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イタリア製豪華客船コスタ・コンコルディア座礁で逃げ出した船長逮捕

2012年01月16日 13時22分59秒 | 国際・政治

 今月13日、巨大な豪華クルーズ船コスタ・コンコルディアが出航(19時)直後の21時30分頃(現地時間)、イタリア中部沖のジリオ(Giglio)島付近で座礁した。当時、4229人が乗船していたが、ちょうど100年前のタイタニック沈没を連想させ、船内は大パニックになった。(写真はロイター通信、AFPなど)

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 船は浅瀬に横倒しとなったが大半の乗客は無事で、日本人43人、韓国人34人はボートなどで全員脱出。現在潜水夫などの困難な救助作業が続いている。(地中海をめぐる7泊8日、20万円程度のクルーズ) 19日現在で死亡11人、行方不明24人。

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 コスタ・コンコルディアは2006年建造の最新設備を誇り、長さ290m、17階、1500室、総トン数11万4500トンの巨大な豪華船。(建造費:約440億円) 今回、船腹には48mの裂け目ができ、岩がめり込んでいた。(タイタニック号は全長268m、総トン数 46,328トン。当時の最大級の豪華船だった)

 

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 問題は、乗客を残して真っ先に逃げ出したフランチェスコ・スケッティーノ船長。事故当時は食事していたようだ。沿岸警備隊長が船長に連絡した時、既に救助ボートにいた。隊長が船に戻るよう命令したが拒否し、上陸した。

 23時40分頃にはテレビのインタビューを受けていたこと。この後、警察で拘束され、更に過失致死と船放棄の容疑で逮捕された。

 船長や一等航海士は、海底状況を熟知し、自動システムで航行するため座礁は有り得ない。しかし、6、7年前から島民や島出身の乗組員を喜ばすため島近くを航行し警笛を鳴らした(夜はライトアップ)と報じられている。島民から会社に感謝状も届いていた。

 今回は近々、給仕長が辞めるため特に、通常のコースより4kmも外れて島に接近した。実はこのコースは昨年8月会社が認めたコース(島民・乗客・乗組員へのサービス)とほぼ同一であることが分かった。

 自動操縦を外したか、外さず警報を無視したか。島民が船が岩礁と接触する様子を目撃していた。座礁後、船長は深みを避け、浅瀬の方へ舵を切り、乗り上げた末に横倒した。

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 座礁後、船長は1時間も具体的な状況を乗客に連絡せず(発電機故障などのアナウンスに留めた)、救済指示しなかった。法律で乗客の避難訓練が義務付けられ、アメリカでは出発時に実施するが、同船では翌日に計画されていた。

 私の経験では、船は物凄く強固に作られており、簡単には穴が開かない。(また1か所ぐらいの穴では沈まない)岩でも簡単に壊す。例えば映画「スピード2」で船が桟橋を含む町に突っ込み、建物を壊していった情景が想い出される。

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 これだけの巨大船で簡単に48mの穴が開いたのは、地中海クルーズ専用のため、喫水線から船底までの距離が小さく、傷が入り易い丸みをおびた船底構造だったのではと想像する。イタリア製で、船底付近の鉄板が薄かった可能性も疑われる。

 100~150人の乗船客は8℃の海へ飛び込み300mを泳いで上陸したが、冬の海は大変危険で、15分も泳ぐと体力を消耗し、決定的なダメージを受ける。現実に、元気な若者が冬の海を泳いで亡くなり、体力が無く漂流した人が助かった例を眼前で見たことが有る。くれぐれも冬の海にはご注意。

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 癒しなどサービス満点の人気の高いクルーズで、例えばフランスから今回も400人以上の観光客が乗船しており、同国では大問題となったよう。こんなことで残念ですね。

追記:この事件を受けて、①避難訓練はまじめに受ける事、②常に小型ライトを持ち歩くこと、③家族や仲間で非常時の集合場所を決めておくことが推奨されている。

 船体には240万リットルの重油が積まれ、既に海洋へ漏えいが始まり、更なる拡大が懸念されている。また、船を解体するか修復するかが検討されている。

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