路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【社説】:東京五輪開幕 何のための大会、問い続けて

2021-07-23 16:01:30 | 【感染症(1類~5類)・新型コロナ・エボラ・食中毒・鳥インフル・豚コレラ】

【社説】:東京五輪開幕 何のための大会、問い続けて

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:東京五輪開幕 何のための大会、問い続けて

 新型コロナウイルス感染拡大のため1年延期されていた2度目の東京五輪が、きょう開幕する。

 1964(昭和39)年に行われた前回の開会式は、抜けるような青空の下で催された。国立競技場では8万人の観衆が94カ国、約6千人の選手団の行進に見入った。

 観覧した作家の舟橋聖一は本紙への寄稿で「この極彩色の、しかし思想的には無色の、美しい秩序に魅せられざるを得ない」と感動を込めて書いている。

 戦後復興と世界平和を象徴する祭典の幕開けは、当時の多くの国民に鮮やかな印象を残した。

 だが今回の五輪は、祝祭ムードや高揚感にはほど遠い。

 東京はコロナ感染の再拡大で緊急事態宣言下にある。感染力の強い変異株が広がり、新規感染者が2千人に迫る日が続いている。

 人出の抑制が求められる中、海外から数万人もの選手・関係者が集うことの危険性を、医療の専門家らは繰り返し指摘してきた。

 そうした警告を聞き流すかのように、政府や大会組織委員会は開催の「強行」に踏み切った。

 国民の命や健康と五輪をてんびんにかけたような危うい判断だ。

◆根拠なき「安全安心」

 感染が拡大すれば医療態勢が逼迫(ひっぱく)する恐れもある。大会が継続できなくなる可能性も絵空事とはいえない。8月8日の閉会式まで、薄氷を踏むような17日間である。

 開閉会式をはじめ競技のほとんどが無観客となる。声援も選手との交流もない。

「おもてなし」どころか、開催地の国民から切り離された「異形の五輪」である。

 何のため、誰のための五輪なのか。今回ほど、その意義を根底から問われている大会はなかろう。

 政府など主催側は感染対策の徹底を強調するが、事態は専門家の予測通りに深刻化しつつある。

 来日した選手や関係者からも陽性者が相次いでいる。選手らを隔離する「バブル方式」のほころびも次々と指摘されている。

 こうした現状に、国民の多くが不安を抱いている。とても五輪を祝福できる雰囲気ではない。

 だが、開催国トップの菅義偉首相は根拠もなく「安全安心な大会にする」と繰り返すばかりだ。五輪開催の理念や意義も、実効性ある感染対策も示してこなかった。

 そればかりか、20日の会合でワクチン接種に触れ、「長いトンネルにようやく出口が見え始めている」と述べた。感染状況への認識のずれにはあぜんとさせられる。

 五輪に懐疑的な雰囲気は、なお国民の間に広がったままだ。

 共同通信が今月17、18日に行った世論調査では、無観客開催を43%が評価した一方で、開催中止を求める声も31%に上った。

 五輪に反対する署名活動にも多くの支持が集まっている。

 コロナ流行の長期化で営業や移動の自粛を強いられ、国民の間に格差や不公平感が渦巻いている。

 五輪を別格扱いするような政府の姿勢に納得できない思いを抱く人がいるのも無理からぬことだ。

 そうした批判が、代表選手に出場辞退や開催反対を求めたり、有観客での競技を受け入れた自治体への抗議となって表れたりした。

 ◆憲章の精神かけ離れ

 五輪への賛否が感情的となり、国民が「分断」されているかのようだ。五輪スポンサーの大手企業トップらが開会式欠席を表明したのも、世論が割れる中で消費者の反発を考慮したためだろう。

 五輪憲章はオリンピック精神として「友情、連帯、相互理解」などを掲げている。開催国の状況がこうした精神とかけ離れてしまったことは残念だ。

 今大会の理念は、誘致段階から揺れ動いた。当初は東日本大震災からの「復興」を掲げ、安倍晋三首相(当時)は東京電力福島第1原発の汚染水を万全に管理できると大見えをきった。

 だが、事故処理も復興もなお途上にある。その後、五輪の趣旨は「コロナに打ち勝った証し」「世界の団結」に次々と変わった。

 被災地を尻目に、東京エリアの開発ばかりが目に付く。復興が誘致の踏み台にされたかのようだ。

 菅首相は6月の党首討論で、場違いにも64年東京五輪の思い出話を長々と語った。五輪を機に高速道路や新幹線が実現した時代への幻想を抱いているように思えた。

 今回、異論にも耳を貸さず「開催ありき」で突き進んできた背景にも、巨大イベントによる政権浮揚を図りたい狙いが透ける。

 ◆選手の純粋さに価値

 多くの国民は、こうした「政治の都合」を見抜いている。それが五輪への冷めた視線につながっていることを忘れてはならない。

 そんな中にあっても、出場するアスリートたちはベストを尽くしてほしい。観客の声援はなくても、鍛え抜かれた力による真剣勝負は多くの人を引きつけるだろう。

 64年五輪で、舟橋は「アマチュアスポーツの感激はひとえに邪悪のない無色鮮明なスポーツマンシップにある」とも指摘した。

 競技に臨む選手らの純粋さが高い評価を得られるなら、それこそが五輪本来の値打ちではないか。  

 大会のレガシー(遺産)が、インフラでも政治的成果でもないことを再認識させるに違いない。

 元稿:京都新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2021年07月23日  16:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【政界地獄耳】:連合はどこへ向かおうとしているのか/07.17

2021-07-23 08:58:10 | 【雇用・正規、非正規・パート・賃上げ・失業率・求人・労働組合・労働貴族の連合】

【政界地獄耳】:連合はどこへ向かおうとしているのか/07.17

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳】:連合はどこへ向かおうとしているのか/07.17 

 ★労働組合の仕事とは何か。なにより1人1人の力は弱くとも働く人たちが団結することで、労働者の権利を守るものだ。戦後の高度成長の中で働けば稼げる時代が来たものの、いわゆる福利厚生を含む、働く人たちが安全・安心に働くことができる基礎を作り、会社、経営者にそのルールや取り決めを理解させ、労使がきちんと物事を取り決めることが大切だった。安倍政権時代、「給料を安倍さんがあげてくれた」と信じている人がいたが、それはそれぞれの会社で労使が取り決めたことであって、前首相・安倍晋三あなた賃上げしたわけではない。

 ★1972年(昭47)に男女雇用機会均等法が施行、99年(平11)、男女共同参画社会基本法施行など、働き方や仕事上の差別などが起きないように国会は法律を整えてきたが、そこで役割を果たしたのが日本労働組合総連合会(連合)だ。89年に社会党系、民社党系、中立系といわれた各団体が糾合し、政策のすり合わせをしないまま合流したが、社会党に影響力を持ちすぎた経緯から「政党政治介入はしない」と取り決めた。

 ★厚労省の2020年の「労働組合基礎調査」によれば推定組織率は17・1%。連合組合員数は702万人。組織だけ見れば巨大組織で野党幹部がぺこぺこするのがわかる。だが社会はコロナ禍で雇用が不安定になったり、派遣への人材移行などが進み、個別的労働関係が中心になってきている中で、連合はどこへ向かおうとしているのか。連合自体は自民党と水面下で気脈を通じながら立憲民主党が共産党と連携することに激怒し、国民民主党が与党に近づくことは叱責(しっせき)しないなど、偏った政治介入も支援母体というより、上部組織のような口の出し方だ。政党への政治介入よりも労働者のために進めるべきことがあるのではないか。(K)※敬称略

 ◆政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2021年07月17日  08:29:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【東京五輪】:「特集:汚れたオリンピック」米誌TIMEの偽表紙が拡散。

2021-07-23 07:16:50 | 【新聞社・報道・テレビ・ラジオ・公共放送NHKの功罪・マスコミ・雑誌】

【東京五輪】:「特集:汚れたオリンピック」米誌TIMEの偽表紙が拡散。■買収疑惑で話題に

『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【東京五輪】:「特集:汚れたオリンピック」米誌TIMEの偽表紙が拡散。■買収疑惑で話題に

 拡散しているのは、東京オリンピック招致をめぐる買収疑惑が大きく報じられていた2016年5月のもの。世論では開催の中止や延期を求める声が高まっており、風刺の「コラ画像」が再拡散される要因になっているとみられる。

 東京オリンピック・パラリンピックの中止や、再延期を求める声が広がるなか、5年前にネットで拡散した偽物の画像が再び広がっている。

拡散しているのは、米ニュース週刊誌「TIME」の表紙のパロディ。

 ツイッター上では1000リツイートを超えている投稿もあり、本物だと勘違いをしている人もいるが、これは2016年5月ごろにも広がっていたもので、BuzzFeed Newsは当時も注意喚起していた。

 5年前は、東京オリンピック招致をめぐる買収疑惑が大きく報じられていた。東京招致委の理事長でもあった日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長が国会で参考人招致されるなど、注目を集めていた時期だ。

 「Special Reports : Dirty Olympics」(特集:汚れたオリンピック)とのタイトルの下には、五輪のロゴマークが1万円札でかたどられている。

 画像の右上に書かれた日付は「MAY 22, 2016」となっているが、そもそも本物の「TIME」は「May 23, 2016」と記載されており、1日ズレている。表紙は5月23日号までインターネット上で公開されており、この画像はない。

 東京五輪をめぐっては、新型コロナウイルスの感染拡大に関連し、主要メディアの世論調査では回答者の過半数が中止や延期を求めている。

 一方、国際オリンピック委員会(IOC)と日本政府は、今夏の開催に向けた歩みを続けている。そうした姿勢には批判も高まっており、風刺の偽物が再拡散される要因になっているようだ。

 ◆近づく「五輪中止」のタイムリミット。医療・経済の専門家からも慎重論、スポンサーも社説で訴え Kota Hatachi · May 26, 2021

 ◆「もし、東京五輪が中止になったら…」研究者が“警戒”すること Kota Hatachi · Feb. 13, 2021

 元稿:Buzz Feed 主要ニュース 社会 【話題・東京オリンピック2020・パラリンピック・担当:籏智 広太】  2021年05月27日  09:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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【安倍前首相】:五輪開会式への出席を見送る方針 リオ閉会式ではマリオの衣装

2021-07-23 07:16:40 | 【政策・閣議決定・予算・地方創生・能動的サイバー防御・優生訴訟・公権力の暴力】

【安倍前首相】:五輪開会式への出席を見送る方針 リオ閉会式ではマリオの衣装

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【安倍前首相】:五輪開会式への出席を見送る方針 リオ閉会式ではマリオの衣装

 自民党の安倍晋三前首相は、東京五輪開会式への出席を見送る方針を固めた。関係者が22日、明らかにした。新型コロナウイルスの感染拡大で東京都に緊急事態宣言が発令され、首都圏会場の無観客が決まったことなどを考慮したとみられる。

安倍晋三前首相(2016年8月21日撮影)安倍晋三前首相(2016年8月21日撮影)

 安倍氏は首相在任時に東京五輪・パラリンピックの招致を推進し、2013年、東京開催が決定。16年のリオデジャネイロ五輪閉会式で、人気ゲーム「スーパーマリオブラザーズ」のマリオの衣装で登場して話題となった。

 コロナの世界的な感染拡大を受けて昨年3月、国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長と電話で会談し、同年7月に開幕予定だった東京大会の1年程度の延期で合意。9月に持病を理由に首相退任後、10月に東京五輪・パラリンピック組織委員会の名誉最高顧問就任が発表された。(共同)

 ■最新ニュースをキャッチ! 東京2020特集>>

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・政局・東京オリンピック2020・パラリンピック】  2021年07月22日  22:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【東京五輪】:1年延期決定の安倍前首相 開会式ドタキャンに「敵前逃亡」と猛批判

2021-07-23 07:16:30 | 【政策・閣議決定・予算・地方創生・能動的サイバー防御・優生訴訟・公権力の暴力】

【東京五輪】:1年延期決定の安倍前首相 開会式ドタキャンに「敵前逃亡」と猛批判

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【東京五輪】:1年延期決定の安倍前首相 開会式ドタキャンに「敵前逃亡」と猛批判

 「オールジャパンで対応すれば何とか開催できると思う」 「歴史認識などで一部から反日的ではないかと批判されている人たちが、今回の開催に強く反対している」

【写真あり】7月23日の開会式を欠席すると表明した安倍晋三前首相

 総理大臣を辞任後も冒頭のように、各所で東京オリンピック・パラリンピックの開催を強く訴えてきた安倍晋三前首相(66)。ところがいよいよ開幕を迎えようとする直前になり、7月23日の開会式を欠席すると表明したというのだ。

 NHKの報道によると欠席の理由として、東京都に緊急事態宣言が出され、無観客開催となったことなどを考慮したという安倍氏。開会式は出席者を減らす方向で調整されており、経済3団体のトップやスポンサー企業が相次いで出席を見送るといった動きに足並みを揃えたかたちとなった。

 一見、世間の状況を気遣い、配慮した行動のように見える安倍氏の欠席。しかし、安倍氏といえば、首相在任中から東京五輪の招致段階から旗振り役を務め、新型コロナ感染拡大の収束が予測できないなかでの1年延期を決めた“張本人”だ。現在は、大会組織委員会の名誉最高顧問に就任している。

 昨年3月24日にはIOCのバッハ会長(67)と開催延期を合意した後、記者団に向けて「人類が新型コロナウイルス感染症に打ち勝った証しとして、完全な形で東京五輪・パラリンピックを開催する」と意気込んだ安倍氏。さまざまな功績が評価され、同年11月にはバッハ会長からIOCの功労章「オリンピック・オーダー」が贈られていた。しかし安倍氏のやり方に、首をかしげる人も少なからずいるようだ。

 「13年9月のIOC総会で福島第1原発の状況ついて『アンダーコントロール』との言葉を用いた招致演説を皮切りに、安倍氏は五輪開催に向けて本格的に動き出しました。16年のリオ五輪閉会式では、『スーパーマリオ』に扮して東京五輪をアピール。そんな東京大会は1年延期されましたが、安倍氏は周囲の“2年延期案”を押し切ったのです。

写真・図版:安倍首相「アンダーコントロール」のウソ

 IOC総会で東京をアピールする安倍晋三首相=2013年9月7日、ブエノスアイレス

16年8月、リオデジャネイロ五輪の閉会式で、次期開催地の東京を紹介するショーの一部でマリオの衣装を脱いで登場した安倍晋三前首相16年8月、リオデジャネイロ五輪の閉会式で、次期開催地の東京を紹介するショーの一部でマリオの衣装を脱いで登場した安倍晋三前首相

 しかしコロナ禍の出口は依然として見えておらず、むしろ感染は再拡大しています。それだけではなく、五輪関係者の不祥事で辞任者も相次いでいます。こういった態様に国内外からも批判の声が上がっており、開会式の2日前に欠席を表明したことは“逃げた”と思われても仕方がないでしょう」(全国紙記者)

 開会式をめぐっては、19日に楽曲制作に起用されていた小山田圭吾氏(52)が辞任したばかり。さらに22日には、演出の担当者だった小林賢太郎氏(48)が過去の不適切表現で解任されるといったドタバタぶりだ。課題が山積するなかでの開幕を目前に、“ドタキャン”とも言える対応を取った安倍氏に責任を問う声が広がっている。

 《「完全な形での五輪」が実現出来なかった。これは責任なんか感じてない。ただ叩かれる要素しかないから逃げただけ!! 政権からも逃げ自ら誘致した五輪からも逃げてるただの卑怯者》

 《さんざん神輿を担いだのだから、さすがに出席して責任を全うすべき所でしょ》

 《無責任ここに極まれり》

 これを「敵前逃亡」と言う。無謀な突撃を命じた指揮官が自分だけ逃げるケースはままある。

 元稿:光文社 主要出版物 【週刊女性】 2021年07月22日 18:16:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【五輪、迷走8年】:(7)後手と先送りの末に 根拠ない「安心、安全」で離れた世論 完結

2021-07-23 07:15:50 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【五輪、迷走8年】:(7)後手と先送りの末に 根拠ない「安心、安全」で離れた世論 完結

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【五輪、迷走8年】:(7)後手と先送りの末に 根拠ない「安心、安全」で離れた世論 完結

 東京五輪の延期から約半年が過ぎて首相が交代した昨秋、ある大会関係者が「日本の政府が欲しいのは実績。2021年に東京で五輪をやったというファクトだけ」と嘆息した。国際オリンピック委員会(IOC)も腹の底は同じだった。

【特集】東京五輪、迷走の8年 開催決定から史上初の延期、そして…

 東京がだめなら、半年後の北京冬季五輪も危うい。IOCは放映権料を2大会続けて失うわけにはいかず、準備が後手に回る日本側への介入を強めた。昨年11月にチャーター機で来日したバッハ会長は政府に開催をだめ押ししたとされる。

IOCのバッハ会長(左)の表敬を受け、グータッチを交わす菅義偉首相=2020年11月、首相官邸

IOCのバッハ会長(左)の表敬を受け、グータッチを交わす菅義偉首相=2020年11月、首相官邸

オンラインで開かれたIOC調整委員会と東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の最終合同会議で、発言するIOCのコーツ調整委員長(モニター)。右手前は大会組織委の橋本聖子会長=5月19日、東京都中央区

 オンラインで開かれたIOC調整委員会と東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の最終合同会議で、発言するIOCのコーツ調整委員長(モニター)。右手前は大会組織委の橋本聖子会長=5月19日、東京都中央区

 

 延期の追加経費は簡素化で300億円を削っても2940億円に膨れた。確たる収支が見通せなくても、関係者は「赤字が出たって国が出す」と言い切った。懸案のコロナ対策は遅々として進まず、感染も収まらない中で、IOCは開催の前提にしないはずだったワクチン接種に言及し始めた。

 5月にIOCが米ファイザー社などと選手団へのワクチン提供で合意した。しびれを切らしたようなこの動きは、接種が進まない国内で五輪優先との反発を招いた。コーツ調整委員長は大会で感染が広がった場合の責任は日本にあるとし、緊急事態宣言下でも開催すると言った。会長や最古参委員も放言で国内世論を逆なでしたが、日本側は黙した。

 ある五輪関係者は「IOCとけんかする人がいない。ずっと言いなり」と憤ったが、政府とIOCは開催ありきで思惑が一致していた。大会組織委員会は失言で会長が代わっても政府、IOCに物を申さず、幹部は「下請けだから」と言っていた。

 政府も組織委も、大会時の感染状況を見通すのは難しいと言い続けた。最悪を含む複数の状況を想定して備えるのが危機管理の要諦なのに、そうしなかった。組織委が参加者向けに示したコロナ対策の規則集も、政府の水際対策も穴が少なくない。観客数の判断は開幕直前まで先送りし、ほぼ無観客としながら関係者を別枠として反感を買った。

 根拠のない「安心、安全」を繰り返し聞かされて、世論は五輪から離れていった。「どう転んでも立派な大会にはならない」。決められないリーダーたちに振り回されながら、最後まで準備に力を尽くした組織委の職員がつぶやいた。

 元稿:時事通信社 JIJI.com スポーツ 【疑惑・東京オリンピック2020・パラリンピック】  2021年07月14日  07:13:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【五輪、迷走8年】:(6)政府主導で1年延期 運命の3月24日

2021-07-23 07:15:40 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【五輪、迷走8年】:(6)政府主導で1年延期 運命の3月24日

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【五輪、迷走8年】:(6)政府主導で1年延期 運命の3月24日 

 新型コロナウイルスの感染者数は急増を続け、2020年3月24日には世界の累計で約40万人、死者は2万人に迫ろうとしていた。この日が、東京五輪にとって運命の日となった。

【特集】東京五輪、迷走の8年 開催決定から史上初の延期、そして…

 午後7時23分、安倍晋三首相(当時)が公邸に入った。午後8時から行われる国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長との電話会談のためだった。同席したのは東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長、菅義偉官房長官、橋本聖子五輪担当相(いずれも当時)と、小池百合子東京都知事。

IOCのバッハ会長との電話会談に臨む安倍晋三首相(右から3人目)と同席する(右手前から)菅義偉官房長官、東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長、(左手前から)橋本聖子五輪相、小池百合子東京都知事=(内閣広報室提供)

IOCのバッハ会長との電話会談に臨む安倍晋三首相(右から3人目)と同席する(右手前から)菅義偉官房長官、東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長、(左手前から)橋本聖子五輪相、小池百合子東京都知事=(内閣広報室提供)

IOCのバッハ会長との電話会談を終え、記者団の取材に応じる安倍晋三首相(当時)=2020年3月24日夜、首相公邸前

IOCのバッハ会長との電話会談を終え、記者団の取材に応じる安倍晋三首相(当時)=2020年3月24日夜、首相公邸前

 

 

 会談でまず確認されたのが、五輪を中止しないこと。安倍首相から1年程度の延期を提案されたバッハ会長は、「100%同意する」と応じた。近代五輪で初めてとなる延期は、45分ほどでまとまった。

 延期はIOCにとっても避けられない状況だった。バッハ会長はかたくなに「予定通り開催」と言い続けていたが、IOC委員や選手から疑問の声が上がり始め、カナダやオーストラリア、ドイツなどの多くの国のオリンピック委員会や競技団体が反対の姿勢を示し、追い詰められていた。

 午後9時すぎ、公邸前に集まった報道陣を前に、安倍首相は延期の必要性を強調した。「今後、人類が新型コロナウイルス感染症に打ち勝った証しとして、完全な形で東京オリンピック・パラリンピックを開催するために、バッハ会長と緊密に連携をしていくことで一致した。日本として開催国の責任をしっかりと果たしていきたい」

 21年夏に感染症が収束し、「完全な形」で大会が開催できる保証はなかった。ではなぜ、2年ではなく1年延期だったのか。会談が行われる直前、安倍首相と面談した森会長は、2年延期を提案したという。しかし、首相は1年延期案を譲らなかった。

 政府主導で決まった大会の延期。再延期はしないという意思もIOC側に伝えられ、臨時理事会で承認された。

 安倍首相は3月27日の参院予算委員会で1年程度の延期を提案した理由を問われ、こう答えている。「例えば2年といったあまりにも長期の延期となれば2020年東京大会へのモメンタム(勢い)が失われ、別の大会のようになってしまうという懸念があった」。自民党総裁としての任期満了を、21年秋に迎えることへの言及はなかった。

 元稿:時事通信社 JIJI.com スポーツ 【疑惑・東京オリンピック2020・パラリンピック】  2021年07月13日  07:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【五輪、迷走8年】:(5)IOC、有無言わせぬ会場変更 札幌でマラソン、競歩実施へ

2021-07-23 07:15:30 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【五輪、迷走8年】:(5)IOC、有無言わせぬ会場変更 札幌でマラソン、競歩実施へ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【五輪、迷走8年】:(5)IOC、有無言わせぬ会場変更 札幌でマラソン、競歩実施へ 

 国際オリンピック委員会(IOC)がその気になれば、開催都市の意向や関係者の尽力など問答無用にひっくり返される。その現実を知らしめたのが、マラソン・競歩会場の札幌移転だった。

【特集】東京五輪、迷走の8年 開催決定から史上初の延期、そして…

 東京の暑さを懸念した突然の会場変更は2019年10月16日に表面化。大会まで残り9カ月に迫った時点での「合意なき決定」(小池百合子東京都知事)はIOCへの不信感を生み、大会準備に携わってきた人々には無力感をもたらした。

陸上世界選手権の女子マラソンで酷暑に倒れ、車いすで運ばれる女子選手(右)=2019年9月、ドーハ(EPA時事)

陸上世界選手権の女子マラソンで酷暑に倒れ、車いすで運ばれる女子選手(右)=2019年9月、ドーハ(EPA時事)

五輪選考会のMGCで給水ポイントを通過する選手ら=2019年9月、東京都内

五輪選考会のMGCで給水ポイントを通過する選手ら=2019年9月、東京都内

 

 

 直前に酷暑のドーハで開催された陸上の世界選手権が直接の引き金になった。気温30度超、湿度70%超の過酷な条件で開催された女子マラソンなどの種目で棄権者が続出。東京で同様の状況になることを恐れたIOCが、日本側に札幌への移転を迫った。

 秋に注目度が高まる米国のスポーツ日程と放送局の事情から、開催時期が真夏に限られる五輪。招致時に日本側が「(東京の)この時期は晴れる日が多く温暖で、アスリートが最高の状態でパフォーマンスを発揮できる理想的な気候」と記した立候補ファイルにそもそも無理があったが、IOCは支持。関係者は東京の猛暑を前提に準備を進めた。

 熱を遮断する素材で道路が舗装され、スタート時間を早朝に前倒しにすることを決定。結果的に放送用照明の確保などが困難で断念したものの、深夜の競技実施の可能性も探った。

 競技団体や選手も同様だった。日本陸連は暑さに強い選手を代表に選ぼうと、本番の条件に近いレースを設定して選考。選手や指導者、スタッフは何年もかけて暑さ対策に取り組んできただけに、突然の会場変更に国内外の困惑の声は少なくなかった。

 以前から東京の気候を知りながら、大会直前になって「選手の安全確保が第一」を変更の理由に挙げたIOC。出入り口の狭い札幌ドームをマラソンの発着点に提案するなど場当たり的で、世界陸連内部との調整が済んでいなかったという証言もある。盾とした「アスリートファースト」の向こう側に、「ドーハの悲劇」に焦り、批判の矛先が自らに向けられるリスクを回避しようとする姿が透けて見えた。

 元稿:時事通信社 JIJI.com スポーツ 【疑惑・東京オリンピック2020・パラリンピック】  2021年07月12日  07:12:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【五輪、迷走8年】:(4)小池、森氏に不協和音 経費負担、会場変更めぐり

2021-07-23 07:15:20 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【五輪、迷走8年】:(4)小池、森氏に不協和音 経費負担、会場変更めぐり

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【五輪、迷走8年】:(4)小池、森氏に不協和音 経費負担、会場変更めぐり

 「1兆、2兆、3兆って、お豆腐屋さんじゃないんです」。リオデジャネイロ五輪の開幕を間近に控えた2016年7月。東京都知事選に出馬した小池百合子氏は街頭演説で、東京五輪の開催経費が招致段階で示された7300億円から兆単位へと膨れ上がっていくことに疑問を呈した。

 当選した小池新知事は早速、森喜朗氏をトップに置く大会組織委員会に説明を求めた。焦点の一つとなったのは恒久施設として計画された新設の競技会場。大会終了後の維持管理なども含め、都の負担となる費用の高騰が問題視された。

東京パラリンピック1年前カウントダウンセレモニーに出席した東京都の小池百合子知事(左)と組織委員会の森喜朗会長(当時)=2019年8月、東京都渋谷区

 東京パラリンピック1年前カウントダウンセレモニーに出席した東京都の小池百合子知事(左)と組織委員会の森喜朗会長(当時)=2019年8月、東京都渋谷区

2020年東京五輪・パラリンピックのボートとカヌー・スプリントの代替候補地に挙げられた長沼ボート場。モーターボートに乗り水上から視察する東京都の小池百合子知事(手前右)。手前左は宮城県の村井嘉浩知事=2016年10月、宮城県登米市

2020年東京五輪・パラリンピックのボートとカヌー・スプリントの代替候補地に挙げられた長沼ボート場。モーターボートに乗り水上から視察する東京都の小池百合子知事(手前右)。手前左は宮城県の村井嘉浩知事=2016年10月、宮城県登米市

 

 

 9月には「都政改革本部」の下に設けられ、五輪関連予算の妥当性を検証した調査チームが、開催経費が3兆円超になるとの報告書を公表。都内に新設が予定されていたボート・カヌー、水泳、バレーボールの3会場は大幅な見直しが提案され、宮城県や埼玉県などの既存施設を活用する案が浮上した。

 森氏は「都は本当にやるのか。それでもやるというなら大変なことだ」と移転案に難色を示した。国際競技団体なども反対の姿勢だったが、宮城県登米市の長沼ボート場は「復興五輪」とも結び付けられ、小池知事が視察すると大きな反響を呼んだ。

 結局、国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長との会合などを経て、3カ月もたたずにこれらの会場は予定通り都内に新設されることとなった。森氏は「(小池知事は)何も勉強していない」と述べるなど、対立の構図が浮かび上がった。

 問題はその後も尾を引いた。都の調査チームは都外の仮設施設の整備費について、国の支援を受けて地元自治体が負担するようにも提言していた。各自治体の反発などもあり、整備費について都が全額負担の方針を表明したのは17年5月。森氏は「遅過ぎるが、決断してくれてよかった」と皮肉を交えて語った。

 大会開催に向けて、本来は両輪となって進んでいくはずの開催都市と組織委のトップが互いにけん制し合った。今年2月に森氏が女性蔑視発言で会長を辞任するまで、両者の間に友好的なムードが感じられることはなかった。

 元稿:時事通信社 JIJI.com スポーツ 【疑惑・東京オリンピック2020・パラリンピック】  2021年07月11日  07:04:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【五輪、迷走8年】:(3)五輪招致の闇 東京も JOCに衝撃、会長交代

2021-07-23 07:15:10 | 【事件・未解決事件・犯罪・疑惑・詐欺・闇バイト・旧統一教会を巡る事件他】

【五輪、迷走8年】:(3)五輪招致の闇 東京も JOCに衝撃、会長交代

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【五輪、迷走8年】:(3)五輪招致の闇 東京も JOCに衝撃、会長交代

 矢継ぎ早の質問に答えるその表情は、こわばっていた。2019年3月19日。東京五輪招致の贈賄疑惑でフランス司法当局の捜査対象となった日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長が、6月の任期満了をもって退任すると表明した。「未来を担う若いリーダーに託したい」と表向きの理由を説明したが、疑惑によって退任に追い込まれたことは明白だった。

JOC会長とIOC委員の退任を表明し、記者の質問に厳しい表情を見せる竹田恒和氏=2019年3月19日、東京都渋谷区

JOC会長とIOC委員の退任を表明し、記者の質問に厳しい表情を見せる竹田恒和氏=2019年3月19日、東京都渋谷区

 

 五輪招致委員会が13年にシンガポールのコンサルタント会社に約2億2000万円を入金した。この金が票集めに流れたのでないかと疑いの目が向けられた。同社は国際陸連前会長で国際オリンピック委員会(IOC)委員だったラミン・ディアク氏の息子パパマッサタ氏とつながりがあり、ラミン氏は開催都市決定の投票権を持つIOC委員に影響力を持っていた。

 招致にはIOC委員へのロビー活動が不可欠で、当時は委員にパイプを持つコンサルタントの活用は珍しくなかった。疑惑が明るみに出た16年、JOCが設けた外部調査チームは「支払いに違法性なし」と結論付けた。招致委の理事長だった竹田会長も潔白を主張。ただ、コンサル会社の代表者やディアク親子を直接調査はできず、全容解明には程遠かった。

 疑惑は19年1月に再燃した。竹田会長が仏司法当局の捜査を受けていたことが明らかに。本人は「支払いはコンサルタント業務に対する適切な対価。不正は何も行っていない」と釈明したが、質問を受け付けずに約7分間で会見を終えた対応にも批判が集まった。

 このような状況でも、19年6月に役員改選を控え、JOCの幹部は71歳になっていた竹田会長の続投にこだわった。会長周辺は「これで辞めたら、疑惑を認めたと思われてしまう」。しかし、IOCや政府内でも東京五輪のイメージ悪化を懸念する声が広がり、退任は避けられなくなった。

 01年から会長職にあった竹田氏は、晩節を汚す形でJOCを去った。関係者は「招致は国のプロジェクトだったのに、竹田さんが全部の責任をかぶった」と言った。招致をめぐる金銭の流れは依然として解明されておらず、今もなお疑惑はくすぶっている。

 元稿:時事通信社 JIJI.com スポーツ 【疑惑・東京オリンピック2020・パラリンピック】  2021年07月10日  07:29:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【五輪、迷走8年】:(2)「国民不在」で白紙撤回 15年の新国立、エンブレム問題

2021-07-23 07:15:00 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【五輪、迷走8年】:(2)「国民不在」で白紙撤回 15年の新国立、エンブレム問題

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【五輪、迷走8年】:(2)「国民不在」で白紙撤回 15年の新国立、エンブレム問題

 「あれで相当、五輪反対論が高まったからね」と大会関係者は振り返る。

 東京大会開催決定から2年後の2015年。主会場の新国立競技場の整備計画と、大会エンブレムのデザインが立て続けに白紙撤回された。

【写真】東京五輪の開催中止を求める署名サイト  

 新国立は国、エンブレムは大会組織委員会と計画を担った当事者は異なる。だが、不透明な手続きで進め、反発の声の大きさを見誤り、後手に回って撤回に追い込まれる混乱の図式は二つの問題に共通していた。

 当初1300億円とされた新国立の総工費は、招致決定後に3000億円に膨らむ恐れがあることが判明。事業主体の日本スポーツ振興センター(JSC)は1625億円とする設計案に変更したものの、施工業者の見積もりとは1000億円以上の乖離(かいり)があった。

 予定していた開閉式遮音装置(屋根)整備を先送りするなどして、新たに総工費を2520億円として見切り発車しようとしたが、甘い見通しに批判が集中。安倍晋三首相(当時)がゼロベースでの見直しを宣言するに至った。

 計画の検証委員会は文部科学省やJSCによる意思決定システムやプロジェクト管理に問題があったとするとともに、「国民への説明を十分に果たさなかった」と報告書に記した。

 透明性や丁寧な合意形成を欠く選定は、エンブレムでも顕在化した。当初発表されたデザインがベルギーの劇場ロゴと酷似しているとの見方が拡大。組織委の森喜朗会長(当時)は「絶対の自信がある」と盗用はないとの認識を強調したが、結局は国民の理解を得られなくなったことを理由に撤回を表明した。

 開かれた公募との建前を掲げながら、実際の審査では8人のデザイナーを無条件で通過させていた不正も後に発覚した。

 外部有識者による調査報告書では旧エンブレム選考について「公正さを軽視し、コンプライアンスに目をつぶる。現代の組織委には全くそぐわない」と厳しく指摘。「

今回の問題に現れた最も大きな瑕疵(かし)は、国民の存在をないがしろにしてしまったところ」とも述べた。新国立にもあった「国民不在」の状況は、その後の大会準備でも問われた。

 元稿:時事通信社 JIJI.com スポーツ 【疑惑・東京オリンピック2020・パラリンピック】  2021年07月09日  07:23:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【五輪、迷走8年】:(1)「アンダーコントロール」で招致=後ろめたさ残した圧勝

2021-07-23 07:14:50 | 【原発事故・東電福島第一・放射能汚染・デプリ・処理水の海洋放出と環境汚染

【五輪、迷走8年】:(1)「アンダーコントロール」で招致=後ろめたさ残した圧勝

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【五輪、迷走8年】:(1)「アンダーコントロール」で招致=後ろめたさ残した圧勝 

 五輪招致の専門家に言わせれば、国際オリンピック委員会(IOC)委員の大半は立候補都市の最終プレゼンテーション前に腹を決めている。「動いても2~3票くらい」。2020年大会開催2020年東京五輪の招致成功を喜ぶ安倍晋三首相(当時、右から3人目)ら=13年9月、ブエノスアイレス(AFP時事)

 3都市が争った投票の数日前、総会会場のヒルトン・ブエノスアイレスのロビーで東京の招致委員会関係者は「1回目(で勝てる)過半数に7票足りない」と言った。票読みの一部を示し、自信を深めていた。その裏で事態がわずかに動く。

 東京を推すIOC委員が招致委の1人に耳打ちした。約100人の委員が宿泊する部屋で、東日本大震災による福島第1原発事故のニュース映像が不自然なほど繰り返し流れたという。原発の汚染水問題は東京にとって最大の懸案。敵陣によるネガティブキャンペーンと見る向きもあった。

 そこでプレゼン戦略を練り直し、福島にも言及した。演説に立った当時の安倍晋三首相が「状況は統御されている」と英語で断言した。アンダーコントロールの一言は国内外で後々まで語られることになるが、本当の肝は、その後だった。

 東京支持のハイベルク委員(ノルウェー)が福島について質問し、安倍首相はデータを交えて答えた。よどみがなかった。招致委関係者は「他の都市を支持する委員から問われて、おろおろして答えたらまずかった」と振り返る。この質疑応答は周到な戦略の一環だったとの見方もある。

 東京は汚染水問題を巧みにしのぎ、反政府デモがあったイスタンブール、財政危機のマドリードをかわした。1回目は過半数に6票まで迫り、決選投票で圧勝。ほぼ事前の票読み通りだった。

 ある招致委幹部は「首相の言葉がなかったら苦戦したかもしれない」と言いつつ、続く一言をのみ込んだ。本当はアンダーコントロールではなかった、という思いは今でも引っかかっている。

 プレゼン後、IOC最古参委員のパウンド元副会長(カナダ)は「西洋的な厳しい質問に、首相は西洋的な答えを返した」と語った。西側中心のサロンとやゆされるIOCの委員には響いたかもしれないが、後ろめたさを残すことになった。

 ◇問題相次いだ8年

 東京五輪は2013年9月7日に開催が決まってから問題が相次いだ。国立競技場とエンブレムの白紙撤回、招致疑惑、経費高騰、マラソンの札幌移転、史上初の延期、そして―。新型コロナウイルスの余波も受けた迷走の8年を振り返る。 (了)

 元稿:時事通信社 JIJI.com スポーツ 【疑惑・東京オリンピック2020・パラリンピック】  2021年07月08日  07:24:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【政局】:妄言・放言だらけの東京五輪 ■政治家の無責任ぶりがエスカレート

2021-07-23 07:14:40 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【政局】:妄言・放言だらけの東京五輪 ■政治家の無責任ぶりがエスカレート

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政局】:妄言・放言だらけの東京五輪 ■ 政治家の無責任ぶりがエスカレート 

 ウソ、ゴマカシ、責任逃れ。新型コロナウイルスで人類が危機の時代に突入したにもかかわらず、政治家たちの言葉は、人々を不安にさせるばかり。偉い奴ほどよく笑う、悪い奴ほどよく逃げる。いったい、この国はどうなってしまったのか?

 【前編/平井デジタル相の「完全に干す」発言 日本は独裁国家と同レベル!?】より続く

*  *  *

 目下の大問題は、コロナ禍で開催されようとしている東京五輪・パラリンピックだ。

 そもそも東京招致の目的は、東日本大震災からの復興を目指す「復興五輪」だった。ところが13年9月、開催都市を選ぶ最終プレゼンテーション前の記者会見で、竹田恒和東京五輪招致委員会理事長(当時)はこう言ってしまう。

 「福島と東京は250キロ離れている」

 東京電力福島第一原発事故についての質問が相次ぎ、つい本音が漏れた。さらに3日後の最終プレゼンテーションでは、安倍晋三前首相がこう宣言した。

 「フクシマについて、お案じの向きには、私から保証をいたします。状況は、制御下(アンダーコントロール)にある」

 原発事故から10年を経た今も、福島県では3万5千人以上の人々が県内外に避難している。コラムニストの小田嶋隆氏は言う。

安倍晋三前首相 (c)朝日新聞社© AERA dot. 提供 安倍晋三前首相 (c)朝日新聞社

 「結局、『復興五輪』のスローガンは招致を実現する道具でしかなかった。五輪開催の恩恵を享受できる一部の人のために、原発事故や震災という悲劇も利用する。論理が完全に倒錯している」

 コロナ禍に見舞われた今、「とにかく五輪開催」という風潮に拍車がかかっている。そもそも責任者すら明確ではないのだ。菅義偉首相は5月10日の国会答弁で、「(五輪の)主催者はIOC(国際オリンピック委員会)、IPC(国際パラリンピック委員会)、東京都、大会組織委員会」と繰り返し、自らが開催可否を判断する立場にないと強調した。だが、当のIOCのバッハ会長は、「オリンピックを開催するためには、我々はいくらかの犠牲を払わなければいけない」という考えの持ち主。何かあった時に、責任をとるとは到底思えない。

 こうした現状に、日本が戦争に負けた原因を分析した研究書『失敗の本質 日本軍の組織論的研究』が注目されている。ジャーナリストの二木啓孝氏は言う。

 「この本では、第2次世界大戦とコロナ対策に共通する四つの日本の組織論的問題が指摘されている。(1)縦割り組織の弊害、(2)根拠なき楽観とそれを支える精神論、(3)科学の軽視、(4)始めたらやめられないという考え方。もはや目的はなく、『五輪を開催した』というアリバイ作りに仕事をしているとしか思えません」

 国民性はあるにしても、近年は政治家の無責任ぶりがエスカレートしていないか。二木氏は言う。

 「かつては政権が失敗すると自民党内の派閥で政争となり“疑似政権交代”が起きていた。ところが、1994年に衆院で小選挙区制が導入されると、派閥よりも党や官邸の持つ公認権の影響が強くなった。第2次安倍政権以降は国政選挙で圧勝を続けたので、出馬すればほぼ全員当選。以前は大物政治家でも不祥事で落選することがあったが、それもなくなり、自民党内に緊張感が失われました」

 小田嶋氏はその例として、18年に自民党の杉田水脈衆院議員が同性カップルについて「生産性がない」と月刊誌に投稿して問題になったことを挙げる。

 「杉田氏は元は日本維新の会に所属していましたが、右派的な言動が安倍氏の目に留まったのか、17年の衆院選で比例中国ブロックの比例単独候補の最上位で公認され、当選しました。問題発言の後も、安倍氏は『まだ若いから』とかばい、処分なし。今も党内で堂々と発言しています。間違ったことをしても、処分されない組織になっている」

 ただ、コロナ禍で相次ぐ無責任発言はさすがに政権への打撃となり、菅内閣の支持率は発足時の65%から33%まで下落(朝日新聞社調査)。すでに政権末期の状態だ。だが、ここで息を吹き返そうとする人がいる。安倍氏の側近は言う。

 「菅首相がコケるほど、安倍さんの3度目の首相登板への期待が高まる」

 元祖・無責任男が三たび首相の座に座るのか。それを決めるのは国民だ。今秋までに実施される総選挙で、与野党関係なく無責任な政治家には退場してもらおう。(本誌・西岡千史、松岡瑛理)

 ※週刊朝日  2021年6月25日号より抜粋

 元稿:Microsoft News 主要ニュース 政治  【政局・医療・新型コロナウイルスの感染拡大・東京オリンピック2020・パラリンピック】 2021年06月17日 08:00:00 これは参考資料です。 転載等各自で判断下さい。

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【東京五輪】:「アルマゲドンは後に来る」「カネ回収のための開催は許しがたい」海外で止まぬ批判

2021-07-23 07:14:30 | 【感染症(1類~5類)・新型コロナ・エボラ・食中毒・鳥インフル・豚コレラ】

【東京五輪】:「アルマゲドンは後に来る」「カネ回収のための開催は許しがたい」海外で止まぬ批判

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【東京五輪】:「アルマゲドンは後に来る」「カネ回収のための開催は許しがたい」海外で止まぬ批判

  アルマゲドンは後からくる――。新型コロナウイルス感染拡大下でも開催が〝ゴリ押し〟されている東京五輪。海外メディアは安全よりもカネに目がくらむ主催者側を糾弾している。

 ■【写真】〝五輪中止〟Tシャツが再びバカ売れ!  

 米誌「ザ・ネーション」は東京五輪について「危険にさらされている」と報道。「正気であれば延期されていたが、カネがすべての懸念を打ち負かした」とバッサリだ。記事では東京がすでに浪費した300億ドル(約3兆3000万円)の資金を取り戻すため、またIOCは中止となれば失われる放映権料40億ドル(約4400億円)を維持するために、開催を強行すると指摘。「何十億ドルを取り戻すために、事実上ワクチン接種を受けていない国で五輪を開催することは、許しがたいことだ」と批判した。

 さらに、政府の新型コロナ分科会の尾身茂会長が「本来はパンデミック(世界的大流行)でやることが普通ではない」と発言するなど、専門家からも厳しい意見が出ていることに言及。「菅義偉首相は『延期またはキャンセルに関して、IOCがすべてのカードを保持している』と繰り返し、責任を押し付けるだけ」と、日本トップの無責任ぶりも非難した。

 同誌はIOCの重鎮ディック・パウンド委員の「アルマゲドンが起きない限り、東京五輪はできる」発言にも触れた。「大会の前にアルマゲドンは起こらないかもしれないが、彼らが前へとゴリ押しするなら、余波は間違いなく似たような状態で生じるだろう」と〝悲劇的状況〟が後から来る可能性を示唆した。海外からも開催強行は「破滅行為」と見えているようだ。 

 元稿:東京スポーツ新聞社 東スポ WEB 主要ニュース スポーツ 【東京オリンピック2020・パラリンピック】 2021年06月12日  19:18:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【僭越ながら「論」・21.03.11】:「10年ひと昔」東日本大震災と劣化する日本

2021-07-23 07:14:10 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【僭越ながら「論」・21.03.11】:「10年ひと昔」東日本大震災と劣化する日本

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【僭越ながら「論」・21.03.11】:「10年ひと昔」東日本大震災と劣化する日本 

 東日本大震災から10年、今年も「3.11」が巡ってきた。私たちは、“震災から○年”と指を折ることができるが、津波に飲み込まれて亡くなった人たちは、震災を振り返ることはもちろん、家族との楽しい思い出を語り合うこともできない。

 震災当時、この国は「絆」という言葉を掲げて東北の復旧・復興を誓い、国民の連帯感は高まったかにみえた。多くの国民が「3.11」を胸に刻んでいるはずだったが、原発事故の記憶は薄れ、被災地の出身者を差別するという馬鹿な連中さえ現れた。まさに「10年ひと昔」である。

 開催できるかどうか分からないオリンピック・パラリンピックと新型コロナウイルスが過去の話になったとたん、震災の記憶を思い返す機会は、さらに少なくなるだろう。それを予見できる証拠は、いくらでもある。

 ■五輪招致に利用された被災地

 東京オリンピック・パラリンピックの招致が決まったのは、東日本大震災から2年半後の2013年9月。当時の安倍晋三首相は、震災を受けてメルトダウンした福島第一原発の汚染水について「状況はコントロールされています」と明言し、招致を成功させた。

 「コントロール」が真っ赤な嘘だったことは、増え続ける汚染水を海に垂れ流さざるを得なくなっている現状をみれば明らか。港湾内の0.3キロ内にブロックするどころか、湾外の広範囲に放流するというのだかから開いた口が塞がらない。

 被災地が五輪誘致に利用されたのは確かで、当初政府が掲げたテーマは『復興五輪』。それが、震災の記憶が薄れるにつれ隅に追いやられ、『人類が新型コロナウイルスに打ち勝った証』に変わり、最近では『多様性と調和』の五輪ということになっている。オリンピックの目的は、その時々の政権の都合に合わせて書き替えられてきた。 

 ■「原発回帰」に動く原子力ムラ

 原発に関する国民の意識も低下する一方で、つい先日、それを象徴するようなニュースに接した。永田町の総理官邸前では、毎週金曜日に市民団体が脱原発を訴えるデモを続けてきたが、参加者の減少と資金難原因で、3月末をもって休止することになったという。

 地方でも、再稼働する原発の周辺では行われていた抗議集会への参加者が減ってきており、「反原発」「脱原発」に対する熱気を感じることはなくなった。

福島第一原子力発電所1号機、2号機

写真5. 福島第一原子力発電所1号機、2号機
-写真手前から2号機、1号機。左側が原子炉建屋、右側がタービン建屋。
 (平成23年4月10日撮影)

概略図

                     図2. 概略図

 勢いを増しているのは原子力ムラで、今月8日には日本経済団体連合会(経団連)が「電力システムの再構築に関する第2次提言」を発表。その中で、原則40年とされる原発稼働期間の延長を20年とする現行制度を、さらに20年延ばして80年の稼働を可能とするよう提言。「新増設」を国策として位置付けるよう求めるなど、原発回帰を強く働きかけた。

 東日本以外の経済界も歩調を合わせ、9日に関西経済連合会、 九州経済連合会、中国経済連合会、四国経済連合会、中部経済連合会、北陸経済連合会が共同で、原発再稼働や新増設を求める意見書をまとめ公表している。福島第一原発の事故直後に、こうした提言や意見書が出ていたら、それぞれの経済団体は抗議する群衆に囲まれていたに違いない。原子力ムラは、震災から10年の節目を迎え、ほとぼりが冷めたとでも思っているのだろう。

 ■安倍・菅政権で劣化した日本

 2011年に政権を担当していたのは、2009年に自民党を下野させた民主党で、東日本大震災が発生した時の首相は菅直人氏だった。翌年に総選挙で勝利した自民党が政権を奪い返すまでのことを、安倍前首相は度々「悪夢の4年間」と罵倒してきた。しかし、安倍から菅義偉へと続く約8年の政権が生んだのは、「忖度」と「接待」、そして政局の節目ごとにかけ替えられる「3本の矢」であるとか「一億総活躍」といった、すでに死語となったキャッチコピーの数々だった。アベノミクスが、ただ株価を上げただけで、実際には「格差」を拡大させた愚策だったことも証明済みである。

 官邸の支配下に置かれた霞が関が正気を失っていったのと同時進行で、政治も劣化した。チルドレン議員らは次々に事件を起こし、遂には大臣・副大臣クラスが収賄で立件される始末。歴代の総務大臣までNTT側から接待を受けていたことが暴かれており、腐敗は底なしの様相を呈している。

 そもそも、森友・加計や桜を見る会、役人接待といった政権を揺るがす“大事件”に関与していたのが、最高権力者の妻や出来の悪い長男だというのだから、下に示しがつくわけがない。確かに幼稚ではあったが、民主党政権の方が、よほどましだったと断言しておきたい。

 東日本大震災から10年。この国の中で、本当に「絆」はつながっていたのだろうか?原発や被災地のことについて、身近な人たちと語り合う機会があるだろうか?震災前日の2011年3月10日にニュースサイト「ハンター」を立ち上げてから10年経ったが、世の中が良くなったとは思えない。(中願寺 純隆)

 元稿:HUNTER 主要ニュース 【僭越ながら「論」】  2021年03月11日  08:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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