞こえました。
「キム・スのバカ!」
ケトンの声だ!
姿も見つけました。
「ケトン!」
そう叫んだ瞬間、スは口を塞がれ、引き留められたのです。
ムンソクでした。
スが宮殿から消えたことを知ったムンソクは、内官を身代わりにし、連れ戻しに来ていたのです。必ずケトンの所に行くと思いましたからね。
必死にケトンの元に行こうと暴れるス。
でも、ムンソクの言葉を聞いて動きを止めました。
「我々皆を死なせるつもりですか!」
王であるスの言動ひとつで周囲の者の生死が決まるということです。
ケトンも、スの声を聞いていました。
すぐに振り返ったけど、行列の人波もあって、姿を見つけることはできませんでした。
体の力を抜いたスの表情を見たとき、涙が出そうでした。
領議政は、スが風邪をひいて寝込んでいると聞き、すぐに不審な感じを受けました。
大妃が見舞いに行ったけど、姿は見ていないと知ると、チェックに行きました。
ラッキーにも、その時スは宮殿に戻っていたのです。
一応、体裁は整えましたが、靴下が汚れているのを見た領議政はスが外出していたと察したようです。
領議政は、スに覚悟を持つよう仕向けました。
先だってスの寝所に忍び込んだ女官を厳しく罰したのです。揉み合った時、スの首筋に傷を負わせた罪で。
ほんのかすり傷程度です。
でも、スがいくら止めても、規則だからと、女官は厳しい罰を受けました。
幸い、命までは取られなかったけど、宮中から追い出されてしまいました。
ほっとしたス。
そして、初めて王という立場が如何に重い責任と覚悟を負うものかを知ったのです。
全く、そんなことを考えた事も無く、いきなり据えられた王座ですが、一旦就いたら、もう逃げ出すことは出来ないということも、改めて感じたでしょう。
自分はこれからどうすればよいのか・・・と、ムンソクに聞きました。
「何もしないことです。」
その言葉に、スは絶望的な気分になったでしょうね。人生が終わってしまったような。
ケトンが兄を探してほしいと依頼していた男が、やっぱりとんずらしました。
何やら、例の毒矢の矢じりに関して、情報を持っているようで。ジュンが調べ始めたのを知ると、とっとと逃げ出したのです。
この矢じりについては、左議政も調べているようです。
で、その逃げた男は、ケトンだけじゃなく、他にもたくさんの人を騙していることが分かり、被害者は怒りを募らせています。
ケトンはショックのあまり、倒れそうになってしまいました。
一人で泣いているのに気がついたフンは、高額な仕事だとお金を前払いし、資料探しを命じました。
書庫に行ったケトンは、そこで心置きなく泣くことが出来ました。
自分の何が悪いのか、どうして兄もスも自分から離れて行ったのか・・・。
これからどう生きて行けば良いのか
石頭だからといって、心まで強い筈は無い。
フンは、泣き声を聞きながら思いました。
新しい依頼人はイ・ヒョンギュと言う人物。成均館で掌議を努め、科挙に首席で合格した逸材です。
母一人子一人で育ち、親孝行な面を見せ、母の望む女性と結婚するとヒョンギュは言いました。
直接ヒョンギュと母親に会ったフンは、二人の様子から、語ってくれた話に嘘があると察しました。
で、調べてみると、ヒョンギュには好きな人がいると分かりました。妓楼で下働きをしている女性でした。
その事実を突きつけると、ヒョンギュはため息をついて言いました。
この先も母が認めることはない縁だ・・・と。
そして、見なかった事にして、母親の気に入る縁組みをさがしてくれと言ったのです。
ケトンはそれで良いのかと食い下がろうとしましたが、フンはその希望通りにすると引き下がったのです。
あれが本心だと思うのですか?と、ケトン。
恋人を探したのは、それが問題になる相手かどうかを確認するためだとフン。
この時代、結婚したら簡単に別れることはできません。だから、より良い相手、生涯を共にできる相手を探してあげたいからコッパダンを作ったとフンは以前ケトンに話したことがありました。
ケトンは、そのフンの言葉は、お金になるかならないかではなく、本当の縁なら結ぶのが使命だと言う意味だと思っていました。
だから、コッパダンを見る目が変わってきていたのです。
「一瞬で変わるのが人の心だ。見えぬ愛などを信じて結婚を進めるのか。」と、フン。以前、スにもそんなことを言ったことがありましたよね。
「信じたいものしか見ていないんでしょ。」
と、ケトン。気難しい人じゃなく、心の無い人だったのね!と。
「いつかあなたもその心のせいで痛い目を見るわ。その時に後悔しても遅いんだから!」
そう叫んでケトンは背を向けました。
ところで、ケトンの兄は左議政の家にいます。
下働きをしているのですが、何故か知恵遅れのような言動を繰り返しています。
生き別れる前は、普通だったのに、何があったのでしょう。
でも、妹ケトンの事は常に頭にあって、別れた時のケトンと同じ年頃の女の子を見たら、皆ケトンだと思ってしまうようで、常に騒動を引き起こしています。
左議政の娘が、ジファ。気が強く、頭も切れるお嬢様です。男に生まれていたら良かったのにと、父に言われるくらいです。
一度、ジュンと街で会っています。今のところはスルーした状態ですが、もしかしたら、今後深く関わってくるのかも。
ある夜、ヨンスがフンに不安そうに言いました。
似た娘が男たちに宿に引きずり込まれていたと。
フン、すぐに飛び出しました。
で、やっと見つけ、腕をつかんで部屋から連れ出そうとしたのですが。
男たちに止められそうになったので、咄嗟に言っちゃった。
「夫だ。」
と。
ケトンもびっくりです。