2、000年の「アーミテージ・レポート」(論文)には、「アメリカは、戦力を低下させない範囲で、日本における米軍の駐留を削減していくことを目指すべきである」と書かれている。
ジョン・マケイン(共和党)、カール・レビン(民主党)らの超党派・上院軍事委員会(常任)も同じ意向で、大統領も尊重せざるを得ない。もう10年以上前からアメリカ軍は、沖縄からの撤退を計画していた。
沖縄本土面積の18%が米軍基地で、その80%が海兵隊だ。今まで、駐留アメリカ軍が日本を守ると言われて、どうかな、と思っていたが、やはり!海兵隊は先制攻撃用部隊で、守りの軍隊ではない。
先の沖縄戦で、日本軍の銃弾をくぐり、真っ先に上陸してきたのが海兵隊だ。いざ鎌倉で、北朝鮮や中国に上陸できる準備は日頃から整えている。
しかし、実のところ、日本が降伏を撤回した時に備え、九州や本州へ上陸させるための海兵隊を大量に沖縄に残留させたと考えるべき。それを裏付けるように、アメリカトップから、「戦後60年、もう日本を信用しても良いのではないか」との発言が有る。
9.11ニューヨークの貿易センタービル崩壊の時、アメリカ人は「パールハーバー」と叫んだ。それだけアメリカは日本を信用せず、忘れず、その不信感は薄れつつも続いている。すぐ忘れる我々の感覚とは違う。
今朝のモーニングバード(朝日テレビ系)で、アメリカの沖縄撤退を引き留めているのは思いやり予算(H23は1858億円)であることを暴露している。莫大な現金で米軍を買収しているのは、外務省の官僚どもだという。
戦後、アメリカ軍に従属し、指示されるスタイルからの脱却ができず、鎖でつないでとか、もっといじめてみたいな、変態性が外務省官僚にはあるらしい。 あるいは、「おかあちゃん助けて」か。
大金くれるなら、アメリカも上手に口裏合わせしてくれる。何しろ、この度、アメリカは大幅な軍事費削減(総額56兆円、5%減)に踏み切った。しかし、中国の台頭著しい東アジアの予算は辛うじて残した。思いやり予算は願っても無い。
そうして振り返ると、一体、鳩山は何をしていたかということになる。アメリカの希望通り、撤退してもらって、思いやり予算も削減し、普天間の問題(そもそも飛行場が不要になる)なども一挙に片付いた。
アメリカ軍海兵隊は、中国の核ミサイルの射程外で、オーストラリアやグアムなどでのローテーションを組み、沖縄には守りの軍隊(現状ではわずか)でよい。それで、日米の同盟が損なわれるわけでも、防衛力が壊れるわけでもない。
むしろ、海兵隊を中国眼前の、狭い沖縄に集中させている現状の方が異常だ。中国からのミサイル一発で、海兵隊の主力が全滅することになる。
私事だが、鳩山首相就任直後に、複数のルートで普天間解決の提案を送り、事務所にも電話したことを書いた。多分、誰も読んでいない。今回初めて書くが、その中には、戦略の基本中の基本は「情報戦略ですよ」と記している。
素人の私でさえ入手できる普通の情報(アメリカの軍事計画)が首相に入っていない。上記情報を入手し分析できていれば、鳩山が言っていた「少なくとも県外」どころか、「海外」が実現していた。まさに情報戦略が戦略の基本という私の指摘にぴったりだ。民主党の素人ぶりも分かる。
このことと言い、鳩山は、北方領土問題を解決するのかと思いきやロシアに肩透かしを食わせ、極端に悪化(実効支配が加速された)させたことと言い、日本に莫大な損失を与えている。
論評に値しない人物だが、ひどい人間が首相になったもんだ。
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