プロ野球は負け方が重要。負け試合を作り、勝ち方は選手に任せよ。
勝ちパターンにこだわるな。
バントは甲子園野球。
交流戦は情報戦に勝たなければならない。
交流戦の情報入手用にパリーグ(たとえばロッテ)の選手を獲れ。
前・山本浩二監督は前に出すぎ、失敗の積み重ねで選手の信頼を失った。
まじめすぎるカープ選手にはのびのびプレーさせよ。
デッドボールは有力選手への挨拶。
我愛する広島カープは1991年のリーグ優勝以来、優勝から遠ざかっている。貧乏球団ではあるが、真面目な有力選手が多く、決して戦力的に他チームに劣っている訳ではない。それでは何故優勝できないのか?逆にどうすれば優勝できるかを分析し提案してみたい。
まず一般論として、高校野球とプロ野球の戦い方の差を検証してみよう。
ご存じのように、甲子園では全試合を勝たなければ優勝できない。多様な強敵を迎えながら全てを勝つためには、ずば抜けた投手力と鉄壁の守り、統制された規律、強運であること、そして何よりも監督が重要であり、選手が実力を発揮できるような指導力と場面に応じた的確な指示がめられる。
プロ野球は強靭な身体と精神、優れた野球センス、何よりも多くのハードルをクリアし、豊富な成功経験を持つスーパーマンが集まった集団である。また、過去の優勝チームの最低勝率ラインは65%程度である。つまり35%も負けることができる。取り合えずプレイオフに進出するには55%程度の勝率でよく、45%も負けることができる。これらが、高校野球とプロ野球の決定的な差である。
過去の戦いを振り返ってみよう。1991年の日本シリーズでは、広島カープ山本監督は西武に対して3勝し大手をかけながら、疲労回復できていない川口を先発に立て、打ち込まれ負けるとズルズル4連敗して優勝を逃している。世代が代わり、三村監督の時、前半を1位で折り返しながら、終盤に追いつかれ後退したのが最高で、全く優勝から縁がなくなっている。この二つのケースは、広島の今後の戦いを考える上で重要である。
西武との日本シリーズでは大手をかけながら、4連敗し、その後、広島カープは優勝から遠ざかっている。前・山本浩二監督はこのテーマを解決しないまま、再度監督に就任したと見る。同様な問題は通常の試合でも起きる。話は飛ぶが、高いところにあるお菓子(優勝)を取るために、箱(作戦)を置くとしよう。ダメな箱は何度置いても役に立たない。(私はボックスモデルと呼んでいる)成功の箱を考える必要がある。あの場面では、例えば、1イニングはリリーフ投手を出し、2イング目以降は投げていない若手投手をどんどん交代で使えば良かった。負け試合を作り、川口投手らを休ませるべきだった。勝てれば拾いものである。
三村監督1年目の前半の戦い方は放任主義で理想的だった。後半から欲を出したため、転落することになった。広島の選手はまじめで、自ら大変な努力する。そんな真面目な選手達に鞭を打ったら、萎縮してしまい、せっかくの努力やまじめさが逆目に出る。監督はカープの選手を試合で、解放し、楽しさを味あわせるべきだ。
プロ野球の監督は全員が全試合を勝ちたいと思っている。しかし、それは不可能だ。ブラウン監督に勉強して欲しいのは負け方であり、プロ野球においてはどのように負けるかが重要である。勝とうとすれば、無理もするし、緊張し、それがチームに伝わり、実力が出せなくなる。今年の第1戦だったと思うが、ブラウン監督はバントを指示した。バントは一つも落とせない甲子園野球の戦いであり、プロでは優勝決定戦などに残しておくべき、奥の手だ。たった一つのバントで、今年のカープはスケールダウンしてしまった。
プロ選手なら勝ち方は分っている。監督の采配で勝つなどという幻想は捨てて、選手を信じのびのびプレイさせたら良い。例えば、昭和49年ごろだったか、崇徳高校がするすると勝って優勝してしまった。監督はベンチにどかっと座ってサインを出さない。試合後のインタビューでは「うちのチームは強いですよ。私は選手を信じています」と毎回発言しひんしゅくをかったが、アマの高校生に試合を任せても優勝できるという例だ。
以前、山本浩二監督率いるカープが強かったころ、山本監督はビールの宣伝で「ドライじゃない」と言っていた。これは巨人ファンのスポンサーの作戦にはめられたのであって、ドライに負け試合を作る戦略に出たらカープが優勝してしまうから、ドライじゃないと言わされたのだ。掛布選手も餌食になった。優勝したかったら3試合に一つは負けても良い若手育成の試合を作るべきだと思う。負け試合は誰でも緊張感なく戦える。これが意外に勝てる。ベテランを休ませ、若手を育成できる。ファンはこのことを理解すべきだ。
山本浩二の名誉のために一言。広島カープで山本浩二は最高の選手だった。
交流戦は広島カープにとって大きなハードルだ。昨年今年と大幅に負け越し、優勝から遠ざかっている。パリーグはロッテをはじめ、徹底的なデータ分析を実施しており、広島カープは丸裸にされている。私ならパリーグの選手を獲得しデータ分析や作戦状況を調べる。次に指摘しなければならないのは、交流戦でお金が動いている可能性だ。例えば、昨年巨人は交流戦で負け越し優勝を逃がした。今年は12チームで2位に上がっているが、交流戦後6連敗している。お金か何かが動いていると思わせる。それでなくても広島は地方・弱小チームだ。球界の盟主巨人に手加減し、埋め合わせを広島でとパリーグ側が考えてもおかしくは無い。
ブラウン監督には、選手がのびのびプレーできる状態を作れと言いたい。カープの選手はまじめで努力家だから、選手に任せておけば勝手に勝って、たまには優勝出来る。勝とうと思えば、気持ちが出すぎ負ける。勝ちパターンにもこだわりすぎている。バントは日本シリーズの最後の試合に取っておけ。中継ぎクローザーを毎回使うと疲労困憊でめげてしまう。投手は完投したいし、たまには完投させれば勉強になる。ブラウンも前山本監督同様、自分が前に出すぎ、失敗を繰り返し、不信感を買い戦力がガタガタになる道を歩んでいる。監督は指揮するのではなく、選手や相手チームに関するデータを分析し、考える材料チームを与える。チームや選手がスランプになった時が監督の出番。
ブラウン監督の現役時代は何となく名前が印象にある。かつてカープに在籍し、よく打った。カープに来るぐらいだからまじめな人柄だろう。まじめで一生懸命だけでは優勝できない。哲学や戦略が必要だ。禅問答のようだけど、「この試合に勝ちたいのか、あるいは優勝したいのか」と問いたい。
調子が良い時は黙って見守り、調子の悪い時に励ましアドバイスし、作戦を与えるのがリーダーの役目だ。がんばれブラウン、がんばれ広島カープ!
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