OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

輝け! 歌謡グルーヴ

2006-06-09 15:44:43 | Weblog

私は昭和40年代が、とことん好きです。

特に音楽と映画なんて、この時代でなければ満足出来ません。

そんな私が車の中で密かに聴いているのが――

女番長(スケバン)ゲリラ / やさぐれ歌謡最前線 (Hotwax)

01 「女番長流れ者」 (唄:杉本美樹) 
02 女番長 タイマン勝負 M-3 テーマ (音楽:広瀬健次郎) 
03 女番長 タイマン勝負 M-17 (音楽:広瀬健次郎) 
04 「ほれてふられてブルース」 (唄:津和のり子) 
05 女番長 タイマン勝負 M-4 (音楽:広瀬健次郎) 
06 女番長 感化院脱走 M-15 (音楽:荒木一郎) 
07 恐怖女子高校 アニマル同級生 口笛のテーマ (音楽:鏑木創) 
08 恐怖女子高校 アニマル同級生 M-12 ウエスタン調 (音楽:鏑木創) 
09 「女番長ブルース」 (唄:八田富子) 
10 女番長 タイマン勝負 M-21 (音楽:広瀬健次郎)
11 女番長 玉突き遊び M-23 (音楽:クニ河内)
12 恐女子高校 女暴力教室 (音楽:八木正生) 
13 好きではじめた女じゃないが (唄:太田美鈴) 
14 女番長ゲリラ M-5 (音楽:津島利章) 
15 女番長ゲリラ 「赤色エレジー」 (作曲:八洲秀章 音楽:津島利章) 
16 「冷えた世代」 (唄:須藤リカ) 
17 恐怖女子高校 不良悶絶グループ M-11&18 (音楽:荒木一郎) 
18 恐怖女子高校 暴力リンチ教室 M-6 Jazz (音楽:八木正生 
19 女番長 M-2ずらかれ (音楽:八木正生) 
20 地獄の天使 紅い爆音 M-4a (音楽:忠治) 
21 「女番長ブルース Ending」 (唄:八田富子) 
22 番格ロック M-4( 音楽:八木正生) 
23 恐怖女子高校 不良悶絶グループ M-16b (音楽:荒木一郎)

いいでしょう♪

収録曲はいずれも昭和40年代後半から昭和52年にかけて、東映で製作されたエロ・アクション系作品のサントラ音源です。

タイトルからも推察出来るように、こういう映画は今日ではピンキー・アクションと呼ばれるほど、セックスと暴力に満ち溢れていました。しかもこれらは必ずしも成人指定ではなかったのです!

その役割はほとんどが任侠・実録ヤクザ映画のB面作品で、それはプログラム・ビクチャー方式の興行が如何に素晴らしいものであったのかという証明に他なりません。

このあたりの女番長(スケバン)物の作品は池玲子、杉本美樹、賀川雪絵、山内えみこ、渡辺やよい……というところが主役クラスでしたが、脇役も魅力満点の女優さんが大勢主演し、裸と暴力、セックスと暴走、バイクアクションにクスリでラリルレロ♪ という危ない演出がテンコ盛でした。

ですから劇中音楽も刺激的でありながら、東映独特の泥臭い「泣き」を演出する哀愁がたっぷり漂うという、昭和グルーヴが必須! さらにエグイ演歌ジャズとかマカロニ・ウェスタンやフリージャズ、ファンクから激情のラテン物まで、広域暴力音楽が最高でした。

このCDは、そうした劇伴を選りすぐった内容で、実際のフィルム音源を中心にしているところが嬉しい限りです。

なにしろ、いきなり杉本美樹が「スケバンの美樹です」と仁義、続けて彼女の得意技である棒読みの台詞そのまんまの歌唱が楽しめます。

そしてそれからは一気呵成に泥臭い歌謡ファンキー節が、これでもかと続きます♪ この曲の流れが、もう最高! 編集者に拍手喝さい!

4曲目の津和のり子が歌う「ほれてふられてブルース」はレコード音源からのようでステレオ・バージョンですが、個人的には嬉しい復刻です。もちろん内容は不貞腐れの演歌ブルースで、生ギター主体の演奏と思わせぶりいっぱいの歌詞、エグイ歌唱が三位一体となって、私の世代ならば思わずニヤリとしてしまいますよ♪

また6曲目の哀愁のピアノなんて、まるっきりキース・ジャレットあたりの演奏を歌謡曲に変換した最高の泣きがあって、私は本当に泣きそうです。こういう演奏ならLP片面OK!

さらに演歌どっぷり系では13曲目の太田美鈴が泣かせてくれます。

それとやっぱり須藤リカ! 大好きな名曲「冷えた世代」のフィルム・バージョンは悶絶の嬉しさです。ちなみにレコード・バージョンは既に「魅惑のムード秘宝館」という通販オンリーのボックスでCD化されていますが、まるっきりユーミンの「まちぶせ」を凌ぐ、真の裏名曲だと思います。歌詞がまた、泣かせるんですよ~。

あと20曲目のウルトラ・ファンキーな出来栄えも、たまりません。この重いビートと哀愁のメロディ! 一端聴いたら虜です♪

ということで、聴きどころは十人十色かもしれませんが、全体の流れの良さは驚異的で、車の中でループして延々と流していても飽きません。ふっと気がつくと、隣のシートには杉本美樹がいるような気分になるほどです。

ちなみにジャケットは縦開きの変則デジパック仕様、「女番長(スケバン)」という作品のスピードポスターの裏面が解説書になっているライナーも秀逸です。

さあ、後は作品本編のDVD化を早急に!

コメント
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