路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【政界地獄耳】:感染増の原因は都議選?/07.09

2021-07-13 07:59:30 | 【感染症(1類~5類)・新型コロナ・エボラ・食中毒・鳥インフル・豚コレラ】

【政界地獄耳】:感染増の原因は都議選?/07.09

『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳】:感染増の原因は都議選?/07.09 

 ★なぜ東京の新規感染者数は7日に920人になったのか。飲食店が悪いのではない。熾烈(しれつ)な戦いを繰り広げた都議会選挙せいではないのか。各党、すべてとは言わないが、多くの集会が開かれ、随分と“”な会合もあったようだ。候補者は会場がいっぱいにならないと不安になる。密にならないように広い会場を押さえるとガラガラで閑散としている印象を与えるために小ぶりの会場に押し込むと結局、密になる。つまり当初から懸念されていたように東京の五輪開催直前の新規感染者増は都議会議員選挙候補者なりふり構わぬ選挙戦にあったのではないか。

 ★7日夜、都知事・小池百合子は宣言発令について、「感染者数の上昇が続いており、必要な段階だ」と発言。政府はコロナの感染拡大が続く東京について、4度目の「緊急事態宣言」を来月22日まで発令することを決めた。「つまり五輪最中は『家の中にいてくれ』ということだろう。だが都議選をやったように自分たちの衆院選挙問題ないので予定通りにやりますよというのだろうか」(霞が関官僚)。国民から見れば、随分と身勝手だろう。

 ★そうなるとワクチン接種が広がり五輪さえ開催すれば成功とみなし、支持率は上昇、衆院選挙は勝利、首相・菅義偉続投はすんなり決定という首相もくろみ根底から崩れる。既に連立政権を組む公明党代表・山口那津男からは「自民党総裁選を行ってから衆院選に臨むことが『望ましい』」と異例内政干渉発言が飛び出し、自民党内で波紋を広げている。「当然、菅降ろしののろしが上がったとみるのが順当見方」(自民党中堅議員)。ただ、首相もしたたかに立ち回るし、党幹事長・二階俊博や、前首相・安倍晋三、副総理兼財務相・麻生太郎、税制調査会長・甘利明3Aもどう立ち回るか。安倍政権時代からの自民党政治責任取り方焦点になるか。(K)※敬称略

 ◆政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2021年07月09日  09:23:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【政界地獄耳】:麻生発言はゴルゴ13のおかげ?/07.08

2021-07-13 07:59:20 | 【中国・共産党・香港・一国二制度・台湾・一帯一路、国家の個人等の権利を抑圧統治】

【政界地獄耳】:麻生発言はゴルゴ13のおかげ?/07.08

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳】:麻生発言はゴルゴ13のおかげ?/07.08

 ★5日、副総理兼財務相・麻生太郎は講演で「(台湾で)大きな問題が起きると、存立危機事態に関係してきても全くおかしくない。そうなると、日米で一緒に台湾を防衛しなければいけない」と発言。中国が台湾に侵攻した場合、安全保障関連法が定める「存立危機事態」に認定し、限定的な集団的自衛権を行使することもあり得るとの認識を示した。この発言の目的や、タイミングについては極めて政治的な観測気球といえるが、麻生は昔から、意図的に刺激的な発言で国民を含め内外に可能性を示す発言が多い。

麻生太郎財務相
  麻生太郎財務相

 ★例えば核武装論だ。今でも国民は核に対して強い恐怖と不安を持っているが、麻生はそこを刺激する。05年、外相時代にチェイニー米副大統領らに「北朝鮮がこのまま核開発を進めていくなら、日本でも核武装しなければならない」と発言。18年5月30日には自民党議員のパーティーで「何もなかったリビアはどうなったか。ご存じのように、爆撃を食らって終わった。そういう意味では『やっぱり俺のところは、核で武装する以外、手がない』と思う北朝鮮の感覚の方が、少なくとも戦略外交とかいうことを言う時は正しいですよ」と本音挑発を交えた議論を前に進める時のきっかけづくりが上手議員といえる。これも「ゴルゴ13」を読んできたおかげか。

 ★ところが副総理、それも外相歴任の元総理の発言だ。6日、中国外務省の趙立堅副報道局長は「台湾問題への手出しを断じて許さない。中国人民が国家主権を守る固い決心や意志、強大な能力を見くびってはならない」と「強烈な不満と断固たる反対」を表明した。麻生は役割を演じているというかもしれないが、政治家の仕事は外交を尽くし、戦争を回避させるためにあらゆることに努力することにある。その役割国民麻生与えていない。(K)※敬称略

 ◆政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2021年07月08日  04:16:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【政界地獄耳】:都民ファースト木下の事故を小池都知事はいつ知ったか/07.07

2021-07-13 07:59:10 | 【政党・自民・立憲・維新の会・公明・国民民主・共産・社民・れいわ・地域政党他】

【政界地獄耳】:都民ファースト木下の事故を小池都知事はいつ知ったか/07.07

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳】:都民ファースト木下の事故を小池都知事はいつ知ったか/07.07 

 ★4日投開票された東京都議選で板橋区選挙区で2万9767票を獲得し、3位で再選を果たした都民ファーストの会東京都議団副政調会長・木下富美子が今月2日午前7時ごろ、板橋区高島平の交差点で車をバックさせた際、後ろで停車していた車に衝突。乗っていた2人にけがを負わせたが、免許停止処分を受けている最中だった。警視庁は自動車運転死傷行為処罰法違反(過失運転致傷)と道路交通法違反(無免許運転)容疑で調べている。

 【独自】都民ファ・木下ふみこ都議が衝突事故 無免許か

 ★都民ファーストの会は「本人から事情を聴取した。無免許状態での運転は明確な法律違反であり、公人としてあるまじき行為。事故発生から数日たって初めて報告され、党として看過できない」と木下除名した。木下は「事故を起こしたのは事実。2月ごろに免許停止になったが、事故当日は停止期間が終わったと勘違いをしていた。公人でありながら本当に申し訳ない」と苦しい言い訳。免許証が戻ってこないのに勘違いなどない。6日、板橋区役所で開かれた当選証書付与式を木下欠席した。

小池百合子氏は何を考えているのか…(写真/共同通信社)

     小池百合子氏は国政復帰となるか…(写真/共同通信社)

 

 ★これだけなら都民ファーストも被害者、木下の個人の問題だが、政界では2日の事件を都知事・小池百合子いつ知ったかという問題大きな話題になっている。警視庁は東京都の警察。つまりそのトップは都知事になる。常識から言えばSPを通じて都知事の耳には2日に事件の概要は入っているはずだ。そうなれば都知事は事件を知っていて有権者にその情報を伝えず、選挙の投票行動に影響を与えた可能性がある。一方、警視庁が都知事に伝えず選挙後、都知事が知ったとしたらそちらも問題だ。この事件を有権者が選挙中に知っていれば木下への評価を変えた可能性があるからだ。そうなれば、ほかの候補者にも影響がでる。この件は簡単には幕引きとはいかないかもしれない。(K)※敬称略

 ◆政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2021年07月07日  07:32:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【政界地獄耳】:小池都知事に自民復党のえさ? その器量が自民にあるか/07.06

2021-07-13 07:59:00 | 【政党・自民・立憲・維新の会・公明・国民民主・共産・社民・れいわ・地域政党他】

【政界地獄耳】:小池都知事に自民復党のえさ? その器量が自民にあるか/07.06

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳】:小池都知事に自民復党のえさ? その器量が自民にあるか/07.06 

 ★都議会議員選挙では第1党に返り咲いたものの、自民党、公明党には厳しい結果となった。自民党本部の選対委員長・山口泰明は「残念ながら自民、公明両党で過半数割れが確実になったことは、どこが足らなかったかを精査し、来るべき衆院選に臨んでいかないといけない」と驚きを隠せない。都知事・小池百合子の恐るべきパワーを再認識したのみならずこれから2カ月間開かれる東京オリンピック(五輪)・パラリンピックの是非だけでここまで都民がはっきりした態度を示し、4年間の議席が確定することに選挙の怖さを知ったことだろう。

 ★「山口は衆院選挙を戦わず引退するのだからいいが、自公はこれから難しい選択を強いられるだろう。まずは衆院選挙を首相・菅義偉で戦えるのかが問われる」(自民党中堅議員)「衆院だけではない。来年の参院選挙のことを考えると、党はいろいろ覚悟が必要だろう」(自民党参院議員)と一様に地方選挙の結果とは受け止めていない。「その見方は単純すぎる。都議選告示日に副総理兼財務相・麻生太郎が、過労で入院した小池に対して『自分でまいたタネでしょう』と発言。前首相・安倍晋三も『歴史認識などで一部から反日的ではないかと批判されている人たちが、今回の開催に強く反対している』といずれも選挙中に言う必要のない発言で足を引っ張った。首相だけの問題ではない」(自民党ベテラン議員)。

 ★冷静に五輪の延期や中止を求めた都民に感情をあらわにする政治家の発言がプラスに働くはずはない。ただ自民党はこの劣勢の時に知恵が働く。「都議会では第1党自民党をどう使うかが問われるだろう。だが、国政復帰を狙う小池を敵に回すのなら自民党復党えさをまくのが最善」(前出自民党ベテラン議員)というが、そこまで自民党があるか。(K)※敬称略

 ◆政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2021年07月06日  07:56:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①】:西村大臣発言 露呈した政権の傲慢さ

2021-07-13 07:30:50 | 【感染症(1類~5類)・新型コロナ・エボラ・食中毒・鳥インフル・豚コレラ】

【社説①】:西村大臣発言 露呈した政権の傲慢さ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:西村大臣発言 露呈した政権の傲慢さ 

 西村康稔経済再生担当相=写真=の飲食店への酒類提供をめぐる発言が波紋を広げている。取引金融機関を通じた事実上の取り締まりで法的根拠は皆無だ。発言を撤回したとはいえ、底流にある政権の傲慢(ごうまん)な姿勢を見過ごすことはできない。
 西村氏は八日の会見で酒類の提供停止に応じない飲食店対策として「金融機関から働きかけを行ってもらいたい」と述べた。
 金融機関が働きかければ飲食店側は「言うことを聞かなければ融資が打ち切られる」と考えるのは自然だ。実際に働きかければ金融機関側にも独占禁止法で定める優越的地位の乱用に抵触する恐れが生じる。
 各金融機関から「われわれは警察ではない」といった批判が出るのは当然だ。
 菅義偉首相はその翌日、発言について「承知していない」と述べた。責任を回避したのか、重要閣僚の発言を把握していなかったのか、そのいずれでも政府のコロナ対策の迷走ぶりには目を覆う。
 政府は酒類販売業者の組合にも「飲食店が要請に応じない場合、取引を停止するようお願いする」といった内容の文書を出した。これも法的根拠に乏しく、西村氏を含め政府全体が経済取引の原則を認知していないと疑わざるを得ない。
 政府の姿勢の背景には東京オリンピック・パラリンピック開催があるのだろう。開催直前の感染増加にいら立ち、その責任を飲食店ばかりに押しつけているとすれば到底看過できない。
 多くの飲食店の経営は限界に達している。休業要請や酒類の提供停止で売り上げが激減する中、税や家賃の支払いは重い負担だ。
 しかし休業支援のための協力金支給は遅れが目立ち、取引先も含め廃業に追い込まれるケースが激増している。業界には立場の弱い非正規労働者も多く、雇用環境の悪化も非常に深刻だ。
 政府は飲食店に負担を強いる前に支援強化のための具体的メニューを示し、実行すべきだ。飲食店は都市の活況を支える「街の灯」であり、その灯を消すことは許されない。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2021年07月13日  07:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②】:香港・台湾の危機 中国の不当な圧力だ

2021-07-13 07:30:40 | 【中国・共産党・香港・一国二制度・台湾・一帯一路、国家の個人等の権利を抑圧統治】

【社説②】:香港・台湾の危機 中国の不当な圧力だ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:香港・台湾の危機 中国の不当な圧力だ 

 中国によって、香港と台湾の公的交流が断絶の危機にひんしている。台湾に「一つの中国」を認めさせようと、中国が香港政府を通じて圧力をかけた形だが、不当な干渉というほかない。
 事実上、中国の“傀儡(かいらい)”化した香港政府は五月、台北に置く交流窓口機関「香港経済貿易文化弁事処」の業務を突然停止した。「(台湾側が)暴力的なデモ隊や犯罪分子を支援している」ためとしたが、中国の意を受けた行為であるのは明らかだ。
 さらに、香港政府は六月、台湾の香港出先機関である「台北経済文化弁事処」の職員七人に、ビザ更新の条件として「一つの中国」を支持する誓約書への署名を求めた。七人はこれに応じず、台湾に戻った。最後に残った一人も七月末にビザの期限が切れるため、窓口機関を通じた香港と台湾の公的交流は途絶える可能性が高い。
 台湾の蔡英文政権は「一つの中国」を認めず、中台関係の「現状維持」政策を堅持している。香港政府がそれを承知で、十年間にわたり続いている窓口交流について、台湾側がのめるはずもない条件をいきなり持ち出したのは、政治的な追放と同じである。
 二〇一四年に香港の学生は、中国への過度な経済依存に反対した台湾のひまわり学生運動を支援した。同年秋には台湾の学生が香港行政長官選の民主化を求めた雨傘運動を応援した。香港と台湾は第二次大戦後、教育やインフラ整備に積極投資して市場経済を発展させ、シンガポール、韓国を含め「アジア四小竜」と称賛された。
 民主的な価値観を共有し、人的往来も活発なだけに、中国は共産党統治の徹底を図る香港に台湾がこれ以上関与し、連携を強めることが目障りなのだろう。
 中国の習近平国家主席は一日の共産党創建百年式典で「台湾統一は歴史的任務」と演説した。国際公約であったはずの香港の「高度な自治」を葬り去った中国は、台湾統一へと歩を進める野心を隠さない。だが、台湾統一に向け中国が訴えてきた「一国二制度」が香港で画餅に帰したことを国際社会は目の当たりにした。
 昨年、香港を脱出し海外移住した人は五万人近い。中国は、民主主義の弾圧こそが国際都市香港の価値を傷つけたと認識し、反省すべきである。同時に、台湾の民心を遠ざけたことも疑いない。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2021年07月13日  07:29:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【筆洗】:終戦直後のお正月の料理について俳優の森繁久弥さんが書いてい…

2021-07-13 07:30:30 | 【生物学・特定外来生物法・動物生態系・終生飼養・環境税・花粉症】

【筆洗】:終戦直後のお正月の料理について俳優の森繁久弥さんが書いてい…

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【筆洗】:終戦直後のお正月の料理について俳優の森繁久弥さんが書いてい…

 終戦直後のお正月の料理について俳優の森繁久弥さんが書いていた。ミカン箱の膳の上には酒が一本、モチ、厚焼き卵、ミカンの入ったカンテン。そしてエビのフライ。食糧難の時代にも、夫人が用意した▼今のエビフライとは違う。材料は「裏の川で取ってきたザリガニ」。その時代は貴重なタンパク源としてアメリカザリガニをよく食べていたそうだ▼そのニュースを聞けば真っ赤なハサミを振り上げるか。環境省の専門家会議は生態系への影響が深刻としてアメリカザリガニを外来生物法に基づく特定外来生物に指定する方向で検討しているそうだ。正式に決まれば野外で繁殖させないよう規制も加えられる▼食用ガエルのエサとして米国のニューオーリンズからやって来たのは一九二七年。最初に放流されたのは二十匹程度だったそうだが、全国に急速に広がった。人が運び、放流した結果である▼在来種を脅かし、イネを傷つけるなど農作物にも被害を与えている。やっかいもの扱いされる理由はあるが、人に連れてこられ、物のない時代には食料となり、長く子どもの遊び相手にもなってきた日本のアメリカザリガニの歴史を思えば、少々気の毒なところもある▼<ザリガニの音のバケツの通りけり>山尾玉藻。外来種といえどこれだけ長く日本にいるとその赤いハサミも故郷の懐かしい風景の一部のように思えてならぬ。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【筆洗】  2021年07月13日  07:06:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【菅首相の一日】: 7月12日(月)

2021-07-13 07:30:20 | 【政策・閣議決定・予算・地方創生・能動的サイバー防御・優生訴訟・公権力の暴力】

【菅首相の一日】: 7月12日(月)

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【菅首相の一日】: 7月12日(月)

 【午前】7時57分、官邸。敷地内を散歩。8時53分、沖田芳樹内閣危機管理監、榊真一内閣府政策統括官、長谷川直之気象庁長官。9時56分、井上信治科学技術担当相、和泉洋人首相補佐官、田中茂明内閣府知的財産戦略推進事務局長。10時8分、井上科学技術担当相。

 【午後】0時22分、JR東京駅。1時14分、こだま725号でJR熱海駅。48分、静岡県熱海市伊豆山地区。川勝平太静岡県知事、斉藤栄熱海市長出迎え。土石流災害の現場を視察。2時42分、同市の熱海ニューフジヤホテル。避難所を視察。川勝静岡県知事、斉藤熱海市長と意見交換。3時43分、報道各社のインタビュー。58分、JR熱海駅。5時19分、こだま730号でJR東京駅。36分、官邸。6時28分、衆院第2議員会館。7時16分、東京・赤坂の衆院議員宿舎。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【政局・首相の一日】  2021年07月13日  07:28:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【菅首相の一日】: 7月11日(日)

2021-07-13 07:30:10 | 【政策・閣議決定・予算・地方創生・能動的サイバー防御・優生訴訟・公権力の暴力】

【菅首相の一日】: 7月11日(日)

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【菅首相の一日】: 7月11日(日)

 【午前】東京・赤坂の衆院議員宿舎で過ごす。

 【午後】1時27分、東京・虎ノ門のホテル「The Okura Tokyo」。同ホテル内の歯科「ミヤタデンタルオフィス」で治療。51分、公邸。2時29分、熊谷亮丸内閣官房参与。3時18分、沖田芳樹内閣危機管理監、長谷川直之気象庁長官。36分、吉田学新型コロナウイルス感染症対策推進室長、福島靖正厚生労働省医務技監。4時22分、東京・永田町のザ・キャピトルホテル東急。スパ&バーバー「カージュラジャ ティアド」で散髪。6時39分、東京・赤坂の衆院議員宿舎。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【政局・首相の一日】  2021年07月13日  07:28:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

 

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【社説】:国際課税ルール 合意てこに不均衡正せ

2021-07-13 06:01:50 | 【税制・納税・減税・年収「103万円の壁」・ふるさと納税・物納・脱税・競売】

【社説】:国際課税ルール 合意てこに不均衡正せ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:国際課税ルール 合意てこに不均衡正せ 

 20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が、経済協力開発機構(OECD)が主導する新たな国際課税ルールを承認した。巨大IT企業など多国籍企業の税逃れを防ぐ「デジタル課税」と、法人税の最低税率を「15%以上」とする最低法人税率の導入である。

 日米欧の先進7カ国(G7)はすでに首脳が承認しており、さらに中国やインドなど新興国も加わるG20の閣僚が合意したことは画期的である。国際的な税制改革の実現に向け、大きな前進であると言えよう。

 G20が声明で「歴史的な合意」としたように、国際課税ルールの「100年ぶりの大転換」である。背景には、世界経済の変化に、現在の税制が対応しきれなくなったことがある。世界139カ国・地域がOECDを事務局に、新しいルールをつくろうと、10年近く交渉を続けてきた。

 製造業を念頭に約100年前につくられた国際課税の原則では、その国に企業の工場や本社・支店といった事業拠点がなければ、課税できない制度となっている。そのため現状では、インターネットを通じて世界各国で事業を展開するアマゾンやグーグルといった米巨大IT企業が、どんなにその国の消費者から利益を得ていても、拠点がない国では課税できない。

 また各国は、国外企業を誘致するための法人税率の引き下げ競争で疲弊し、企業は法人税率が低い国を選んで子会社をつくるなどして税逃れをしてきた。

 合意では、サービスを展開している国や地域に、その企業の拠点があろうとなかろうと、その国や地域の消費者から利益を上げていれば、税金の一部を納めてもらう。格差拡大への対応策としても重要なことだろう。

 OECDの交渉に参加する関係各国は、2023年の導入を目指して法改正など具体的な手続きを進めるという。

 ただ各国の利害が衝突する問題だけに、実現にはさまざまなハードルがある。例えば、これまで低税率に頼って、多国籍企業を誘致してきた経済規模の小さな国にとっては、法人税率に下限を設けるルールは、厳しかろう。現にアイルランドやハンガリーなど法人税を低く抑えている国は賛否を留保している。

 しかし、IT企業はこうした低税率の国に利益を集め、課税逃れを図ってきたとされる。そんな抜け穴を放置するわけにはいくまい。国際社会は、同意を得られていない国の説得を急がねばなるまい。

 税率を低くしている国に配慮し、例外措置を要求する声も上がっているという。しかし例外を認めれば、抜け穴が増え、せっかく合意した制度が骨抜きになってしまう。厳格なルールづくりに努めるべきだ。

 一方で、先進国には特定の事業を対象に税率が15%を下回るような税制優遇があり、今回の合意はこうした優遇については触れていないため、批判の声もあるようだ。今後は各国の税制見直しなども必要になろう。

 富の偏在は、世界的な問題である。不公平な税制や、時代に合わない課税制度は、ますます富を偏らせ、格差を拡大する。最終的な実現は各国にかかっている。真に公平な税制となるよう、最終合意に向けて各国が努力を続けなければならない。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2021年07月13日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【天風録】:おしえてモネ

2021-07-13 06:01:40 | 【新聞社・報道・テレビ・ラジオ・NHKの功罪・マスコミ・雑誌・著作権】

【天風録】:おしえてモネ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【天風録】:おしえてモネ

 NHKの朝ドラ「おかえりモネ」が佳境に差し掛かった。きのうは百音に待望の知らせ。難関に挑むこと3度目、やっと届いた気象予報士試験の合格通知である。どんな予報のプロへと育つのか、今後の展開が楽しみだ▲経験を積んだ予報士でも梅雨末期の大雨、とりわけ線状降水帯の予測は厄介らしい。前線へと湿った空気が流れ込む。だが、積乱雲がどこで帯のように連なり、いつまで豪雨が続くのか、事前の見極めは困難だという▲きのうも中国地方では朝のうち、雲南市から庄原市にかけて県境をまたぐ豪雨に見舞われた。かと思えば昼すぎには、広島市内で雷鳴がとどろき、愛媛県にかけての所々で強い雨に。レーダー画像を見ると線状というより、まだら模様の雨雲だったが…▲積乱雲が同じ場所に連なって大雨をもたらす現象は知られていたが、線状降水帯の言葉が定着したのは7年前の広島土砂災害から。その発生を察知しようと現在、大気中の水蒸気量の計測が各地で鋭意進められている▲百音を気象の世界へと導いた先輩予報士が言う。「私たちが全力を尽くして提供するのは大切なものを守る時間」。荒ぶる雲よ、百音の奮闘に免じて静まっておくれ。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【天風録】  2021年07月13日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【菅首相】:「感染抑制」いつ実現 東京4度目緊急事態 「先手」強調、問われる実行力

2021-07-13 05:06:30 | 【感染症(1類~5類)・新型コロナ・エボラ・食中毒・鳥インフル・豚コレラ】

【菅首相】:「感染抑制」いつ実現 東京4度目緊急事態 「先手」強調、問われる実行力

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【菅首相】:「感染抑制」いつ実現 東京4度目緊急事態 「先手」強調、問われる実行力 

 政府は12日、東京都に4度目となる新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言を発令した。今年に入り、東京が宣言やまん延防止等重点措置の対象にならなかったのは28日間だけ。過去に何度も感染抑え込みを断言しながら、宣言延長や再発令に追い込まれた菅義偉首相は、今回も「先手先手」で感染拡大を防ぐと説明するが、有言実行となるかが問われている。

 

  • 「感染抑制」首相いつ実現 東京4度目緊急事態 「先手」強調、問われる実行力
 「夏休みやお盆で多くの人が移動する。再度、東京を起点とする感染拡大を起こすことは絶対に避けなければなりません」。首相は東京への宣言発令を決めた8日の記者会見でこう強調。「先手先手で予防的措置を講じる」と力を込めた。

 今年、東京では1月8日に昨年4~5月に続く2度目の宣言が出されて以降、宣言や重点措置の適用が繰り返されている。対象期間とならなかったのは、年明け7日間と3月22日~4月11日の間だけだ。

 首相は1月の宣言に際し「1カ月後には必ず事態を改善させる」と明言した。だが、2度の延長を経て解除したのは2カ月余り後の3月21日。その際も「再び宣言を出すことがないようにする」としつつ、4月に重点措置から宣言への「格上げ」を余儀なくされた。

 東京など4都府県への宣言を決めた4月23日の会見でも、ゴールデンウイークを含む「短期間での感染抑え込み」を掲げたが、変異株の猛威もあり延長、再延長に至った。いったん重点措置に移行した後、今回、宣言の解除からわずか3週間で元に戻る形となった。

 国民には「宣言慣れ」も広がり、対策の実効性は不透明だ。政府分科会の尾身茂会長が「市民への矛盾したメッセージになる」と警告したにもかかわらず、首相は東京五輪の有観客開催に固執。ちぐはぐな対応は政府への不信感を高めた。インド由来で感染力が強いとされる変異株「デルタ株」が道内も含め広がる中、首相が頼みの綱とするワクチン接種も、自治体への供給遅れなど不手際が目立つ。

 緊急事態宣言の発令は8月22日までの6週間。首相は8日の会見で「新型コロナとの戦いに終止符を打ち、安心できる日常を必ず取り戻すことができると信じている」と、願望交じりに語った。(竹中達哉)

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【新型コロナウイルスの感染拡大に伴う施策】  2021年07月13日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①】:西村担当相発言 責任転嫁の強圧姿勢だ

2021-07-13 05:05:55 | 【感染症(1類~5類)・新型コロナ・エボラ・食中毒・鳥インフル・豚コレラ】

【社説①】:西村担当相発言 責任転嫁の強圧姿勢だ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:西村担当相発言 責任転嫁の強圧姿勢だ 

 政府の責任を棚に上げて飲食店に責めを転嫁するのは筋違いだ。

 新型コロナ対策を担う西村康稔経済再生担当相が、東京都などへの緊急事態宣言の発令に合わせ、酒類の提供停止に応じない飲食店に強圧的な対応を打ち出した。

 一つは飲食店に取引金融機関から順守を働き掛けてもらうものだ。金融庁が全国銀行協会に文書を出す準備を進めていたが、与野党の反発で撤回に追い込まれた。

 もう一つは酒の卸業者などに対する取引停止の要請で、こちらは撤回せず、内閣官房と国税庁が業界団体に文書で通知した。

 国税庁などは規制官庁であり、要請も事実上の命令と受け取られよう。政府は間接的に影響力を行使する形だが、法的根拠はない。

 私権制限は最小限とするのが原則だ。憲法に基づく営業の自由に抵触しかねず、権力の乱用とも言うべき要請は撤回すべきである。

 飲食店が応じないのは、政府の支援が不十分なことが大きい。ワクチン接種の遅れや病床の未整備といった失態を顧みずに飲食店ばかりを標的にするなら、政府への反発は強まるだけで逆効果だ。

 お金を借りている飲食店にとって金融機関の意向は無視できず、立場は弱い。

 取引関係で強い立場にある金融機関を政府の要請で関与させる行為は、独占禁止法が禁じる「優越的地位の乱用」に当たる恐れがある。西村氏の発言が金融機関から懸念を持たれたのは当然だ。

 また、卸業者などを通じて飲食店に取引停止を要請することについても、業界から取引先との信頼関係を壊しかねないと反発する声が上がっている。

 飲食店だけでなく、卸業者も窮地に陥りかねない。

 緊急事態宣言は4度目となり、要請や命令に応じない飲食店が増えているのは事実である。順守している飲食店などからすれば不公平感もあるだろう。

 だが、支援の協力金の支給遅れや額の不十分さは改善されていない。政府は協力金の先渡しが可能となる仕組みを導入するとしたが、検討が始まったばかりだ。

 政府は、経営支援を強化しなければ飲食店の協力が得られないことを強く認識せねばなるまい。

 緊急事態宣言下での東京五輪開催などに関し、政府の国民に対する説明は足りない。政府・与党は野党が求める臨時国会召集に応じるべきだ。

 菅義偉首相は説明責任をしっかりと果たす必要がある。

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2021年07月13日  05:05:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②】:表現の不自由展 卑劣な脅し許されない

2021-07-13 05:05:50 | 【人権・生存権・同性婚・人種差別・アイヌ民族・被差別部落・ハンセン病患者】

【社説②】:表現の不自由展 卑劣な脅し許されない

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:表現の不自由展 卑劣な脅し許されない 

 名古屋、大阪、東京を巡回予定だった美術展「表現の不自由展・その後」で、皮切りとなった名古屋会場に届いた郵便物から爆裂音が発生し、開催が中止された。

 表現の自由への暴力による卑劣な脅しである。言論空間の萎縮も招き、断じて許されない。

 多様な表現の場を確保することが民主主義社会の基盤となる。行政はもとより、私たち市民の側も傍観することなく社会の一員として問題の重大性を考えたい。

 不自由展は、慰安婦を象徴する少女像や、昭和天皇の肖像を用いた創作物が燃える場面を含む映像作品などを展示していた。

 いずれも2年前の「あいちトリエンナーレ2019」に出品された。同展では抗議や脅迫が続き、展示が一時中止された。

 今回の巡回展の主催者は、表現の自由の重要性を再認識してもらう契機に、と企画したという。

 名古屋の事件で差出人や意図は不明だが、明白な妨害行為だ。

 作品は歴史認識を巡る価値観に触れ、賛否は分かれよう。

 だが批判は言論や表現で示すべきだ。危害を加えることなど決してあってはならない。

 愛知県警は威力業務妨害の疑いで捜査を始めた。厳正に進め、全容解明を急いでもらいたい。

 会場を管理する名古屋市は安全確保を理由に施設を休館し、展示は会期を残し中止された。警備強化を徹底することで展示を続ける道はなかったのだろうか。

 大阪でも、会場となった府の施設の指定管理者が安全確保のためとして使用許可を取り消した。

 これに対して大阪地裁は会場利用を認める決定を出した。展示について「憲法上の表現の自由の一環として保障されるべきだ」と指摘した。妥当な判断と言える。

 妨害があるからといって使用を拒めば、卑劣な行為を容認することにつながり、表現の自由そのものを損なうことになる。

 今回の判断は、トラブルを避け事なかれ主義に陥りがちな行政の姿勢に一石を投じたと言えよう。

 府側はきのう、決定を不服として大阪高裁に即時抗告した。表現活動の場を提供する重要な役割を踏まえた再考を促したい。

 民間のギャラリーで展示予定だった東京は既に延期が決まった。

 不自由展を巡る一連の動きは、自由な言論や表現を許さない社会の不寛容さを反映している。

 異論を圧殺した戦前・戦中の歴史を繰り返さないためにも、多様な価値を認める姿勢が重要だ。

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2021年07月13日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【卓上四季】:退廃芸術展

2021-07-13 05:05:45 | 【人権・生存権・同性婚・人種差別・アイヌ民族・被差別部落・ハンセン病患者】

【卓上四季】:退廃芸術展

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【卓上四季】:退廃芸術展

 ちょうど84年前の7月、ミュンヘンで開かれた退廃芸術展には、ドイツ国内で押収された絵画や彫刻数百点が展示された。退廃芸術とは近代美術に対してナチス政権が名付けた造語である▼ユダヤ的なものや共産主義的なものを嫌ったヒトラーは1933年(昭和8年)、政権を取るや文化統制を開始。ローマ芸術など伝統的文化を推奨する一方、意向に沿わぬ芸術家や学芸員、教師らを排除し、美術品の焼却の嵐が吹き荒れた(「ヒトラーと退廃芸術」河出書房新社)▼退廃芸術展は、近代美術に対する反感や嫌悪をあおる演出で人種差別や全体主義の浸透を図った点が特徴だ。主導した帝国造形美術院の総裁は「これらのがらくたを早く一掃しなければならない」と宣言したという▼芸術に対する弾圧が権力の暴走から始まるとは限らない。ヒトラーが支持されたのも、民衆のユダヤ人らへの反発が下地にあったことを忘れてはならないだろう▼名古屋市のギャラリーで郵便物を開封したところ、爆竹のようなものが破裂した。2019年の国際芸術祭で一時中止された企画展の作品を展示していた会場には中止を求める脅迫もあったという▼主義主張や思想信条が異なるのは自然なことであるが、違法行為や強制は許されない。考えが違うなら論を交わせばよい。暴力で表現を抑えつける土壌が生まれたとき、社会は往々にして道を誤るものだ。2021・7・13

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【卓上四季】  2021年07月13日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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