「数学・物理通信」 7巻2号 2017年3月 に,世戸憲治氏 (北海学園大学名誉教授) がこの話題を数学的に扱っておられた.易しいことを高級に解釈するとこうなる...という感じ.数値計算もあり,クラリネット (閉管の代表) の場合がおもしろい.拙著「音律と音階の科学」をマクラに使ってくださっていた.
常識的な説明をすると,楽音は基本波,2倍波,3倍波,4倍波,5倍波... などから構成され,基本波の周波数が音の高さを決める.しかし楽音が基本波を欠いても,すなわちミッシング・ファンダメンタルでも,音の高さは基本波が決めているように聞こえる.錯聴現象である.
冒頭の図は,むかし描いたもの.一番上は基本波の波形,2番目は 10 倍波までの和で,高調波の振幅は等比級数的に減少するとした場合の波形.3番目はそこから基本波だけをなくしたもの.ミッシング・ファンダメンタルでも周期は基本波が決めていることがわかる.
静止画では音が聞こえない.そこでこの Youtube だが,現象だけをストレートに伝えている.
「ジャズ演奏と心拍」をこの「数学・物理通信」に投稿させていただきたいと思ったが,この雑誌は同人誌であった.高校で数学を教わった武藤 徹先生も同人らしい.