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もしかしたら、私自身の体の中にも彼らのような細胞がいるのかもしれないと、ふと期待してしまいそうになります。
どの細胞も、可愛いです。
それに、何と言っても、住まいの主の事だけを考えているのが、健気だし羨ましい。
作品とすると、細胞たちの会話から、当人の感情の動きが良く把握できるので、理解も進みます。
ユミは、ずぶ濡れ状態でした。
帰ろうとしたとき、ルビに呼び止められて、そのまま苛立ちながら話をしていたから・・・。
どうしてずぶ濡れに?と、ウンが言いました。風邪を引きますよ・・・と。
どうしてここに?と、ユミが聞くと、返信が無いのが気になって・・・とウン。用事があったからと嘘を言おうとしたのですが、正直者のウンは、嘘はつけませんでした。
携帯が壊れたからと聞いて、ウンはやっと笑顔になりました。
そんなウンを見て、ユミはふっと微笑みました。やっぱり裏表のないウンは、ユミを笑顔にしてくれます。
ユミの細胞村には、砂糖が雪のように降って来ました。
お腹がすき過ぎて、動けなくなっていた腹ペコ細胞は、砂糖を食べて元気を取り戻しましたし、ヒステリウス細胞が放った爆弾は、不発のまま墜落しました。
ウンの優しい言葉が、ユミの細胞村に砂糖となって降り積もったのです。
ウンが家まで送ろうとしたとき、ユミが倒れてしまいました。高熱を発していました。
慌ててウンはユミを抱き上げ、一番近い病院まで駆けだしました、雨の中を。
その行動は、ウンの細胞たちがアルゴリズムを使ってはじき出した解でした。
ユミの意識が戻った時、傍には新しいワンピースが置いてありました。
看護師が、彼氏が買ってきてくれた物だと説明しました。抱きかかえて駆けこんで来たということも。
シンプルなワンピースの胸には、カエルがプリントされていました。これまた可愛いカエルなんですよ
ユミの細胞村の門前にそのプリントと同じカエルがやって来ました。
もう3年物間、誰も通したことが無いと門番細胞は言いました。
少し前に、ウンの細胞がやって来た時は、門前払いしたのですが、今回は通してあげました。
理由は、可愛いから
ユミの細胞村に入ったカエルは、瓦礫に埋もれてしまっていた細胞たちを助け出し、ヒステリウス細胞に壊された村を修復してあげました。
ストレスで汚染された心を綺麗にし、ヒステリウスが入れないように柵を作りました。
遠くの島に流されたままだった愛細胞と本心細胞を迎えに行きました。
このカエル、実はユミの心の門を通るために変装したウンの愛細胞だったのです。
ユミも気づかないうちに、ウンはユミの心の中に入り込んでいたのです。
細胞村には掲示板があります。
細胞たちの様々な意見が貼り付けられているのです。
“傷記録細胞 ルビが超むかつく”だの、“ケチ細胞 最近支出が多すぎる”とか、“不安細胞 マスクが足りない”とか・・・。
深夜、細胞たちが眠りについた後、一人仕事を始める細胞がいます。掲示板細胞です。
貼られた投稿は、翌日のユミの生活に影響を与えます。
掲示板細胞は、必要のない投降を捨て、大事な投稿は掲示板の上部に移すのです。
時々、古い投降を発見するときもあります。
その夜も、“ウギは運命の人”と言う投稿を発見。すぐに捨てました。ユミがストレスを感じないように。
愛細胞が、遅くなったけど、これも・・・と投稿を渡しに来ました。
“明日もデート”と言う内容です
会社に戻ったウンは、ルイの荷物が置いたままなのに気付き、連絡を入れました。
電話に出たのは、セイ。
ルイが酔いつぶれて寝込んじゃったで起きないから、迎えに来てとセイが言いました。
でもそれは口実。
恋人が出来たお祝い・・・なんて、ハイタッチするセイ。
やっぱり見え見えだわ、嫉妬心が。
セイはウンを引き留め、お酒を勧めました。
セイは、昔話を始めました。
その瞬間、ウンの細胞たちは危険を感知。セイが酔って昔話をするときは、何か裏があると。
ウンを防御モードにしましたよ
ウンは、さらに空気が読めなくなり、セイの話に乗りません。
要するに、セイは、昔はウンは自分の事が好きで、本当はセイも好きだったんだと言う事を匂わせたいわけです。その流れで、実は今も・・・と言いたいって事かも。
でもま、ウンの防御モードは完璧に機能しまして、セイは当てが外れて終わりましたとさ。
ユミは翌日、新しい白いワンピースを購入。
着ていた服を店に預かってもらい、試着した服をそのまま着て、待ち合わせ場所に向かいました。
ユミの細胞村に、新しい細胞が登場しました。
下心細胞
ユミは鎖骨が魅力的なんだから、ボタンを二つ外せと言って見たり、今日は必ずキスをするんだとか言ったり。
でも、あっさりと愛細胞に連れ去られてしまいました
事件が発生。
バイクにぶつかりそうになって、コーヒーを買ったばかりの白いワンピースにぶちまけちゃったんです。
丁度来合わせたウンが、自分の家で洗濯すればいいと言ってくれました。
服を預けている店の方が近かったのですが、その時、愛細胞から逃げ出してきて下心細胞が挑発しちゃって。
ユミは、つい、言葉を飲み込んでしまったのです。
ウンの服を借りて着替えたユミ。
大きいウンの服を着たユミの姿が、と~っても可愛いの。
それを見たウンの細胞村では、下心サウルスが大暴れし始めちゃった
落ち着けーっと、細胞たちが必死に抑え込もうとしています。
ユミの下心細胞とウンの下心サウルスの暴走を、他の細胞たちが必死に押さえ、なんとか、危機は脱しました。
その時、会社でトラブル発生の連絡が入りましてね。ウンがすぐに行かなくちゃいけなくなっちゃった。
ここで待っててほしいとウンは言いましたが、やっぱり気マズイですよね。
ユミは、預けている服があると言い、ウンに受け取ってきてもらいました。
トラブルを解消できたウンは、ユミに会いたくなりました。
乾いたワンピースを持って行くと言う口実をつけて、ユミの家に向かいました。
その時、ふと、気づいたのです。
どうしてユミは、預けている服があると言わなかったんだろうということ。
ユミは、慌ててすっかり忘れてた・・・と言いました。
ウンは、それが嘘だと気付いていたかもしれません。
でも、信じたフリをしました。
ただ、とても嬉しかったのです。ユミを愛しいと思ったのです。
キスしました。