【政界地獄耳】:首相こそメモなし「自助」答弁を/11.06
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳】:首相こそメモなし「自助」答弁を/11.06
★5日の参院予算委員会で立憲民主党副代表・森ゆうこの問いに、首相・菅義偉は持論である「自助・共助・公助」の自助について、コロナ禍で言えば「まず手を洗うこと」だと説明した。それならばマスクも手洗いも「3密」を避けることも、多くの国民はすでに半年以上にわたって実践しているといえる。それならば、すでに国民は自助は完遂できており、今後は共助・公助を待てばいいということになる。秘書官のメモなくして答弁できない首相こそ、まずは自分で答えてみる自助をお勧めする。これでは首相は自助ができておらず、秘書官のメモと関係閣僚の時間稼ぎの答弁が共助になっている。
★また危機管理の専門をうたう首相に対して、第2の耐震偽装疑惑として注目されている中央自動車道の耐震補強工事における「手抜き工事疑惑」の問題が質問された。週刊文春がスクープし、周辺が事実関係を認めており、菅内閣の農水副大臣・宮内秀樹の関与が取りざたされている。それにもかかわらず、森の問いに首相はそのニュースを「知らない」と答弁し、国交省で調査中なので報告を待つとした。
★森もあきれていたが、これを危機管理というだろうか。首相は官房長官時代の危機管理対応を答弁で語っていたが、それは事件や事故、災害が発生してからの対応だ。危機管理は、予防し未然に防いでこそ危機管理ではないか。危機管理とは本来、事件が起きないで何事もなく過ごしている中で行われるものではないのか。警察、消防、防衛などの治安維持は彼らの働きで日夜、平和が保たれていることにある。事件発生や発災後に陣頭指揮を執ることは、危機管理ではなく危機対応であろう。首相の国会答弁を見れば、今何が議論されているかがよく分かる。(K)※敬称略
◆政界地獄耳
政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)
元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】 2020年11月06日 09:08:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。