Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

100号キャンバスの裏側

2018-12-21 09:42:26 | お絵かき
100号油彩画は約160cm平方で,乗用車で運ぶ時には二つ折りにしなければならない.今までは画材店に頼んで,標準の100号キャンバスのフレームをのこぎりで二つに切り,金具をつけて貰っていた

ネットに最初から二つ折り用に製作したらしい100号キャンバスを発見.少々高いが (特に配送料が高い!) が注文した.左がカタログ,右が届いた品物で,フレームが横に各一本ずつ増えて頑丈になっている.1対4000円のキャンバスジョイナーも2対と,気前がいい.
儲かった気分だが,このキャバスジョイナーは,実は折りたたみ操作が大変.おまけにキャンバス自体が重くて,J 子には良いような悪いような...
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額縁ジャズ

2018-12-20 09:57:58 | ジャズ
大ホールで小曽根真のトリオ

ずっとジャズは居酒屋みたいなところで演奏されてきた.食器のガチャガチャいう音,食べ物や酒やタバコや脂粉の匂いと共存してきた.ある客は演奏に茶々を入れたし,ある客は音楽とは関係なくおしゃべりを続けた.

大ホールは街の騒音から隔離されている.そればかりか演奏者と観客も,ステージと客席という空間に固定され,平面で分離されている.このような環境のジャズ,額縁ジャズは,クラシック鑑賞からの輸入で,これを一般化させたのはモダン・ジャズ・カルテットだろう.
MJQ 初来日時の公演批評で,音楽はともかく4人のタキシード姿は猿芝居だ...と書かれたのを覚えている.

MJQ がたまたま口火を切ったというだけのことで,大量に観客を動員できるから,額縁ジャズは必然の結果だったと思う.
さらにテレビは額縁で,情報は送り手から受け手への一方通行だ.テレビが普及しテレビになれると,額縁音楽・額縁公演も当たり前に思えるようになった.
1960 年代の労音は歌謡曲も演芸も,何もかも大ホールに持ち出した.(先代) 小さん一門会というのを名古屋のどこかの大ホールで聞いたことがあるが,流石につまらなかった...しかし関西ではホール落語がふつうらしい.

PA も額縁ジャズでは問題で,最初の MJQ 公演ではベースの前にマイクが1本立っていただけだそうだ.その後の MJQ では大量の機材がステージの両端を占拠した時代があった.晩年のノバホールの MJQ は PA を一切放擲してしまっていた.このジャケのイラストと同じで,ベースの生音にしびれてパーシー・ヒースのファンになった.

あれから数十年,この度の小曽根真のトリオの額縁ジャズはそれなりに進化していた.演奏者は普段着.S 席では PA の存在を意識させない.MC はくだけたものだったし,アンコールでは観客も参加.照明も美しい...ただし照明にもシナリオと演出が必要で,そうなるとジャズという即興演奏の即興性と矛盾する部分はありそうだ.
アンコールの前に何度か出演者が出てきてお辞儀をして引っ込むというセレモニー (小曽根氏が MC で,このクラシックの習慣を皮肉っていた) がないのも良い.ホールの天井灯が点いたら,これでおしまい・帰ってくださいということなのね.
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小曽根真 the TRIO

2018-12-19 09:32:29 | ジャズ
12/16(日) 東広島芸術文化ホールくらら 1600 (不思議な時刻だ!) 開演.
小曽根真(p)ジェームス・ジーナス(b)クラレンス・ペン(d).

東広島市教育委員会主催.知った顔多数.意外に空席があった.
終活の一環として,S 席を張り込んだので快適だった.
PA がうまく,ベース音がどこまで生なのか,自分には分からなかった.ドラムセットの配置が独特かも.ピアノ調律師さんが開演前と休憩時だけでなく,なぜか終演後も作業していた.
アンコールではミラーボールが回り観客が「きよしこの夜」を斉唱するという意外な展開.
それ以外は小曽根のオリジナルで,音楽に浸ることができた...知っている曲だと雑念が入ってしまうのだ.

この晩も演奏した the siesta の動画が Youtube にあった.ギリシャでの物理系の学会はシエスタすなわちお昼寝時間があった.その代わりディナーで飲んで午前様になるのだった.

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傑作 ! 「野生のロボット」

2018-12-18 09:57:56 | 読書
ピーター・ブラウン 作・絵, 前沢 明枝 訳「野生のロボット」福音館書店(2018/11).☆☆☆☆★

出版社の内容紹介*****
あらしの夜、五つの木箱が無人島に流れついた。中にはどれも新品のロボットが一体ずつ入っていたが、こわれずに無事だったのは一体だけだった。偶然スイッチが入り起動したロボット=ロズは、島で生きぬくために、野生動物たちを観察することでサバイバル術を学んでいく。はじめはロズを怪物よばわりしていた動物たちだったが、ひょんなことからガンの赤ちゃんの母親がわりとなったロズが子育てに孤軍奮闘する姿を見て、しだいに心をひらいていく。すっかり野生のロボットとなったロズのもとに、ある日、不気味な飛行船がやってきた……。*****

小学校中学年以上が対象とのことだが,大人でも楽しめる,むしろ大人向きかもしれない.
ロビンソン・クルーソーとジャングル・ブックとドリトル先生を混ぜて主人公をロボットにしたようなストーリー.似たような発想に基づく SF があるのだろうか.ロボットが動物の言葉を学習するところを,こどもっぽいと感じるか,飛んでると感じるかで評価が分かれそうだが,僕は後者.ハッピーとは言えないが,悲観的でもないラストも良い.

著者はイラストレータでもあり,自身による挿画がたくみである.
訳者による解説が欲しいところ.

図書館から非児童が児童書を借りてしまったので,早晩返すつもり.
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はじめてのアメリカ音楽史

2018-12-17 10:18:52 | 新音律
ジェームス・M・バーダマン,里中 哲彦, ちくま新書 (2018/12) .

***** 第1章 アメリカン・ルーツ・ミュージックの誕生 / 第2章 ゴスペル / 第3章 ブルーズ / 第4章 ジャズとニューオリンズ / 第5章 ソウル,ファンク,ヒップホップ / 第6章 カントリーとフォーク / 第7章 ロックンロール *****
という陣容.

第2章以降はいちおうジャンルで分類しているが,第5章はごった煮になった感がある.
アメリカ音楽史と言っても,ポピュラー音楽に限定されている.チャールズ・アイヴスもハリー・パーチもルー・ハリソンもジョン・ケージも登場しない.またラテン系の音楽も登場しない.ロックンロールではない「ロック」も手薄.歴史は現代を含まないのだろうが,今世紀に入ってからの記述はほとんどなし.

ジャズの章を読むと,ハード・バップがパーカー,ガレスピーに先行するように読める.セロニアス・モンクがハード・バップだって? 本気かよ! 他の章にも似たような誤りがありそうだ.

対談形式だが,丁々発止とはいかず,交互に講釈を述べるだけという部分が多い.それなら初心者対専門家の対談形式のほうが入門書に向いていると思うが,偉い先生おふたりだとそうはいかなかったのだろう.

こだわって,ブルースではなくブルーズで通している.

いろいろケチをつけてしまったが,楽しく読了.☆☆☆★

自分のアメリカポピュラー音楽への関わりは日本のラジオ・テレビを通してであった.
例えば,日劇ウェスタン・カーニバルはロックンロール大会だったが,登場する歌手たちはカントリー系に思えた.こうした環境ではプレスリーへの黒人音楽の影響など分からなかったのだなあ...などと,遠い眼.
この本も 白人対黒人という見地で書き直したほうが筋が通ったものになりそうだ.

この本から
柿沼敏江「アメリカ実験音楽は民族音楽だった―9人の魂の冒険者たち」フィルムアート社(2005/1)
を思い出した.
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おとぼけマジック

2018-12-16 09:29:50 | エトセト等
タウン誌 銀座百点 12 月号にマギー司郎と中尾彬の対談.マギー氏の言から

- 夜中のストリップ劇場 (の幕間営業) ではお客さんの半分は寝てるので,起こさないようにやる芸を会得した.
- フランスの広場では,観客のおじさんが自分の帽子におカネをあつめてぼくにくれた.
- 家出してから 15 年後に入院しているという母親に会いに行った.病院の廊下を歩いてドアの前に立ったら奥から「司郎か?」って声が聞こえた.
.....

「マジシャンとして,うまいのと受けるのは別,うまいのと芸事で生きるのは別もの」だそうだ.

おとぼけマジックが好きで,ぼくの定義ではマギー氏はその代表.
むかし寄席で見たアダチ隆光 (カット写真) が忘れられない.ものすごく面白かったが,本人はニコリともしなかった...と思うが,記憶に自信なし.この人は奇術の腕が良いと思わせるのも上手くて,おとぼけ派とは違うのかもしれない.

ナポレオンズも好き.

ガキのころ小遣いをはたいて夜店で手品のタネを買って帰って開けたら,切れ目のある針金の輪が5本ほど入っているだけだったことがある.こないだダイソーで同じようなものを100円で売っていたが,きっと充実した解説がついているのだろう.
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刀と傘 - 明治京洛推理帖

2018-12-15 10:35:03 | 新音律
伊吹 亜門,東京創元社 ミステリ・フロンティア(2018/11).
図書館で借用.☆☆☆

Amazon にアップされた内容(「BOOK」データベースより)*****
維新に揺れる明治の京。奇怪な謎に挑むのは、尾張出身の若き武士と初代司法卿江藤新平。死刑執行当日、なぜ囚人は毒殺されたのか? 第12回ミステリーズ ! 新人賞受賞作「監獄舎の殺人」に連なる時代本格推理、堂々登場。*****

著者は同志社大学ミステリ研究会出身だそうだ.

月刊誌「ミステリーズ」に掲載された「監獄舎の殺人」を含む5編の連作.個人的には陰鬱なトーンが苦手だが,小説としてもミステリとしても上手くできている.捕物帳と本格との両立は困難とされているが,善戦している.
まったく不在かと思った女性が「桜」では冒頭に登場.これは倒叙ものだった.
ほかにも密室など,さまざまに楽しませてくれるが,最後の「そして,佐賀の乱」はよく分からなかった,

仕込み杖ならぬ「仕込み傘」が登場するのがタイトルの由来.
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バカにされることがバネになる...

2018-12-14 09:15:25 | 新音律
ジェームス・M・バーダマン,里中 哲彦「はじめてのアメリカ音楽史」 ちくま新書 (2018/12) によれば,最初のアメリカのヒット曲は独立戦争のころの Yankee Doodle だそうだ1).これはもともとイギリス人が植民地のアメリカ人をからかった歌で,doodle は,ちゃらんぽらん・ろくでなしを意味する dolittle がなまったもの2).でも陽気なメロディが気に入ったアメリカ人が自分たちの軍歌にしてしまうことになる.



思い出したのが「坊っちゃん」.このなかで夏目漱石は ど田舎松山を思い切りこきおろしている.しかし現在の松山では,坊っちゃん団子に 坊っちゃん列車など,苦沙味先生が予想だにしなかった (と,思う) 現象が見られる.

バカにするとか・されるとかは,きっかけにはなるが,それにともなう感情は小さいことで,もっと大きなことが結果を左右するらしい.このあたの動力学が面白そう.

1) Yabkee Doodle がどうして「アルプス一万尺」になったのかな?
2) ドリトル先生は英文では Dr. Dolittle だな.

カットは近藤浩一路「漫画 坊っちゃん」岩波文庫 (2017/1) のカバーより.
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御宿かわせみ ミステリ傑作選

2018-12-13 09:31:24 | 読書
平岩弓枝 大矢博子,文春文庫 (2918/12)

「御宿かわせみ(おんやどかわせみ)」は連作時代小説シリーズで,旅籠「かわせみ」を舞台にした人情捕物帖.第1作は 1973 年.断続的に 2005 年まで,オール讀物などい連載された.2007 年からは明治時代の,登場人物の子ども世代を中心とする「新・御宿かわせみ」が続いている.

Amazon の内容(「BOOK」データベースより)*****
「御宿かわせみ」の一番の魅力は、江戸の四季と共に描かれる、人々の情でしょうか。異議あり?「かわせみ」シリーズには、驚くほど秀逸なミステリ作品が多い、と書評家・大矢博士が悩みに悩んで、七作品を厳選した。殺人事件から日常の謎まで、トリックも駆使して実に多彩。巻末の創作の種明かし著者インタビューも必読です。*****

一作ごとに時代が進む.そのなかで主人公たちというか,狂言回しというか,ふたりが付き合って,結婚し,子どもができ,最後は寡婦が残る.この最後の作品だけが「新・御宿かわせみ」から採られたもので,いちばん長い.目地維新による状況の変化は興味を引くが,小説としての出来は悪い.
残る6作では後のほうほど出来が良い.インタビューから表現を借りると,初期は物理トリックを使った話もあるが,後半は次第に人の心のあり方が謎解きにつながる作品が増える...ということ.

インタビューで著者はクリスティが好きと言っておられる.「矢大臣殺し」がいかにもだが,ちょっと設定が不自然かも.ぼく的ベストは「残月」,続いて「三日月紋の印籠」「藤屋の火事」.

「御宿かわせみ」は雑誌で読んだり,テレビで見たりしたが,(本来の形ではないとしても) 一冊の本として読むのは初めてだった.
☆☆☆★
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究極の左利きバンド

2018-12-12 09:25:47 | ジャズ


フルート.ヴァイブ,ピアノ,ベース,ドラムスのコンボ BJQ を CD ケースに裏から描いてみた.7分通り出来上がったところでひっくり返してみれば...

フルート,ベースの左利きはともかく,ピアノとギターでは楽器そのものが低音が左になっている.
いつも風景とか花とか猫とか,左右が逆でも鑑賞に耐える題材を選んでいたツケである.

結局,いちから描き直した結果が下.
バックは,J 子が色面分割の研究と称して,いろいろ試しているのをまねて,折り紙を切ったもの.旧作から転用したので,やっぱりぴったり来ていない.

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