ランクル100を発売したころのトヨタは、ディーゼルを過小評価していた。トヨタ関係者とメール交換していたが、ランクル100の次世代モデルは残念がら、ガソリンに特化することになると言っていた。実際、ランクル200が発売されると、ガソリンのみでディーゼルは噂さえもない。
ところが、5月に入ってトヨタのディーラー向けの情報誌の中でディーゼルエンジンが特集として取り上げられていた。日本人のディーゼルエンジンに対する悪い印象が払しょくされつつあるというのだ。以前はヨーロッパでは良く売れるベンツディーゼルが日本ではさっぱり売れなかった。記事の中には、ヨーロッパ向けランクル200のディーゼル(4500cc、8気筒)が紹介されていた。
プリウスを開発した世界のトヨタにしては頭が固いが、トヨタの意識がやっとディーゼルの方にも少し向いてきたあかしだろう。しかし、期待しすぎるのは早計だ。ランクルに関しては、ディーゼルよりハイブリッドの方が早く実現するかもしれない。
ヨーロッパ向けランクルのディーゼルエンジンは日野自動車製らしい。5速で、8気筒それだけでも夢のようだが、私としてはやはり水平対向8気筒を望む。
まず、何故、ディーゼルか?前にも書いたが、シグナスを買った知人が、燃費を気にして駐車場に置きっぱなしだ。3トンの車体を引っ張るには莫大なエネルギーを食うので、燃費を気にせず走るには燃費の安いディーゼルが望ましい。
次に、何故8気筒であり、水平対向なのか?ランクル100ディーゼルは6気筒であり、80(ハチマル)に比べて、画期的に改善されたが、高級車としてはやや不満だし、ファンは常に上を望む。
工学部出身者としては、水平対向はいつか実現したい頂上だ。理論的には、180度の位相が異なるエンジンを対向させることにより振動と騒音をかなり相殺できる。まさしく、ディーゼルのために考えられたようなエンジン構成だ。
たぶん、信じがたいような滑らかな吹きあがりが望める。トヨタの英断を切に望むものである。