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巨大ブラックホールの衝突が新宇宙を形成⇒循環宇宙論、有機物質から人間への進化メカニズム(循環論理の評価)⇒戦略的進化論

中国のビッグクランチ

2007年04月14日 10時52分51秒 | 思考空間

 テレビで温家宝首相がマラソンや野球で日本の一般市民と和やかに交流する姿が報じられた。あの強硬だった中国のトップが何故?と率直な驚きを持った人は多いと思う。実は中国には切迫した状況がある。中国の経済成長のモデルはかつての日本であるが、バージョンアップされ強力である。強度管理社会・積極的なキャッチアップ・アメリカの支援という共通点に加えて、強力な軍事力を背景にした為替のコントロール、世界のプレーヤーへの市場開放などの戦略が見える。単に激安の労働力が莫大にあるというわけではない。しかし、中国首脳には不安がよぎり始めている。

 中国経済は当局のコントロール不能なほどに過熱している。ここのところの経済成長はかつての日本をも上回っている。そこに、先頃の上海発、世界株安である。最も影響を受けたのは東京市場だった。そもそも、世界の工場を日本から中国にシフトさせたのはクリントン政権だった。中国各地でクリントン元大統領と共に撮影した写真が飾ってあるという。1980年代、アメリカに経済戦争を挑んだ日本叩きでもあり、自国への安い製品の供給、および巨大市場形成による新たな利潤創造の戦略だった。そのアメリカは既に十分利益を回収したとの情報だ。

 アメリカは新たな資金供給源として、日本にその役割を求めている。中国という過熱した巨大市場のバブルがはじけないためには、引き続き巨大な資金が投入され、技術が与えられなければならない。日本が資金や技術を供与する間に、アメリカは株で言うところの「高値の売り抜き」を果たす。日本はいつはじけるか分からない市場への投資を要請されている。温家宝首相の笑顔はそういう状況に置かれた日本への精一杯のサービスだろう。(14日に終了したG7で円安を容認したのも、日本の経済成長を支え、アメリカへの協力・その一環としての中国支援への期待がある、と見ることもできる。)

 日本は1990年代、製造業という製造業がこぞって中国へ進出した。日本の製造業が中国に引っ越ししたのだ。今や日本の有力な製造企業で中国に工場を持っていないところはないと言っても過言ではない。日本政府はこれに関して、何の目標と戦略を持っていたのだろうか。中国人は日本の企業が進出するたびに、ありがとうと言った。なぜなら中国は現在も共産制国家であり、いつでも一言で、中国に進出した企業や工場や資産を没収することができるのである。

 中国の経済は当局のコントロール不能なほどに過熱しており、いつはじけてもおかしくはない。その時は世界に激震が走り、とりわけ日本への影響は深刻である。ビッグクランチの影響を避けるべき準備もさることながら、そろそろ、頭を冷やし、海外生産は本気で中国一辺倒から、インド、ベトナム、東欧、ロシアなどへシフトし、十分なバランスを図るべきであろう。

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