路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【社説】:万国津梁会議提言 兵力配備強化に歯止めを

2021-04-02 05:01:55 | 【米国・在日米軍・地位協定、犯罪・普天間移設・オスプレー・安保】

【社説】:万国津梁会議提言 兵力配備強化に歯止めを

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:万国津梁会議提言 兵力配備強化に歯止めを

 安全保障の有識者による「米軍基地問題に関する万国津梁会議」(柳沢協二委員長)が、2020年度の提言書を玉城デニー知事に提出した。辺野古新基地建設計画は技術面、財政面で多くの問題を抱えているとして、直ちに工事を中止するよう改めて求めた。政府は専門家の指摘を真摯(しんし)に受け止め、県との協議に応じるべきだ。

 米中の政治的・軍事的対立が高まる中で、沖縄周辺で意図しない武力衝突が起きる可能性や、有事の際の前線として沖縄が攻撃目標になるリスクが高まっていることにも提言は警鐘を鳴らしている。破滅的な事態を招かないために、沖縄への兵力配備を強化する日米一体の流れに歯止めをかけなければならない。
 万国津梁会議の提言は昨年3月に続いて2度目となる。
 前回の提言後の昨年4月に、政府は大浦湾の軟弱地盤改良工事に必要な設計変更の承認申請を県に提出した。しかし、地盤改良の技術的な課題は克服されておらず、さらにコロナ禍で日本の財政が逼迫(ひっぱく)する中で、公共事業として非合理性を増している。
 米軍普天間飛行場では負担軽減に逆行し、訓練が激化している。万国津梁会議の提言は、辺野古新基地は完成が困難で、普天間の危険性を放置する「最もあり得ない選択肢」と断じた。本来の目的である普天間飛行場の危険性除去と運用停止の方策を具体化するため、米国や沖縄県との協議を日本政府に求めた。
 こうした専門家の見解を、多くの国民に共有してもらうことが必要だ。
 提言は日本の安全保障政策について「対中国脅威論をベースとして日米同盟への依存を強めており、沖縄の基地負担に関する思考停止とも言うべき状況を生んでいる」と指摘する。米軍の対中抑止構想に追従する日本の外交・安保政策が、沖縄の軍事拠点化や訓練激化を是認している。
 提言は「沖縄を地域の信頼醸成ネットワークのハブ(結節点)とするのが緊急の課題」として、アジア太平洋地域における緊張緩和の機運を醸成する役割を、沖縄県の取り組みとして促している。
 また、広島・長崎との交流や、基地を抱える他県の自治体との連携を強めることによって、日米同盟一辺倒からの政策転換に向けた国民議論を喚起していくことができる。
 提言は現実的な国際政治の現状分析に基づき、説得力を持つ。一方で、有識者の知恵を集めた万国津梁会議は玉城知事の目玉公約であったが、当初は県としての位置付けが曖昧など、提言を十分に生かしてきたとは言いがたい。
 玉城知事は沖縄の基地負担軽減に向けて、日米両政府に県を加えた3者で協議を行う「SACWO(サコワ)」の設置を呼び掛けている。対話を拒む政府に対し、今回の提言を日米沖の3者協議の実現につなげるような、戦略的な活用が県に求められる。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2021年04月02日  05:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【金口木舌】:正しく伝える責任

2021-04-02 05:01:50 | 【第二次世界大戦・敗戦・旧日本軍の功罪・東京大空襲他・犠牲者へ無補償

【金口木舌】:正しく伝える責任

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【金口木舌】:正しく伝える責任

 「私たちは言葉と文化を奪い取られ、琉球の人と同じ扱いを受けた。これからも慰霊を続けたい」。旭川アイヌ協議会(北海道)の川村シンリツ・エオリパック・アイヌ会長の言葉だ。アイヌ民族出身の日本兵や沖縄住民を追悼する慰霊祭を糸満市で続けていた

 ▼沖縄戦の犠牲者数は、沖縄以外の都道府県では北海道が1万人以上と突出する。川村さんは北と南で連帯し、戦争や差別に反対することが国策の犠牲となった人々の願いだと訴えた。2月、川村さんは69歳で亡くなった
 ▼読谷村のチビチリガマで極限状態の住民が次々と死に追いやられた日から76年。2年前の慰霊祭には肉親らに毒薬を注射した看護師のめいが参列した
 ▼女性は遺族らに何度も頭を下げた。戦時中の「米軍に捕まったら惨殺される」という誤った情報や教育により、注射器を握らざるを得なかった伯母の無念を訴えた
 ▼沖縄戦で日本軍は多くの住民を戦闘に巻き込んだ。膨大な数の戦没者を出したことは政府が数十年間、推し進めた沖縄への同化政策と皇民化教育の結果でもある
 ▼文科省が発表した検定結果で高校の歴史教科書に「一中健児之塔」を「顕彰碑」とする記述があった。戦争体験者がさらに減少する中、記録や教育による継承は重要性を増す。過ちを繰り返さないため、沖縄戦を正しく伝える責任が全国の全ての世代にある。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【金口木舌】 2021年04月02日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説】:歴史教科書検定 沖縄戦の美化を危ぐする

2021-04-02 05:01:45 | 【第二次世界大戦・敗戦・旧日本軍の功罪・東京大空襲他・犠牲者へ無補償

【社説】:歴史教科書検定 沖縄戦の美化を危ぐする

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:歴史教科書検定 沖縄戦の美化を危ぐする

 76年前の今日、米軍が沖縄本島に上陸した。激戦に動員された若者を顕彰し、県民は戦争に「協力した」とたたえるような教科書の記述で沖縄戦の実相をゆがめ、美化する動きを危ぐする。

 文部科学省は2022年度から使う教科書の検定結果を公表した。歴史教科書には沖縄戦の県民犠牲を称揚するような記述があった。
 明成社の「歴史総合」は鉄血勤皇隊として戦場に動員された県立第一中学校の生徒を慰霊する「一中健児之塔」を「顕彰碑」と記述した。また、沖縄師範学校女子部・県立第一高等女学校の生徒で編成した「ひめゆり学徒隊」を「ひめゆり部隊」と記述した。
 旧制中学・師範学校の生徒を戦場へ動員し、犠牲を強いた経過に照らしても「顕彰」「部隊」の記述は不適切だ。
 一中健児之塔は犠牲者を悼み平和を希求するための慰霊碑であり、「顕彰」する碑ではない。管理する養秀同窓会も「顕彰碑と説明したことはない」としている。「部隊」という記述ついて、沖縄大学の新城俊昭客員教授は「法的根拠もないまま補助兵力として戦場に動員された女子学徒の編成を『部隊』と称するのは誤りだ」と指摘した。明成社は「顕彰碑」の記述を「慰霊碑」に改める意向だ。
 自由社の中学歴史教科書にも容認しがたい記述がある。沖縄戦に関して「この戦いで沖縄県民にも多数の犠牲者がでました。日本軍はよく戦い、沖縄住民もよく協力しましたが、沖縄戦は6月23日に、日本軍の敗北で終結しました」と記した。
 ここでは「軍隊は住民を守らない」という沖縄戦最大の教訓が無視されている。兵士に死を強いる陸、海、空の特攻作戦は戦術を無視するものだ。さらに、県民は「よく協力した」と記述することで「軍官民共生共死の一体化」の下で県民を根こそぎ動員した事実をゆがめた。沖縄戦犠牲における国や軍隊の責任を隠ぺいするものだ。
 沖縄戦が6月23日に「終結」したという記述も誤りだ。牛島満司令官らの自決で組織的戦闘は終わったが、牛島司令官は最後まで戦うよう兵士に命じており、散発的な米軍との交戦は続いたのである。
 「集団自決」(強制集団死)の記述をゆがめた教科書検定問題の教訓に立ち返る必要がある。記述回復を求める訴えの中で、県民は沖縄戦の実相を正しく伝えるため、沖縄戦研究者を検定作業に参加させるよう求めた。その訴えが十分に生かされていない。
 沖縄戦の史実を正しく継承するため、息の長い沖縄戦研究と体験者による証言活動が積み重ねられてきた。それは平和創造の礎となるものだ。
 学校教育の場で沖縄戦が正しく伝えられるよう私たちは教科書記述を注視し、誤りがあれば正さなければならない。同時に沖縄戦研究やさまざまな証言を踏まえた情報発信にも努める必要がある。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2021年04月01日  05:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【金口木舌】:エイプリルフール

2021-04-02 05:01:40 | 【新聞社・報道・テレビ・ラジオ・NHKの功罪・マスコミ・雑誌・著作権】

【金口木舌】:エイプリルフール

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【金口木舌】:エイプリルフール 

 「宿題ぜ~んぶやってくれるパソコン発売」「航空機1機プレゼント」「ジュラ紀恐竜の足跡にトミカ跡」…。昨年のエープリルフールに各企業がリリースした“うそ”のネタである。どれも、くすっと笑えて元気が出る

 ▼一方、昨年は新型コロナウイルス感染拡大を受け自粛する企業も相次いだ。感染拡大の中、うそをつくことへの是非が議論を呼んだ
 ▼コロナ禍でさまざまなデマやフェイクニュースが巡った。「ウイルスは熱に弱く、お湯を飲むと予防に効果がある」「納豆が予防になる」など。トイレットペーパーが品薄との情報を真に受け買い占めする人も続出した
 ▼フェイクニュースという言葉はなかったが、70年以上前も意図的に作り出されたうそのニュースが席巻していた。戦時下の「大本営発表」である
 ▼記者を集め戦況を発表する場だが、国民の戦意高揚のために改ざん、ねつ造された。発表を報道機関は垂れ流した。76年前のきょう、米軍が沖縄本島に上陸した。国民の知る権利が奪われ、多くの悲劇につながったことを沖縄戦を通して県民は知っている
 ▼膨大な情報があふれる中、一つの情報のみをうのみにせず複数の情報に接して正しいかどうか見極めることが重要だ。きょうはエープリルフール。不安や憎悪をあおって社会を分断し、ひいては生命を脅かすようなうそには翻弄(ほんろう)されたくはない。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【金口木舌】 2021年04月01日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説】:琉球新報活動賞 強い使命感に学びたい

2021-04-02 05:01:35 | 【新聞社・報道・テレビ・ラジオ・NHKの功罪・マスコミ・雑誌・著作権】

【社説】:琉球新報活動賞 強い使命感に学びたい

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:琉球新報活動賞 強い使命感に学びたい 

 第43回琉球新報活動賞は、社会・地域・教育・産業・文化などの発展に貢献し続けている3団体、3個人に贈られる。「一隅を守り千里を照らす」を基本理念に、社会の一線で活躍する気鋭の人、団体を表彰するものだ。

 県内各分野の発展に大いに貢献している受賞団体・個人に敬意を表するとともに、功績への原動力となった強い使命感から多くを学びたい。
 居酒屋味自満チェーン代表の伊禮門清吉氏は児童養護施設の児童を長年支援し、育英会や社会福祉協議会など多岐にわたる寄付活動に取り組んできた。新型コロナ禍の中、ひとり親世帯や生活困窮世帯などへ弁当の無料配布も行っている。献血活動にも尽力している。人々の「笑顔のために」という社会への思いは良い手本になる。
 名護・さくらの会(儀保充会長)は、「さくらのまち」をうたう名護市で、カンヒザクラの育成と普及、観光振興に尽力してきた。市内各所の桜が美しい花を付けるようにと、周辺の除草や肥培、剪定(せんてい)作業などに取り組んでいる。名護と言えば桜というイメージは、こうした市民の支えがあってこそだと気付かされる。
 障がい者が活躍できる場の拡大を図るアートキャンプ2001実行委員会の朝妻彰代表は、障がい者の作品を展示してきた。その結果、障がい者アートを福祉としてではなく、芸術として社会が受け入れる風潮が生まれた。共同作業所づくりにも貢献し、障がいの有無に左右されないことが当たり前の社会を目指す。
 県民の主食である米の品質向上に取り組み、国内外で高い評価を得ているのは沖縄食糧(中村徹代表取締役社長)だ。食品衛生管理の国際規格「精米HACCP(ハサップ)」を国内企業で初めて取得した。「県民の食」を担う企業という強い使命感の証しだ。子ども食堂への支援にも貢献している。
 女性実演家14人でつくる女流組踊研究会めばな(山城亜矢乃代表)は、特に古典作品で女性の出演機会が限られている組踊で、女性だけの活動を模索し、舞台を作り上げてきた。鑑賞教室や作品紹介などを通して組踊を親しみやすくし、ファン層の開拓にも貢献した。古典の新たな魅力を発信している活動を高く評価したい。
 県立芸術大の加治工真市名誉教授は、生まれ育った鳩間島の言葉を残すことに尽力した。大学時代、言語学者で主任教授だった仲宗根政善氏から「鳩間島の方言辞典を残せ」と言われ使命感に燃え、出版を実現した。「石垣方言辞典」などの監修や編集も手掛けた。島の文化が凝縮されている言葉を残した意義は大きい。
 贈呈式は31日に行われる。受賞の背景には長年の粘り強い活動がある。それぞれの分野での貢献に感謝したい。背中を見て刺激を受けた後進たちが各分野で育ち、功績をさらに発展させることを願う。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2021年03月31日  05:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【金口木舌】:コロナ禍のちむぐくる

2021-04-02 05:01:30 | 【感染症(1類~5類)・新型コロナ・エボラ・食中毒・鳥インフル・豚コレラ】

【金口木舌】:コロナ禍のちむぐくる

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【金口木舌】:コロナ禍のちむぐくる

 昨年3月31日1面のトップは「志村けんさん死去」だった。その下に「沖縄関係感染10人目」の記事。1年後の30日現在、新型コロナウイルスの県内感染者は累計9371人に上る。1年前は想像できなかった

 ▼この春卒業の節目を迎えた児童生徒らは、卒業式や運動会、修学旅行も縮小や中止を余儀なくされた。そんな卒業生を励まそうと、各地で多くの人が企画を実施した
 ▼豊見城市商工会青年部は、市内の3中学校の3年生を対象にスポーツ大会を開催。元プロ選手や人気音楽グループも招いた。「楽しい思い出をつくってほしい」との思いは110の協賛社の賛同を得た
 ▼南城市の大里中では、同校の改修工事に関わるOBが、思い出の写真を使ったプロジェクションマッピングを上映した。3年生へ予想外のプレゼントとなった
 ▼琉球コラソンは「6年生思い出を残そうラストマッチ」とし、ハンドボールの交流試合を名護市で開いた。最後の大会も中止になった6年生に「落ちていた気持ちが少しでも上がって中学校に進学してもらえたら」と企画。想定以上の29チームが参加した
 ▼コロナ禍が日本中を覆ったこの1年。幾度も悲しく、つらい出来事があった。そして今ほど人の温かさが身に染みることはない。つらい時は「お互いさま」。手を差し伸べ、支え合う肝心(ちむぐくる)をかみしめ、新たな年度の一歩を記したい。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【金口木舌】 2021年03月31日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説】:コロナ「第4波」到来 対策徹底するしかない

2021-04-02 05:01:25 | 【感染症(1類~5類)・新型コロナ・エボラ・食中毒・鳥インフル・豚コレラ】

【社説】:コロナ「第4波」到来 対策徹底するしかない

『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:コロナ「第4波」到来 対策徹底するしかない 

 玉城デニー知事は新型コロナウイルス感染者数が再拡大し、流行の「第4波」との認識を示した。

 県は4月1日から3週間、本島20市町村の飲食店と遊興施設に対し午後9時までの営業時間短縮を要請する。
 2月末の3度目の緊急事態宣言解除から1カ月で再び時短要請に踏み切ることになった。変異株の広がりも懸念される。県民一人一人が感染防止策を徹底することで「第4波」を最小限に抑えたい。
 玉城知事は29日の記者会見で「驚異的な速度でリバウンド(再拡大)が起こっている」と述べた。3週間で改善が見られなければ「さらに深刻な影響を及ぼしかねない」と注意喚起した。
 29日時点の直近1週間の新規感染者数、療養者数はいずれも警戒レベルの「感染蔓延(まんえん)期」に達している。20~40代の若い世代、飲食関連が急増している。このため県は、歓送迎会や新歓コンパ、飲食につながるイベントなどは自粛を要請。清明祭は同居家族らと、少人数かつ短時間での実施を呼び掛け、会食は4人以下・2時間以内を求めた。
 さらに時短要請に応じた事業者に協力金84万円を支給する。経済界から、時短要請の対象事業者以外に影響を受ける業種に対して、支援策を求める意見がある。
 県は感染拡大で観光など地域経済が低迷し、税収の減少率が13.6%と全国で最も高い。苦しい「台所事情」が続く。財政的な裏付けには限界があるだろう。国の支援が不可欠だ。
 営業時間は前回より1時間延長し、午後9時までとした。県飲食業生活衛生同業組合の意向を反映したのだろう。鈴木洋一理事長は、営業時間について「午後8時だと予約が入りにくい。9時閉店なら、感染を抑えつつ半分くらいは経済活動を回せる」と要望していた。
 気になるのは変異株の広がりだ。県内の新型コロナウイルス患者88人の検体を国立感染症研究所に提出したところ、4分の1に当たる22人から変異株が確認された。ほとんどが従来株よりも免疫やワクチンの効果が低下する可能性が指摘されている「E484K」だった。
 最近の感染拡大について糸数公保健衛生統括監は「変異株は少しずつ広がっている可能性がある」と述べている。直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者数は33.73人。沖縄は全国で2番目に高い。専門家は変異株が「第4波」を招くと警鐘を鳴らしていた。変異株が広がっている可能性がある。
 しかし、変異株の検査体制は不十分で、実態把握ができていない。玉城知事は変異株の検査体制を拡充する方針を示した。
 自治体任せにせず政府主導で変異株の検査体制を早急に拡充すべきだ。同時に変異株に対する有効な対策を示してもらいたい。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2021年03月30日  05:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【金口木舌】:九回2死から

2021-04-02 05:01:20 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【金口木舌】:九回2死から

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【金口木舌】:九回2死から

 

甲子園で具志川商は惜しくも8強入りはならなかったが、延長に及ぶ熱戦を演じてくれた。あの一戦で今大会の1回戦からの延長試合は大会史上最多の7に並んだ

 ▼延長に入るかどうか、九回2死の攻防は野球の見どころの一つである。2回戦で東海大菅生は、その2死満塁で代打が試合を決めた。公式戦出場ゼロ。メンバー枠最後の背番号18の大仕事だ。起用されずとも腐らず、努力した結果が結実した
 ▼こちらも見事な逆転劇は大相撲春場所で優勝した照ノ富士だ。23歳で大関昇進の栄光から、けがと病気で降格し続けた。引退も考えたというから、まさに土俵際まで追い込まれていた
 ▼膝の手術後は車いすの再起生活から。地道な稽古を重ね、得意の取り口を磨いた。幕内経験者の序二段からの再入幕は史上初めてだった昨年7月場所で優勝。今回、混戦の賜杯レースを勝ち抜き、大関復帰を確実にした

 ▼「必死に頑張った結果が表れると信じてやってきた」。インタビューは見る者の心を打った。「皆さんの応援のおかげ」と国技館の四方に頭を下げる姿、「相撲は狙い通りにならない」との言葉に人知れぬ苦労がにじんだ
 ▼スポーツは見る者を感動させるだけでなく、力や勇気を与えてくれる。思うようにならなくても、九回2死まで追い込まれても、それでも前を向き続ける。その尊さを、身をもって示してくれた。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【金口木舌】 2021年03月30日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説】:安保法制施行5年 平和外交にこそ力を注げ

2021-04-02 05:01:15 | 【経済安全保障・戦略物資の供給網強化、基幹インフラの安全確保、先端技術開発他】

【社説】:安保法制施行5年 平和外交にこそ力を注げ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:安保法制施行5年 平和外交にこそ力を注げ 

 憲法学者から違憲との指摘がある集団的自衛権行使を可能にし、日米の軍事一体化を進めるなど、さまざまな課題をはらむ安全保障法制は、29日で施行から5年を迎えた。

 この間、自衛隊と米軍の一体運用は常態化し、太平洋に面するオーストラリアだけでなく、欧州を含めた形で軍事的な連携が際限なく広がる。
 海洋進出を図る中国や弾道ミサイルを発射した北朝鮮など、東アジアの安全保障環境に懸念は絶えない。しかし軍事的な力に頼るばかりの安全保障策でよいのか。
 有事となれば真っ先に狙われるのは国境の島であり、米軍、自衛隊基地が集中する沖縄であるのは疑いない。76年前、軍民混在の地上戦を経験した県民は「軍隊は住民を守らない」という教訓を得た。
 政府は違憲の疑いが濃い安保法制を見直すだけでなく、国民を守るため平和外交にこそ力を注ぐべきだ。
 安保法制で可能になった任務では、集団的自衛権の行使こそなかったが、平時に他国軍の艦艇などを自衛隊が守る「武器等防護」は19年に14件、20年に25件実施している。防衛省は件数と概要のみ公表し、詳細は明かしていない。
 現状は米軍だけを対象にしているが、菅義偉首相はオーストラリアのモリソン首相との昨年11月の会談で、オーストラリア軍も「武器等防護」の対象に追加するよう調整を進めることで合意した。
 「武器等防護」は地理的制約がなく自衛隊が世界中で活動できる。しかし詳細な情報を公開せず、国会も十分関与できない。これでは自衛隊を統制できない。
 当時の安倍晋三首相は国会と国民に説明責任を果たすと語ったはずだ。「抑止力」を名目にした自衛権が際限なく広がれば、国民が知らないうちに戦争に巻き込まれる可能性がある。
 国民に重要な情報を開示しない中で各国軍隊との訓練が日常化すれば、沖縄を拠点とする米軍の活動もさらに激しくなる。沖縄は現状でも過重な負担を強いられている。最近では米軍の低空飛行や物資つり下げなど危険な訓練も常態化する。自衛隊の先島配備も着々と進みつつある。
 法そのものの問題も多いが、成立過程で残した立憲主義や法治主義の否定は現在にもつながる。集団的自衛権行使を違憲とする専門家の声に耳を傾けず、政権の意に沿う人物を登用し「法の番人」である内閣法制局の見解さえも変えてしまった。
 安倍前政権が残した負の遺産は、政権に異議を唱える学者を排除するという点で、現政権の日本学術会議任命拒否問題とつながっている。
 法的安定性を損ない、違憲とする国民からの疑念も絶えない安保法制は、本当に必要なのか。現状では隣国との摩擦の種にしかならない。
 政府は、違憲との指摘がある安保法制を根幹から見直すべきだ。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2021年03月29日  06:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【金口木舌】:古賀氏の背中から学ぶこと

2021-04-02 05:01:10 | 【訃報・告別式・通夜・お別れの会・病死・事故死・災害死・被害による死他】

【金口木舌】:古賀氏の背中から学ぶこと

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【金口木舌】:古賀氏の背中から学ぶこと

 1991年11月に県総合運動公園で催された日本体育大学研究発表会。スポットライトを浴び、威風堂々としたたたずまいで登場したのは柔道家の古賀稔彦氏

 ▼重量級の選手たちを切れ味の鋭い背負い投げで畳にたたきつける。前年の全日本選手権で中量級でありながら決勝まで進んだ「平成の三四郎」は会場をのみ込んだ
 ▼古賀氏が53歳の若さで亡くなった。左膝を負傷しながら金メダルを獲得した92年のバルセロナ五輪の伝説は永遠に語り継がれるだろう
 ▼一流の選手が一流の指導者になるとは限らないが、古賀氏は五輪金メダリストも育て上げた。東建コーポレーションの「柔道チャンネル」のウェブサイトに掲載されているインタビューで古賀氏は「主役はあくまで選手ですから、選手をその日までにできる限り最高の状況・状態にしてあげられるかどうかが、指導・サポートしている自分の役目」と語っている
 ▼全国的に問題になっていた部活動での「指導死」が県内でも明らかになった。スポーツを楽しむことは脇に置かれ、勝利至上主義に傾倒するあまり威圧的な指導が常態化していた
 ▼主宰する「古賀塾」では、勝つことだけでなく、それぞれの子が何を求めているかを見極め、声を掛けていたという古賀氏。その背中は強くて優しかった。不世出の柔道家でありながら、指導者像を示した古賀氏の功績は大きい。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【金口木舌】 2021年03月29日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説】:泡消火剤説明一転 空自の危機管理に疑問

2021-04-02 05:01:05 | 【防衛省・自衛隊・防衛費、大綱・沖縄防衛局・軍需産業・Jアラート・シェルター】

【社説】:泡消火剤説明一転 空自の危機管理に疑問

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:泡消火剤説明一転 空自の危機管理に疑問

 今年2月に航空自衛隊那覇基地から泡消火剤が流出した問題で、同基地はこれまでの説明を覆し、消火剤に有害性が指摘される有機フッ素化合物の一種PFOS(ピーフォス)が含まれている可能性があると沖縄県に説明した。

 空自は当初、PFOSは含まれていないと説明していた。しかし、本紙と研究者の調査で民間地に飛んだ泡からPFOSが検出された。その後、防衛省は改めて分析調査をすると表明していた。
 空自の危機管理に問題があったことは明らかだ。初期段階でなぜ「毒性はない」と断言できたのか。なぜ周辺住民に真っ先に説明しなかったのか。いまだに県に説明するだけで周辺住民への説明責任を果たしていない。少なくとも汚染された可能性のある土壌は早急に除去すべきだ。
 泡消火剤の流出について、空自は当初、事故直後に泡が飛んだ保育園などを訪れて写真を撮影したが、泡は回収していない。にもかかわらず、PFOSの含有を否定し「毒性や損傷性はほとんどない」と県に説明した。
 しかし、本紙記者が直後に民間地に飛んだ泡を採取し、京都大の原田浩二准教授(環境衛生学)が分析したところ、PFOSが検出された。原田氏によると、昨年4月に米軍普天間飛行場から流出した際に泡から検出されたPFOSと同程度の環境影響がある値だった。
 空自が県に説明したところによると、タンク内の泡消火剤をPFOS含有のものから非含有のものに入れ替える作業後、圧力をかけた際にバルブが破裂した。「PFOSが含まれる消火薬剤が配管に残っていた可能性も否定できない」としている。しかし、調査が流出から2週間後だったため泡自体は採取できず、流れ込んだ水路の水や海水などの採取にとどまっている。もはや正確な影響調査には限界があるだろう。
 有機フッ素化合物は自然環境中では、ほとんど分解されない。このため「永遠の化学物質」とも呼ばれ、人や動物の体内に長く残留する。発がん性のほか、出生時の体重に影響が生じる可能性が指摘される。中でも、毒性が強いなどのリスクがあるのが泡消火剤に含まれるPFOSだ。
 危機管理に関し「プロアクティブの原則」がある。疑わしいときは行動せよ、最悪事態を想定して行動せよという内容だ。
 空自は、少なくともバルブが破裂した時点で、PFOS拡散の可能性を疑い、情報を公表すべきだった。泡が飛散した場所には保育園や住宅がある。最悪を想定し、なぜ県民に接触や吸引の回避を呼び掛けなかったのか。米軍によるPFOS流出が県内で深刻な環境問題になっていることも承知していたはずだ。
 空自は有害性のある物質が流出・飛散した際の対応と再発防止策を県民に明らかにしなければならない。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2021年03月28日  06:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【金口木舌】:「空港通り」の夢

2021-04-02 05:01:00 | 【米国・在日米軍・地位協定、犯罪・普天間移設・オスプレー・安保】

【金口木舌】:「空港通り」の夢

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【金口木舌】:「空港通り」の夢 

 米軍嘉手納基地の第2ゲートから国道330号に向かって、コザゲート通りに飲食店やライブハウスなどが並ぶ。胡屋十字路には著名なミュージシャンも公演するコザ・ミュージックタウンもある。この通りはかつて「空港通り」が正式名称だった

 ▼復帰後、嘉手納基地がいずれは返還されて民間空港になることに期待を込め、地域で親しまれた「ゲート通り」から改称したという。返還されなくても「軍民共用が実現するのでは」との思いも込められていた
 ▼しかし復帰から30年以上を経ても返還は実現しない。「空港通り」は地元でも定着せず、通り会は2005年に名称をコザゲート通りに戻した
 ▼沖縄国際大学の友知政樹教授の試算によると、嘉手納基地が返還された場合の県経済への直接的な効果は1兆4600億円だという。市街地にも隣接した平らで広大な空間が返ってくれば、さまざまな使い道があるはずだ
 ▼第3次嘉手納爆音訴訟の判決が確定した。最高裁は米軍機の飛行差し止めを認めず、将来分の損害賠償も退けた。原告は「人権を受け止めていない」と裁判所や被告の国を批判する
 ▼基地がある限り人権侵害は続く。那覇新都心地区、北中城村ライカムなどの変貌を返還前に予想できた人は少ないだろう。嘉手納基地返還は困難かもしれないが、日米両政府が決断すれば不可能ではないはずだ。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【金口木舌】 2021年03月28日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【主張】:土地調査規制法案 ■国民監視と人権侵害許されぬ

2021-04-02 04:15:55 | 【経済安全保障・戦略物資の供給網強化、基幹インフラの安全確保、先端技術開発他】

【主張】:土地調査規制法案 ■国民監視と人権侵害許されぬ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【主張】:土地調査規制法案 ■国民監視と人権侵害許されぬ 

 菅義偉政権は、米軍や自衛隊の基地周辺などの土地・建物の所有者らを調査し、その利用を規制する「重要土地等調査規制法案」を閣議決定し、国会に提出しています。法案は、政府に基地周辺住民の個人情報を収集する権限を与え、思想調査も可能にしかねません。米軍基地が集中する沖縄では「新たな治安維持法と言うべき危険な法律だ」(琉球新報3月27日付)と厳しい批判が上がっています。

 ■反対運動抑え込み

 法案は、米軍や自衛隊の基地、海上保安庁の施設、原子力発電所などの「重要施設」と国境にある離島について、それぞれが果たしている機能が阻害される事態を防ぐのが目的とされています。

 法案によると、内閣総理大臣は、「重要施設」の周囲おおむね1キロと国境の離島を「注視区域」、これらのうち司令部を置く基地など特に重要とみなすものを「特別注視区域」に指定します。その上で、これら区域内にある土地・建物の所有者や賃借人などの情報を集め、必要なら利用状況に関する報告を求めることもできます。

 政府は、調査事項は「氏名、住所、国籍等」と「利用状況」、調査方法は「現地・現況調査」、「不動産登記簿や住民基本台帳等の公簿収集」などと説明していますが、それらに限られる保証はありません。思想信条や所属団体、職歴、家族・交友関係、海外渡航歴などが調べられ、憲法が保障するプライバシー権や思想・良心の自由が侵害される恐れがあります。

 法案は「個人情報の保護に十分配慮」するとしていますが、努力規定にすぎず、恣意(しい)的運用に対する歯止めにはなりません。

 調査の実施機関についても限定がなく、公安調査庁や警察、自衛隊が行うことも可能です。基地や原発に反対する住民の監視、反対運動の抑え込みにつながる危険もあります。前出の琉球新報は「国に調査されるかもしれないというだけで、政府への批判的な言動を萎縮させ、施設から起きる騒音や環境汚染に抗議することをためらう空気を生むだろう」と指摘しています。

 調査の結果、「重要施設」や国境の離島の「機能を阻害する行為」やその「明らかなおそれ」がある場合、内閣総理大臣は利用中止の勧告・命令を行うことができます。命令に応じなければ2年以下の懲役、200万円以下の罰金が科されます。「特別注視区域」では、一定面積以上の売買について、氏名、住所、国籍、利用目的などの事前の届け出が義務付けられます。個人の財産権、経済活動の制約にもなります。

 ■徹底審議で廃案に

 自民党はこれまで、自衛隊や米軍の基地周辺の土地が外国資本に買い占められると、安全保障上問題があると主張してきました。

 しかし、防衛省は全国約650の「防衛施設」に隣接する土地を調査した結果、「現時点で、防衛施設周辺の土地の所有によって自衛隊の運用等に支障が起きているということは確認をされていない」(2020年2月25日、衆院予算委員会第8分科会、山本ともひろ防衛副大臣=当時)としていました。法案の必要性を裏付ける根拠はありません。

 国民監視を強化し、基本的人権を踏みにじる法案は、徹底審議で廃案にする必要があります。

 元稿:しんぶん赤旗 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【主張】 2021年04月02日  04:15:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【きょうの潮流】:ひらひらと舞い散る花びら。桜並木の道に薄紅のじゅうたんができていました。

2021-04-02 04:15:50 | 【感染症(1類~5類)・新型コロナ・エボラ・食中毒・鳥インフル・豚コレラ】

【きょうの潮流】:ひらひらと舞い散る花びら。桜並木の道に薄紅のじゅうたんができていました。

『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【きょうの潮流】:ひらひらと舞い散る花びら。桜並木の道に薄紅のじゅうたんができていました。

 そこに新たな一歩をふみだす4月です▼胸の内にあるのは希望だけではないでしょう。コロナ禍でうず巻く不安も。ある大学の調べでは8割もの人が何らかのストレスを感じていることがわかりました。脅かされる心の平穏はあらゆる年代に及んでいます▼災害後の心の動きには四つの周期があるそうです。発生直後の茫然(ぼうぜん)自失期、連帯して助けあうハネムーン期、抑うつや喪失感がひろがる幻滅期、復旧が進んで新生活への意欲が生まれる再建期です。ただし、復興から取り残された人との二極化も▼今回の感染拡大を「災害」ととらえ、つみ重ねてきた知見を心のケアに生かそう。精神医学の専門家たちが呼びかけています。いまは長く苦しい幻滅期に当たるとして、がんばってもダメだったという経験をくり返すと、人はがんばること自体をあきらめ、投げやりや無気力が生じると▼きのう大阪、兵庫、宮城にまん延防止措置の適用が決まりました。緊急事態宣言が解かれた東京でもそれ以降最多の感染数に。次の波を抑え込む対策を急いで打つべきときなのに、政府から伝わるのはたるんだ姿ばかりです▼心の健康には睡眠や食事、運動などで生活リズムを整えるとともに、他者とのつながりを保つことが大切だと専門家は指摘します。励ましあい支えあう。国や自治体による支援の基本も、一人ひとりに寄り添うこと。そんな社会をつくる新たな一歩としたい。

 元稿:しんぶん赤旗 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【きょうの潮流】 2021年04月02日  04:15:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【主張】:コロナ禍と税制 ■不公平をただす道に踏み出せ

2021-04-02 04:15:45 | 【金融・金融庁・日銀・株式・為替・投資・投機・FRB・「ドル円」・マーケット】

【主張】:コロナ禍と税制 ■不公平をただす道に踏み出せ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【主張】:コロナ禍と税制 ■不公平をただす道に踏み出せ 

 コロナ危機に対応するための国の財源として大企業や富裕層に応分の負担を求める動きが各国で広がりつつあります。国民、中小企業の負担を減らすため消費税にあたる税金を軽減した国・地域は50以上に上ります。日本も不公平税制の改革に踏み出すべきです。

 ■大企業優遇に歯止めも

 欧米諸国や日本は1980年代以降、法人税率を競って下げ続けました。経済協力開発機構(OECD)加盟国平均の法人税率は81年の48%から2020年には23%へ大幅に下がりました。「有害な税引き下げ競争」といわれたこの流れに変化が見られます。

 英国政府は現行19%の大企業の法人税率を50年ぶりに引き上げ、23年4月から25%に増税することを決めました。中小企業の税率は据え置きます。コロナ対策の財源を確保するための政策転換です。昨年から行っている宿泊・飲食業を対象にした付加価値税(消費税)減税は9月末まで延長します。

 米国のイエレン財務長官は議会証言で、コロナ危機から経済を回復させるインフラ投資の財源として法人税の増税が考えられると述べました。中小企業や国民の負担は増やさないといいます。

 20カ国・地域(G20)は法人税率の世界的引き下げ競争に歯止めをかけ、多国籍企業に課税する国際ルールを7月までに合意する予定です。

 大企業、富裕層への行き過ぎた減税が貧富の格差を広げ、社会保障や医療の財源を損なったことでパンデミックに弱い社会になっていたとの批判、反省が各国政府や国際機関を動かしています。

 昨年の米大統領選挙では富裕層への課税強化を求める市民の主張が影響力を発揮しました。世界の富豪90人以上が「私たちに課税せよ」と呼びかけたことも国際的に共感を呼びました。

 税のゆがみを正すことは日本でも喫緊の課題です。日本の税制は、所得の低い人ほど負担が大きい消費税への依存を深めています。消費税が1989年4月1日に導入されてからの32年間は、国民の負担を増やし、大企業、富裕層を優遇する格差拡大の歩みでした。

 消費税率が3回の増税によって当初の3%から10%に引き上げられる一方、国税と地方税を合わせた法人税率は89年度の51%から2020年度には29・74%まで引き下げられました。所得税の最高税率も下げられました。

 消費税の税収は導入以来21年度(予算額)までの累計で447兆円に上ります。その間、1989年度比で法人税収は累計326兆円減り、所得税・住民税の減収は累計287兆円でした。消費税の税収が法人税と所得税・住民税の減収の穴埋めに消えたことになります。消費税が社会保障財源だという菅義偉首相の言い分は国民をあざむくものです。

 ■「消費税5%」を緊急に

 消費税率を緊急に5%に引き下げることはコロナ危機で最も苦しんでいる低所得者への効果的な支援です。同時に、大企業や富裕層への優遇税制を見直し、応分の負担を求めることは、税によって所得を再配分し、経済の持続可能な成長を図る上で不可欠な仕組みです。格差拡大に歯止めをかけ、不公正を正してパンデミックに強い社会を築くためにも避けて通れない課題です。

 元稿:しんぶん赤旗 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【主張】 2021年04月01日  04:15:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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