【東京都】:「居酒屋が酒出せないなんて」「ネオン消灯、効果あるの?」…3回目の緊急事態宣言、飲食店関係者の悲鳴と混乱
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【東京都】:「居酒屋が酒出せないなんて」「ネオン消灯、効果あるの?」…3回目の緊急事態宣言、飲食店関係者の悲鳴と混乱
4都府県への緊急事態宣言の発令が決まった23日、東京都の小池百合子知事は従来より強い対策が必要だと呼び掛けた。酒の注文を断る居酒屋、看板を暗くして営業するコンビニエンスストア。25日からの3度目の宣言では、こんな光景が現実となるのか。「ネオン街が本当に感染源なのか」「補償が遅い」。さまざまな業種に困惑の声が広がっている。
客の姿もなく閑散とした東京・新橋の飲食店=23日夜、新橋で
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「うちは店名に酒という字が付くぐらい、お酒と食事を楽しむお客さんが多い。お酒を出せないなんて、そんな寂しいことがあっていいのか」。東京・新橋の居酒屋「有薫酒蔵」のおかみ、松永洋子さん(76)は肩を落とす。
昨春から休業・時短要請に全て従い、今も午後8時に閉店する。約100席の店なのに客が1日10人も来ない日も増えた。開店以来、43年間で今年初めて、来客ゼロの日が4回もあったという。「要請に従っていれば、いつか状況は良くなると信じてやってきたのに。何のために1年間、頑張ってきたのか」と嘆いた。
東京への宣言に合わせ、神奈川、埼玉、千葉の3県でも酒類の提供自粛が要請される見通しだ。1月に開店したばかりの横浜市中区のダイニングバー「テーブル」の店長、関野美佐子さん(63)は「食事だけなら完全に赤字。休業するしかないかも」と嘆く。開店時の蓄えが尽きつつあるが、これまでの時短営業に対する協力金もまだ届いていない。「手厚く、早く、補償がないとつぶれてしまう」
都内の百貨店は困惑を隠さない。「どの売り場まで営業していいのかはっきりせず、現場は混乱している」。日本百貨店協会は、緊急事態宣言下でも休業要請しないよう21日に都に要望したが、見向きもされなかった形だ。
従業員は「仕入れや勤務体制など考えるべきことは多いのに、都は具体的な内容を公表するのが遅い。昨年の初めての宣言時も詳細がなかなか伝わらず混乱したが、1年たっても同じ」と怒りをにじませた。
今回の感染対策には、午後8時以降のネオンなどの消灯が要請された。深夜営業するコンビニチェーン関係者は「コンビニの看板が全部消えるなんて現実感が湧いてこない」と苦笑交じりに話した。
都内のある歓楽街の関係者は「消したところで効果はあるのか」と疑問を呈す。今も街にはネオンがついているが「夜の街や飲食店が本当に感染源なのか。(消灯を求めるなら)都には具体的な数値を示してほしい」と話した。(奥野斐、梅野光春、米田怜央)
元稿:東京新聞社 主要ニュース 社会 【話題・地方自治・東京都・新型コロナウイルスの感染拡大に伴う施策・3度目となる緊急事態宣言】 2021年04月23日 22:24:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。