宇宙・生命・日本 1000年後のあなたに語りかけたい

巨大ブラックホールの衝突が新宇宙を形成⇒循環宇宙論、有機物質から人間への進化メカニズム(循環論理の評価)⇒戦略的進化論

出向して新規事業を立ち上げるのはただ事ではなかった 最後は倒れるか死ぬかと思った3

2015年05月07日 16時50分22秒 | ビジネス
 あなたが乗っている車のアルミホイールの軽量化については我々の技術が役に立っている可能性が有る。さる大手企業から、「アルミホイールを短時間に500℃まで均一加熱したいが、あらゆる方法を試みて失敗した。何か良い方法は無いか?」と相談が有った。

 500度に加熱した後、クエンティング(水につけて急冷)で強度を増し、軽量化を図るのだという。確かクラウン、セドリック、スカイラインなどのアルミホイールを製造していた。

 幸い、我々の加熱試験では期待される条件をほぼ満たすことが出来た。技術が格段に進歩した中でも熱の問題はまだ遅れている。

 私が出向したのはちょうどバブルがはじけた時だった。その後、どんどん状況が悪化した。パナソニックの子会社と打合せしていたところ、ある日、「親会社から蛇口を締められた」と伝えられ、商談はストップした。

 そんな中で自ら営業し受注したのが年間平均4,5億円ぐらい、これに間伐材からの柱切り出し装置が1億円ぐらい(気前良く他の製造部門に差し上げた)、全合計5.5億円ぐらいの受注となっていた。

 20人の部隊で、固定費が年間1億6千5百万円ぐらい。このうち1.3億円ぐらいが人件費だったかな。社長から呼ばれては、「余計な事をやり失敗するから赤字になる。何もしなければ赤字にならない」と叱られていた。

 何もしなければ2億円に近い赤字が出るが、その事が最後まで理解して頂けず、S常務の指導も有って、1か月に1回の社長報告が、どんどん増え、最後は週に1回の報告になった。

 収支は良くてトントン、最も大きな赤字は1億円ぐらい(柱装置の利益は入っていない)、それでも固定費の65百万円は払えているわけだ。S常務に赤字の責任について相談すると、「人間を減らせ」と言われ、お安いご用で適材適所化を図った。

 残念だったのは保険加入を2回提案し、認めて頂けなかった事。当時の東京海上火災から、「売り上げの1%を払って頂ければ信用調査からトラブルとなった場合の交渉や支払いまで全部実施するので安心できます」との提案。

 前にも書いた通り、トラブル時の交渉はお金が絡み大変難儀した。保険会社に入っていれば、信用調査で悩むことも、トラブル交渉で神経をする減らす事も無く、何より会社に迷惑をかける事も無かった。電力復帰後、代理店倒産で大きな責任を負うことになった。

続く
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出向して新規事業を立ち上げるのはただ事ではなかった 最後は倒れるか死ぬかと思った2

2015年05月03日 11時30分57秒 | ビジネス
 我々が開発して収めた食品関係の生産ラインは餃子、焼きおむすび、笹かま、ピザ、グラタン、ハンバーグ、鰻かば焼き、かき揚げ天ぷら、カツオ叩きなどで、読んで頂いているあなたも一度は口に入れて食べたことが有るかもしれない。

 食品以外では、PPバンド製造用の電気加熱炉、高速道路標識用の柱塗装工場(ガス設備)、自動車メーカー向けのロボットなど幅広い。お客様のメーカーから表彰状を貰った事も有った。電気容量は大きな設備では1,000kW近くになった、

 今は当たり前になった大型の電気炊飯ラインは、さる代理店社長からの質問ががきっかけだった。大型電気炊飯設備が出来ないかと言われた。ガス炊飯ではその日の気温や湿度、コメの種類などにより職人が炊き分けるが、失敗で大変なロスが出る。

 炊飯工場では、朝、職人が工場へ来て、勘でガスバーナーの開度を調節する。数字も何も出ないから本当の手加減。失敗はかなり多く、例えば1ラインで1時間に2トンぐらい炊くから、5ラインとか10ラインで捨てる量は半端じゃない。

 私が即座に「世の中には立体倉庫と1窯用の電気炊飯器が有りますね。両方を組み合わせれば、既存の技術で開発できますね」と回答した。社長はすぐ、見積もりが欲しいと仰った。

 立体は平面の2ラインとし、ロボットが炊飯窯を持ち上げて、竈に入れ、炊き上がると持ち上げベルトに移載する方式とした。農協関連のエンドユーザーに収めたところ、2台のロボットが1分間に80mの速度で窯を持って移動し、迫力が有った。

 電気では全自動で、細かい火力調整が出来る。おまけに、ガス炊飯では排ガスにより夏場に50℃ぐらいにはなるが、電気では冷房を入れることが出来る。その後、特許を申請中だった代理店が倒産し、別の会社がパクッて特許申請してしまった。

 私が次から次と、世の中に存在しない装置や生産ラインを受注して開発・製造できたのは社長が支持して頂いた事によるが、取り分け、途中から担当して頂いたS常務の支援が大きかった。S常務は大学の先輩ながら当初は非常に厳しかった。

 色々な関わりから、味方となって頂き環境は激的に好転した。例えば、営業部の部長は電力OBなので力は無いし、暇なもので、私に関してとんでもない悪情報を作っては社長に告げ口して点数を稼ぐ。頭の良い人は最初の情報を信用するので、社長に呼ばれては叱られていた。

 こちらは日本中飛び回っていたし、帰社しても製造の課題が山積みで、余裕が無いから良いカモだった。状況が変わるきっかけはある顧客からのクレームだった。これも私が悪いといういう事になっていたが、S常務が事実を徹底的に調べた結果、私は白になった。

 私の電力時代の経験で、徹底的な究明で事実が明らかになった事は唯一この時ぐらいだったと思う。電力会社は都合の悪い事実より、都合の良い嘘を採用する傾向が有る。

 機械製造の素人が、更に素人を集めて、生産ラインなどの大掛かりな設備を営業し、開発し、収めることになり、受けるのはストレスなどと言う軽いものではなかった。寝ていても背骨に重圧を受けながら夢の中で仕事している。

 夜中に「わー」とか「うー」となうなっている。家内は驚くし、迷惑な話。子供には申し訳なかったと思う。

続く
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