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ギルチェは、見張りの内官を後ろから殴りつけ倒しました。
そして、ジャンヒョンを抱えて王宮を出ようとしたのですが、大の男を一人で抱えて行くのは至難の業。
それでも必死に抱えて行こうとしていると、途中で一人の内官と遭遇。
ギルチェが言い訳をしようとしましたが、内官は察しました。このところ、あまりにも目を覆いたくなるような惨事が多いのを、批判的にとらえていたようです。
手伝おうと申し出てくれました。
その内官のお陰で、ギルチェはジャンヒョンを家まで運ぶことが出来たのです。
ジャンヒョンは医者も見放すほどの重症でした。
呆然としてしまったギルチェですが、重要なことを思いだしました。
ジャンヒョンがこんな目に遭うほどの大事が起こったわけです。親切な内官のお陰でなんとか運び出す事が出来ましたが、その内官の口から居場所が漏れる事も考えられます。
すぐさま、ジャンヒョンを別の場所に移さなくてはと思いました。
実際、“謀叛人の頭ヤンチョン”の遺体が消えたことは、既に仁祖の側近に知られていました。
しらみつぶしに役人が調べ始めていました。
で、あの内官が捕まえられ、拷問を受け、ギルチェの家に運んだと口を割ってしまっていたのです。
役人や兵たちが、ギルチェの家にやって来ました。
しかし、ジャンヒョンは既にいませんでした。
リャンウムが王宮の動きから勘づいて、役人たちより一足早くジャンヒョンを連れ出してくれていたのです。
兵の中に、ニングチンがいました。
ギルチェの家の布団に血痕があるのを見つけましたが、口をつぐんでくれました。
引っ立てられた内官も、この家ではないと証言してくれましたから、ギルチェは何とか難を逃れることが出来ました。
リャンウムがジャンヒョンを運び込んだのは、昔からの知り合いの女性の家。
清に連れていかれた後、帰国し、キム大監の側室となっていました。キム大監は、仁祖の側近の一人です。
嗅ぎ付けた兵たちでも、とても押入る事は出来ませんでした。
リャンウムは、ギルチェをその家に案内しました。
ジャンヒョンが最後に会いたいのは、ギルチェだ・・・と思ったからです。もう、ジャンヒョンの想いを邪魔する気はなくなったようです。
ジャンヒョンは眠り続けていました。
その間、夢を見ていました。
昔、幼い頃、ジャンヒョンの姉は下男に思いを寄せていました。
それを知った父は、下男に酷い罰を与えました。
ジャンヒョンは、その下男が好きでした。だから、父の仕打ちを泣いて止めましたが、聞き入れてはくれなかったのです。
そして、なんと、ジャンヒョンの父は、チャン・チョルのようです
ジャンヒョンの意識が戻りました。
ところが、全ての記憶を失ってしまっていたのです。
ギルチェのことも、リャンウムのことも分かりません。当然、自分が何者かも。
ただ、ギルチェを見ると、愉快な気持ちになりました。
倒れた世子は意識不明のままでした。
それを聞いた仁祖は、医者を遣わしました。
世子嬪は不安げにその医者の手元を見つめていました。
仁祖が遣わした医者が、信用できないのでしょう。
数日後、世子の意識が戻り、空腹だ・・・と言いました。
それを聞いた世子嬪は、自分が粥を作ると、その場を離れました。きっと、毒を入れられることを恐れたのでしょう。
世子嬪が出て行ったあと、世子は人払いをしました。
ピョ内官だけに、ジャンヒョンの消息を尋ねました。
無事だと聞くと、文を書くと言い出し、力を絞って一枚の文書を書き上げました。
そして、それを大事に枕の中に隠した後、息を引き取ったのです。
世子嬪が粥を持って入って来たのは、その直後でした。
世子の死を聞いた仁祖は、慌てて東宮殿にやって来ました。
しかし、世子を抱きしめて泣く世子嬪の自分を見つめる目に怯んでしまったのです。
恨みのこもった目に見えました。
仁祖が次にしたのは、世子嬪を追放する事。
自分に対する呪詛だの、何だのと言いがかりをつけ、結局は毒殺してしまったのです。
反逆の証拠が見つからなければ、偽装するとか、嘘の証言を女官に強要しました。
人とは思えないやり方です。
次の世子は、本来ならば、世子の息子元孫がなるのですが、仁祖はそれも許しませんでした。
元孫を押そうものなら、逆臣とみなすとまで匂わす始末です。
ある日ギルチェの元を、世子嬪に仕えていた女性が訪ねて来ました。
元孫のことで恩があるギルチェが生活に困っていると聞いたから・・・と、世子嬪が用意した装身具を持ってきてくれたのです。
その時、ジャンヒョンの消息を聞かれました。
しかし、ギルチェは、全く会っていないと答えたのです。警戒したからですね。
もしかしたら、あの箱の中に世子が書いた書状が入っているのかもしれません。
世子嬪は、世子の死の直後、枕に隠されていたその書状を発見していました。
宛名は、ジャンヒョンでしたから。
ヨンジュンは、仁祖のやり方に納得できないでいました。
だから、チャン・チョルに世子のこと、世子嬪のこと、そして元孫のことを打ち明け、意見を聞きました。
こういう時こそ、チャン・チョルに率先して仁祖を正して貰いたいと思ったのでしょう。
しかし、チャン・チョルは仁祖に従うと言ったのです。それが、礼であり、義だと。
ヨンジュン、どう思ったのでしょう。ヨンジュンがどう考えているのか、この時はまだ分かりません。
仁祖は、世子、世子嬪・・・と来て、今度は彼らの後押しをするものが居るに違いないと、居る筈もない黒幕を探し始めました。
側近は、やはり消えたヤンチョンの遺体の事が気になっていました。
生きているのかもしれないと、似顔絵を作り、捜索に力を入れました。
ジャンヒョンは、体調は回復しましたが、記憶は全く戻りません。
しかし、記憶の欠片が不意に蘇る事が増えていました。
ギルチェは、それでも幸せでした。
多分、ジャンヒョンと出会って今ほど落ち着いた時間を過ごしたことは無かったからでしょう。
ジャンヒョンに、自分たちは“そういう仲”だったと揶揄う様に話したりしています。
そして言いました。
「私は死んでもあなたの傍を離れません。」
ヨンゴルテと、カクファが朝鮮にやってきました。
カクファは、ジャンヒョンの生存を信じています。だから、連れ戻しに来たのです。
仁祖が光海君をクーデターで倒して王になるのに協力した臣下たちは、今の仁祖の姿を嘆かわしく思っていました。
この先の国がどうなるのか、考えると不安でなりませんでした。
心から朝鮮の事を考えている臣下が、仁祖の傍から消えて行きました。
傍についているのは、欲得でしか考えられない者ばかりに見えます。
仁祖は、“謀叛人”世子の影響力を消し去ろうと考えていました。
だから、清で世子に仕えた者たちを一掃しようと思ったのです。
次に狙われたのは、通訳官でした。
ジャンヒョンが危ない
ある夜、ジャンヒョンはギルチェが持っていた指輪が転がるのを見た瞬間、拷問を受けた時の事を思いだしました。
自分の手から、指輪が転げ落ちて行ったのを思い出したのです。
それを切っ掛けとして、記憶が一気に蘇りました。
「すまない。遅くなったな。本当に済まない。」
そう言って、ジャンヒョンはギルチェを抱きしめました。
もうね、世子と世子嬪の悲劇を思うと、悔しくて、仁祖が憎くて仕方がありません。
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