Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

グレゴリオ聖歌 + ジャズ

2015-07-08 11:12:47 | 新音律


1994 年のヤン・ガルバレクとグレゴリオ聖歌合唱カルテットのヒリヤード・アンサンブルのコラボ アルバム Officium はECMレーベルで最大の150万枚のセールスを記録したそうだ.これはその続編 Officium Novum に基づいた 2010 年の演奏会.
人のことは言えないが,ずいぶん歳とったなぁ.
個人的には,睡眠導入効果あり.

ポール・ブレイにもグレゴリオ聖歌に触発された Modern Chant というのがあったと思って,Youtube を漁ったが見当たらず.グレゴリオ聖歌とは無関係のように聞こえた...と記憶している.
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Well, You Needn't - from - Monk's Music

2015-07-06 22:22:40 | ジャズ


公開講座で,ジャズはクラシックに比べ,いかにいい加減であるかの例として,これを聞いていただいた.モンクのソロの終わりで「コルトレーン,コルトレーン」と叫ぶ,有名なテイクである.
後で考えたら,ジャズの LP としても珍しい.モンクだから可能だったのかしれない.

「コルトレーン...」については,コルトレーンが居眠りをしていたからだとか,モンクが間違えて早く終わったくせにヒステリー?を起こしてコルトレーンを呼んだのだとか,いろんな説があるようだ.LP には油井正一氏の分析が載っていたと思う.
この後コルトレーンのソロがバックと裏表ずれるが,若輩のコルトレーンが合わせて辻褄を合わせる.

ここではソロはピアノが先発だが,その後のソロ順は決まっていたのだろうか.
ジョンではうまくいかないが,「コルトレーン,コルトレーン」ならちゃんとリズムに乗る.これを2小節のボーカル (で悪ければボイス) と考えると,モンクはぴったり2コーラス分の持ち分を消化したことになる.2小節を使って次の奏者を指定したという新説はどうだろう.

コルトレーンの次は tp, b とソロが続き,ds ソロがあってこれで終わりかと思うとさにあらず,ts, as の後にまた p が登場するという変な構成.アート・ブレイキーの ds ソロがカッコいい.
セプテットで入れ代わり立ち代り延々とソロが続くのに辟易された方もおられたようだ.
この曲は演奏してもとても面白い!

You needn't はお前は要らない,すなわち,お前はクビだという意味だと聞いたことがある.後から歌詞が付けられているが,そちらは Love is over みたいな内容.

1957 録音.Thelonious Monk – piano, Ray Copeland – trumpet, Gigi Gryce – alto saxophone, Coleman Hawkins – tenor saxophone, John Coltrane – tenor saxophone, Wilbur Ware – double bass, Art Blakey – drums
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もしも君に会わなかったら

2015-07-05 08:33:49 | 読書
早乙女勝元,新日本出版社 (2014/9).

ほとんどピンコロで旅立った奥さんの思い出の記.歳をとると配偶者との別れ方も気になるもの.図書館で借用.
著者は岩波新書「東京大空襲」と著者と認識していた.

アマゾンの内容紹介*****
突然に彼女はとびたった。おそらくやりたいことを山ほど残して……。最愛の人・直枝さんの死以来、心の空白をうめるように、通り過ぎた40年の歳月を追っていく。残されたものは、どう生きていくのか。炎の夜を後の世代へ語り継ぐために、鉛筆をにぎり続け200冊以上の書籍を著した著者が綴る亡き伴侶への熱い誓い。*****

上の文章に異論はないのだが,時として記述が教条主義的で,この本からぼくは民青がそのまま老人になったような著者像を想像してしまう.
それに対し直枝さんにはずっと豪放磊落な感じを受けた.しかし,こういうイメージを与えるのも著者の小説家としての筆力がなせる技かもしれない.最後の令嬢・早乙女愛さんの「解説と余談」からはまた違った直枝さん像が浮かぶから.こちらの方がリアルに思えた.

一本 120 円の枕木 600 本で自宅「枕木亭」を建てる場面が面白い.
この本の最後のほう,常備軍を廃止した国・コスタリカへの旅行記によれば,この国は楽園みたいだ.しかし Wikipedia (複数の問題ありとの断わり付き) には,常備軍を廃止した同じ憲法が,非常時徴兵を規定しているという記述があった.

 ブックデザインに羽山恵氏の陶芸作品が使われている.
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ロシア紅茶の謎

2015-07-04 08:32:09 | 読書

有栖川有栖,講談社文庫(1997/7).

今頃になって,この作家の「国名シリーズ」を初体験すべく 108 円で購入.
短編集の作品の一つに国名を冠しているだけで,これならいくらでもシリーズを量産できるなぁ.
しかしひとつひとつが粒が揃っていて,楽しめる.提示される数人の容疑者から,ホームズ役とワトスン役が犯人を見つけるというお約束通りのパターンも楽しい.ただし一度に数編を読むと,探偵ペアが鼻に付く.

ぼく的ベストは古典のパロディあるいは古典へのオマージュらしい「屋根裏の散歩者」.「大」「太」などというふざけた暗号は,解説の近藤史恵さんもお気にめしたようだ.最後の読者への挑戦つきの「八角形の罠」は,著者あとがきの自白にあるように,エレベータの使用が無理.
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Modern Jazz Quartet - Lonely Woman

2015-07-03 08:21:51 | ジャズ


このころは学生でスイングジャーナルを隅から隅まで読んでいた.Lonely Woman の最初のカバーが MJQ だったかもしれない.
ジョン・ルイス (MJQ のピアニスト/音楽監督) がオーネット・コールマンを強力にプロモートしたことは有名だが,パーシー・ヒース (b) は Shape of Jazz to Come (Lonely Woman を含む) の一つ前のアルバム Tommorow is the Question ではコールマンと共演している*.一方ミルト・ジャクソン(vib)は,マイルスなどと同様にコールマンに批判的だった.だから全員が喜んでこの曲を演奏・録音したとは思えない.

当時の (当時から?) 評判はあまり良くはなかった.
オリジナルのアルト・サックスとポケット・トランペットはわざと?調子っぱずれな音を出していたが,ピアノとヴァイブではお行儀の良い音しか出ない.シナリオ通りで生気が感じられず,荘重な現代音楽という感じ.
原曲と無関係と割り切れば,音楽としては一級品で,何を演奏しても MJQ ではある.
ちょっとこの曲を演ってみた...というのならいいが,これをアルバムタイトルにするのは,話題曲で売り上げを伸ばしたかったから?

https://www.youtube.com/watch?v=PJG2fEZQxX0 には同じ曲の同じ MJQ の動画がある.LP とどこが違うか比較するのは面白いが,最後がちょん切れている.

このアルバムのぼく的ベストは New York 19.



Lonely Woman: A Critical Analysis of Covers では8曲のジャズ演奏が聞き比べられている.

* アルバム Tommorow is the Question のメンバーが面白い.Ornette Coleman – alto saxophone, soprano saxophone,Don Cherry – trumpet,Percy Heath – bass (前半),Red Mitchell – bass (後半),Shelly Manne – drums.
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オーネット・コールマン「ロンリー・ウーマン」

2015-07-02 08:25:52 | ジャズ


先月オーネット・コールマンが亡くなった.

初めて聞いたときは,何だこれと思ったが,Round Midnight とよく似た出だしの Lonely Woman は好きだった.自分たちで演奏したらどうだろうと,ネットを漁って出てきたのがこれ

採譜した VILLE V. 氏の好み?が反映されているとは思うが,小節線がない.サティのジムノペティみたい.
最後の
The melody is performed very freely without a strict tempo.
Chords are suggested only (no chordal instrument on the recording).
というメモが,フリージャズのフリーたる所以なのだろうが,けっこうよく考えられた曲に見える.

コールマンは後にハーモロディック理論*を唱えるが,この曲の段階ではハーモニー感覚は希薄.「フリー」と言うのはコードからフリーという意味なんだろう.メロディが前面に出ているあたりは日本の音楽みたいに感じられなくもない.
フロントは悠長だがリズムは忙しい.演奏ではポケット・トランペットとアルトのユニゾンが微妙にずれているが,あの「微妙さ」も計算されていたのかもしれない.



ピアノレスという編成が味噌らしいが,今の僕たちのバンドにはピアノ,ヴァイブという平均律楽器がいる.モダンジャズカルテットの演奏もあるが...

バンドには women もいるが見たところは lonely ではない.

* ハーモロディクスのアイデアは複数の移調楽器を同じ運指で合奏することから生まれたという論文があった.
http://ir.lib.hiroshima-u.ac.jp/files/public/36717/20150204113935839258/GeijutsuKenkyu_24_19.pdf
コメント (2)
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reading

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