小保方リーダーは入院中の身体を自ら奮い立たせ、集中砲火を浴びる事を覚悟の上で、厳しい記者の質問に耐えた。2時間の予定を35分延長会見し、その身を世界の目にさらした。その事は立派だった。
それでは小保方氏の疑念が晴れたかと言えば、STAP細胞が有りそうな雰囲気を作りながら、決定打は無かった。例えば、取り違えたとする写真、および4,5冊のノートを見せることが出来ればよかった。
写真は理研のパソコンもしくはサーバーに有り、ノートはハーバード大学に有るのだから、例えば、「理研に入ることが可能なら写真をお見せしたい」と言い、ハーバードからノートの写真を送ってもらう手が有った。
またSTAP細胞は200回実現し、インデペンデント(チームではない研究者)が成功していると発言した。これは物証が無いので何とも言えないが、もし嘘だったら、今の10倍以上のバッシングを受ける事になる。
ハーバード大学の恩師・バカンティー教授が自らSTAP細胞作製の手順をネットに公開すると発言した事は、重要な証拠になり得るので確認しておく必要がある。
小保方氏は会見の中でSTAP細胞の論文は撤回しないと宣言した。もし論文を撤回するとSTAP細胞が存在しなかったことになる・・との考えだ。バカンティー教授からのアドバイスも有ったと思われる。理研はその認識が無かった。
小保方氏は軽率だったし、それでSTAP細胞の存在そのものが疑われている。嘘をつく事による物凄いリスクは分かっているはずだ。自信があるなら、理研に留まる必要は無い。元のハーバードの方が余程居心地が良い。
研究者にも色々なタイプがいる。概して常識破りの発明が出来る研究者は、几帳面にノートを記録するのは苦手。成果を上げられない暇な研究者が書くのがノート。小保方氏はこれに懲りてノート作成の助手を雇用すべき。
我々は今回の大騒動の責任は小保方個人ではなく、実は理研に有る事に気付くべきだ。小保方氏をハーバード大学から引き抜き、STAP細胞がiPS細胞を上回ると大々的に発表し、論文作成他全てを指導マネジメントすべきだったのも理研だ。
恐らく、理研は特定国立研究開発法人の認定に向けて、小保方氏を引き抜き、切り札としたかったから急ぎ、粗雑に進め重要な確認が抜けたのだろう。世間から批判を浴びるや一転して、全責任が小保方一人と決めつけ血祭りにあげた。
日本を代表する研究機関のやる事とは思えない。例えば、悪意とか、ねつ造を証明するのは本人が認めない限り極めて困難。小保方氏によると調査委員会はイエス・ノーの回答を迫り、本人の言い分を聞いていない。ひどい、なおざり調査。
小保方単独犯の結論を先に決め、それに追い込むストーリーを作成し、調査に臨んだのだ。その上、理研の犯人説を印象付ける情報を小出しでマスコミリークする。全国で小保方批判が巻き上がった。どこかの警察・検察みたい。
理研規定では150日で調査するとのルールも自ら破って、48日で、どさくさ、どたばたの調査の挙句、ねつ造の結果を出した。余程、特定研究法人の認定が欲しかったのだろう。
恐らく、理研は小保方氏が弁護士を立てて不服申し立てすると予想していなかった。前にも書いたが、裁判に持ち込まれると、ねつ造、悪意を一方的に公表してしまったので、この事だけで理研は負ける。
私から見ると、理研のお粗末さのみが目立つ一連の騒動ではある。それにしても、今回の東大研究者、東大出身者の小保方批判におけるベクトルの一致は凄い。彼らが束になっても30歳の女性に勝てない可能性があるから無理も無い。