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お前に俺は愛せない、人間には無理だ・・・と滅亡。
「皆俺を求め或いは憎むが愛さない。」
私にはできる、必要だもの・・・とドンギョン。
決闘でもするかのような表情で、2人は一つのベッドに並んで横になりました。
何を考えてる?とドンギョンが聞きました。
「生意気な人間、いずれ死ぬのに、偉そうにしやがって・・・そう考えてる。」
お前は?と聞かれたドンギョン。
「バカな女、さっきは本当に死ぬところだったって考えてる。あなたの冷たい目が凄く怖かった・・・そう考えてる。」
こんな時でも、背中はあったかいのね・・・とドンギョンが言いました。
体温はあるのね、滅亡。外観は普通の人間と何ら変わりは無いってことですね。
眠り込んだドンギョンの頬にそっと手を伸ばした滅亡。
でも、少女神の言葉が思い出され、手を止めました。
憐憫の情が分かった?・・・と言う。
ドンギョンはどうやったら滅亡を愛することが出来るか、調べ始めました。
まずは、ネット検索。
そして次は、ジナ。一応作家ですからね。さぞかしいろんな方法を知ってるだろうと思ったのです。
ジナが言うには、恋に落ちるのは一瞬の出来事だとか。
でも、そんな出来事を呑気に待ってる時間は、ドンギョンにはありません。
だったら、告白すればいいと、ジナ。
「言葉にした感情はどんどん膨らむものよ。」
なるほど何か、分かる気がします。自己暗示にかかってしまう・・・そんな感じ
ジナが言いました。夢を見ればいいと。夢に相手が出てくればイチコロだと
やけに真剣なドンギョンに、ジナは好きになろうとしてる相手がどんな人なのか、気になりました。
「3か月後に全て言うわ。私の口から説明する。」
と、ドンギョンが言いました。
ジナが告白しました。
名前も知らなかった初キスの相手と再会したと。それが何とジュイクだと。
ええーっですよね、ドンギョン。
ドンギョン、仕事中もジュイクの事が気になり始めました。ついつい、目が行ってしまうのです。
そりゃ、そーでしょうね。
普段は笑顔も見せたことが無い仏頂面で辛辣な上司ですからね。
でも、どうしても聞いてみたくて、質問しました。
「嫌いな人を愛したことはありますか?」
「無いな。キスしたことはあるが。」
即答です。
何でも可哀想で嫌いだったけど、キスしたくなったんだとか。
ドンギョン・・・理解出来ませんでした。
滅亡が突然優しく接するようになりました。
仕事終わりに迎えに来たり、しきりに笑顔を見せたり。
いろんな人間の心の声を聞いてきた滅亡。やはり自分の考えは正しかったと確信を持ったのです。
皆自分の事しか考えていないと得意げに言いました。
「人間にこの世は勿体ない。だから、お前の挑戦を受けて立つよ。俺に夢中になるザマを見たい。」
ドンギョンも同じ人間。自分の事を最優先しない程に他人を大切にすることが出来るのか、見てみたいと思ったのでしょう。
そんな事、あり得ないと。
ジナの助言に従おうと、ドンギョンが滅亡に言いました。夢に出て来て・・・と。
滅亡は、ドンギョンの夢の中に入りました。そこは、ドンギョンにとっては無意識の世界です。
あなたの話をしてと、ドンギョン。よく知らないと愛せないからと。
滅亡の無意識の世界を見せてとドンギョンが言いました。
ドンギョンが目を開けると、そこは花が咲き乱れた庭園。
しかし、滅亡が通り過ぎると、全ての花、生き物が死を迎えてしまいました。モノクロの世界になったのです。
“消えゆくものすべての理由。消えゆくものすべての神。触れれば消えてしまうものを愛するのは悲しいだろう。決して愛すまいと思うほど。あなたが何から逃げているのか分かった気がする”
ドンギョンはそう思いました。
ドンギョンが滅亡に向かって歩き出しました。
すると、ドンギョンが通り過ぎたところは、また花たちが再生したのです。色鮮やかに。
ドンギョンが滅亡の手を取りました。
辺りはまた美しい花が咲き乱れました。
滅亡、狼狽した様子で、手を振りほどきました。
その瞬間、目が覚めたドンギョンです。
滅亡の話し相手は少女神しかいません。それは、少女神にとっても同じです。
だから、憎らしいと思いながらも、滅亡は少女神に会いに行くのです。
ドンギョンが気に障ると滅亡が言いました。
ソンギョンがまたお金の無心に来ました。
今度の口実は、カラーリストになるための講座を受けたいと言うのです。
でも、そう言う事はこれまでも何度もあったようで。ドンギョンはもう信用しません。
私が死んだらどうするのと、ドンギョンは本気で怒りました。
そりゃそーでしょうね。怒りたくもなりますわな。
それでソンギョンが理解してくれるはずもなく。結局大喧嘩となり、そのまま喧嘩別れしてしまいました。
これを滅亡が見ていました。
ソンギョンの言葉は全て本気だったとドンギョンに言いました。
ドンギョンの気持ちを逆撫でする滅亡です。
弟を殺したらどうする?それでも俺を許し愛せるかと、滅亡。
「今の言葉、取り消して。」
真顔で滅亡に詰め寄るドンギョン。冗談にも程があります。
滅亡は、ドンギョンの命など、小石ほどの価値しかないと言いました。
俺の手近にあった小石に過ぎないと。何故生きる必要がある?・・・と。
滅亡は、おそらく、そんなちっぽけな何でもない小石のようなドンギョンの存在が、何故気に障るのか、気になるのでしょう。これまで抱いた事の無い感情なんでしょうね。
「死んでほしいわ。あなたも一度死んでみれば私の気持ちが分かるもの。」
ドンギョンが睨みながら言いました。
それが望みか?と、滅亡。
でも、滅亡を殺すことは出来ないようです。自殺も出来ないと言う事でしょうか。
だったら・・・とドンギョン。
「せめて不幸にしてやる。永遠に苦しむように。」
出来るならやってみろ・・・と、滅亡。
ドンギョンはこれまで、何があっても一人で耐え、一人で収拾するしかありませんでした。誰も責任を取ってはくれないから。
だから、嵐が起こらぬよう息をひそめてやり過ごして来ました。
後悔していました。滅亡とのことを。哀れむことも愛することもすべきじゃなかった・・・と。
滅亡のことを愛し始めていると感じているってことですか?
一方、滅亡も苛立っていました。
ドンギョンは他の人間と何も変わりません。なのに、ひどく滅亡を苛立たせます。
通り魔事件の裁判が始まりました。
死刑を望んでいた犯人ですが、無期懲役を求刑されました。
これでは苦しみながら、これからも生き続けなければなりません。そう思った犯人は大暴れ。
勿論、取り押さえられましたが、刑務官の隙をついて、逃走しようとしたのです。
騒動の末、頭を強打した犯人は、病院に救急搬送されることになりました。
病院から連絡が入りました。
ソンギョンが怪我をしたと言う連絡です。
ドンギョンは血相変えて家を飛び出しました。昔、同じような連絡を病院から受けたことがありました。両親の事故を知らせるものでした。
それと被ったのです。
しかし、病院で彼女が見たのは、ソンギョンがドンギョンを騙してお金を貰おうと友人と相談してる姿。
ソンギョンはこういう場合、ドンギョンがパニックになるのを分かっているのです。
ドンギョン、ソンギョンに愛想を尽かしました。
背を向けて病院を出て行こうとしました。
玄関で滅亡とバッタリ。
その時、犯人が救急搬送されて来ました。
しかし、これは仮病。
犯人は滅亡の姿を見つけると救急車から飛び出し、ナイフを掴んで飛び掛かりました。
それを見たドンギョンが滅亡を庇いました。
ナイフを掴んだのは、滅亡。
惨事を見せない様にドンギョンの頭を自分の胸に押し付け、犯人に預かっていた“死”を返したのです。
事件の時に自殺を図ったのと同じように、犯人は自らの首を斬り裂き、その場に倒れました。
「言っただろ。お前は俺を愛せない。皆俺を求めるか憎むか、或いは、恐れる。」
ドンギョンは滅亡を見つめました。
その目に恐怖は無いように思えましたけどね、私には。
その頃、ソンギョンはドンギョンの主治医チョン医師から、姉の余命が3か月しかないと聞かされていました。
偶然、同じ病院だったんです。